ホール大手5社が実行力のある依存対策案を考えているそうだが、本気で取り組むのなら歓迎すべき動きだろう。いずれはメーカーも交えての行動を期待したいところだ。

ダイナム(東京都荒川区)は30日、ぱちんこ依存対策に取り組むホール企業大手5社(合田観光商事・ダイナム・ニラク・マルハン・夢コーポレーション)と共同で、レスポンシブル・ゲーミング(責任あるゲーミング)に関する取り組みを発表する。今回は、強い意思のもとで実効力のある具体的依存対策案を打ち出すなどの共同声明を行うという。

 当日は、認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事で、薬物依存回復支援施設のダルクやギャンブルに問題がある人の回復支援施設である認定NPO法人ワンデーポートなどの活動支援も行う西村直之氏を招請。講演のほか、顧客と接する機会が多いホール従業員を対象に、依存対策に取り組むための合同セッション(ワークショップ)を開催する。

 今回の5社トップによる共同声明や西村氏の講演、ワークショップの様子は、各社ホームページで一般公開し、ホール企業における依存対策への意識啓発につなげる意向だ。

 レスポンシブル・ゲーミングとは、一般社団法人RCPGのHPによれば、ギャンブリングに関連して起こる可能性がある害について、それを予防し、できるだけ少なくするためのフレームワークとその実践のことを意味する用語。その主眼は、すでに起こってしまった問題に対する後からの対策だけではなく、負の問題が起きる前に対策を講じ、より健康的な行動習慣を促進しようとする公衆保健プロジェクトの展開にある。(ニュース提供・LOGOS×娯楽産業)~以上、sankeibizより引用~ https://www.sankeibiz.jp/business/news/190122/bsd1901220500008-n1.htm

 私見だが、パチンコもパチスロもある程度は依存してしまうような機械でないと、まずもってホール側の利益にはつながらない。また、新台価格がそれなりに高いわけで、まずこれを回収しないことには商売にならない。新台価格が下がれば売上至上主義もある程度は抑えられる。つまり、多くのユーザーから必要以上に抜くようなことが避けられるわけである。ただ、中古機を法外な値段で買うようなホールがある限り、メーカーは価格を下げないだろう。各ホールはライバル関係にあるわけで、メーカーの機嫌を損ねて評判のいい機械をいち早く入れられないとなったら、一大事である。

 大手5社の本気度が知りたいが、やはりメーカーも交えての依存症対策を考えるべきと思う。いずれまた規制の盲点を突いたりして、やたらと射幸心を煽るような機械が出てきたとなったら、結局それにつぎ込む客が増えるわけである。パチスロでも5号機初期はコイン持ちがいい退屈な機械ばかりで、これで少しは必要以上に突っ込むような客は減るのではないかと思ったものだが、いつの間にかとんでもない機械ばかりになっていた。それでまた規制となり、今はまた使えない機械ばかりだと愚痴をこぼしている。

 使える、使えないの基準がどこにあるのかは分からないが、もう必要以上にのめり込ませるような機械を歓迎する時代ではないと考えるべきだろう。当面、各ホールは売上面では苦労するかもしれないが、オリンピックを控え、対外的に見ても依存症対策は急務だ。庶民の娯楽を標榜するなら、避けては通れない道でもある。