三月や~ さぁさおいでと胸広げ 胸広げ
 ぐっと抱き込む 乳飲み子や(乳飲み子や)

 四月や~ しかけたところへ客が来て 客が来て
 あわててやめるは ヘボ将棋(ヘボ将棋)

しっぽりと年度の切替ドキに再確認とオカルト話。

今年から決めた事が大きく2点あります。ひとつは持ち玉で打つこと、そして譲るのを止めることです。
交換ギャップがあるのならば持ち玉遊技せよという基本的な事を守りましょう。という今更のキメゴト。遅ればせながら現金投資との差についてようやくわかりました。
後者は勝ちをお裾分けしたいという不思議なクセを持っていたのですが、それもう止めました。もう譲らない。あたいはもうやんないよ。

なぜなら、ある店で私はちょっとした有名人?となっており、来店した途端に色めきだつというかソワソワする人たちが現れたからです。最初は「あれっ、変だな」「気のせいかな?」程度に思っていたのですが、もうハッキリしました。

ある女性が私を見つけるやいなや小走りでやってきて、満面の笑顔であなたの横で打つと当たるから♪と声を弾ませ座ったのです。偶然ですが確かに以前、何度かそういうことがありました。私の横や止めた後に打って爆裂。でもそれは私に限った話じゃない。だって止めた台が爆裂なんてチャメシゴトでしょう。たまたまが続いただけの話です。

この完璧なオカルトはBBA&GGIシンジケートを通して広まり、何度も何度も様子を見に来る男性、連チャンが終わると後ろに立つ人、トイレに立っただけで「すわ、やめんのか」と慌ててやってくる人、止めて席を立ったらすぐ、もうコントみたいにすぐシュッと座る下品なおじさんもいます。まちきれないやい…て、ヤイ、こら!

いわゆる勝利の女神(えらい年増の女神やな)というわけですが、今では連チャン終了後でも、流れがきてる時は「続行させてもらうで」と打ち続けています。案の定「まだ打ってる!」という顔をされました。そこからの露骨すぎるヒソヒソよ。なんで勝手に「女神……からの強欲認定!」されなあかんねん。しばくぞ。

結局ひとり気疲れして、すごく良いお店なのに今ではもう月1程度しか行かなくなりました。だのに増してしまうレア感・悪循環 Hey,Yo!

そりゃゲンを担ぐ時もありますし、たまたまのオカルト当たりで「おー!」なんてな日もあります。なのですがりたくなる人の心や業を決してわらったりしません。が、ただでさえパチンコ店の中というのは、欲望という名のオーラをまとった大きなドラゴンがうねりながら周回しており、それをよっこらしょと避けつつ遊ぶわけで、おかしな空気というトラップで二重疲れ。やれやれ。

原因ははっきりしています。お客さんとは話をしないからです。そしてパチンコ初心者というのもありますが、基本的にどこの店でも私はごっつ浮いている存在だからです。自分でもそれは感じています。ワシ浮いとんな~と。

だからBBA&GGI(特に常連客)と仲良しになれば、こんなオカルトは発生しなかったはずなのです。銭湯なんかにもいるように、パチンコ屋さんにもヌシがいます。パチプロがどの人かなんて皆目わからない私ですが、ヌシはわかります。でも交流しない。きっかけを作りたくないという一点のみで意図的にほぼ無視しているのです。
そんな態度を快く思っていないというのが根底にあると思います。実際「ぶりっこオバハン」とか「気取っちゃって!」みたいに思われているでしょう。

別に話をしたっていいのですが、仲良くなったからって玉、出んのかって話です。ザ・身も蓋もなし。いや、お互いにね。並んで打ったとて「あの人勝利の女神じゃない」ってバレるだけです。そこから恨まれたりなんかしたら、どないしまんねやと。理不尽極まりないやおまへんかと。

まず、並び打ちでどちらかが圧倒的に出たらどうするの。いたたまれなくなりますでしょう。どちらもトントンな流れや私が負けるってのなら別にどうでもいいんですが、逆に勝っちゃう場合。

実際、互いにハマッて文句たれてた仲良しコンビの一人が当たった瞬間の、片方のおばちゃんの露骨なボタン鬼叩きとかを見ていると、やっぱり私はこの路線でいいのだと思えてきます。激叩きつつ怖い顔で睨んでくるお友だちを横に、あんなしれっと涼しい顔して打ち続けるなんて、そんな鉄のハートは持ち合わせていません。

ただでさえ近所づきあいだの仕事だので、人間関係によるもつれやしがらみは鬱陶しいもの。だからこそパチンコ屋さんに行ってるのに。

パチンコ屋さんは一人になって頭を無に、もしくは考え事に集中できる場所。

殺伐とした雰囲気が苦手な人もいるでしょうが、私はパチンコ屋さんにおいてだけは孤独でいたいのです。誰も私を知らない。私は何者でもない。

ああそれなのに、今日もか。

バラエティコーナーで久々にミドルを打っていたら、例の笑顔の女性が隣に座りました。ああ、もういやだ。即刻、移動。どんなに空いていても「隣にあの感じ」が頻発するので、余程のことがない限りすぐ席を立って移動することにしているのです。ゴルゴなら俺の後ろに立つなですが、私の場合は期待満々で隣に座るな、です。

しばらくしてシマを通ると、またしても偶然でしょうが、その女性がドル箱を積み上げていました。私の姿を見て「やった!」の指差しポーズです。えっ?私のおかげやと思うてんの?とんでもない!自分の引きやそれは。

ため息まじりのよかったですね苦笑い。のち白目。だって、噴き上がっているその台は因縁のめぞん一刻

 呪われているのかもしれない……

思わずそうつぶやいてしまったのでございます(岸田今日子、もしくはリングや貞子の「ぶいをねらってくだ・さい……」の声で再生してみてくだ・さい)。

ああ!んもう!ドラゴンがニシキヘビのようにぐるぐる巻き付いてくる気分。

負けて悔しいならともかく、こんな奇妙な思いをなんでせなならんのか。

これはあかん。気軽に話しかけられないためにも、耳栓を迷彩柄に、ブルーライトカットのめがねを白竜モデルに、そして黒いマスクという戦闘スタイルをはじめてみました。あとは「スキンヘッドにしたろかしら」と迷走している女神をもし見かけた方は「色々あるやろけど、がんばりや」と心の中で呟き、そっとお見守りくださいますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。

間違っても隣には座らないでくだ・さい……(岸田今日子ふたたび)。