定期的に起きてしまう景品交換所関連の事件だが、警備体制を厳重なものにするほかはないだろう。そういったところにかけられるコストにも限界があるだろうが、下手をすれば殺傷事件になりかねないのだ。まあ、一番いいのは店内換金を合法化してしまうことだが、その時機は失われた。いつまでも特殊景品を提供して、店外で行われていることは預かり知らぬでいいわけはないのだが……。

10日午前10時50分ごろ、横浜市港南区日野南のパチンコ店の景品交換所に男3人が押し入り、勤務していたアルバイトの男性(71)の顔を殴り、現金約1200万円を奪って逃走した。神奈川県警港南署が強盗致傷事件として捜査している。

 同署によると、男性がゴミ捨てのため交換所から出て戻ろうとしたところ、3人組の男がなだれ込んできたという。男らは男性を数発殴って押さえ付け、保管されていた現金を奪った。男性は軽傷を負った。

~以上、時事ドットコムニュースから引用~ https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041000886&g=soc

 昔、CR機とともにカードシステムを構築するにあたり、それを受け入れる代わりにいずれは換金行為を合法化できないかと、そんな機運が高まった時期があった。それと同様なことは封入式パチンコ (ECO遊技機→管理遊技機) 導入に関しても言われていたことで、実際に玉を使わず、釘調整が不可能で、一応の平等性は確保されている。遊技する人によって格差が生じないことで、換金合法化が視野に入ってくる。そして、すべての出玉情報をICカード1枚で処理できる。それをキャッシュディスペンサーに入れれば現金が出てくると、そういうわけだ。

 ただ、いずれも頓挫している。管理遊技機は依存症対策としてまた注目されているが、それと換金合法化はセットではない。換金合法化は業界にとっては非常に理想的なものに思えるのだが、現実はなかなかそうでもないようだ。警察行政としては触れてほしくないことであり、中小のホールにとっては今のグレーゾーンの状況の方が何かと都合がいいようである。換金が合法化されると堂々と株式上場が可能になるわけで、それによって中小のホールが痛手を被る。中小零細ホールの大部分は上場するほどの資本力はなく、ますます大手との格差が広がるわけだ。

 監督官庁の警察庁も、業界内でも、換金合法化には後ろ向きなのだから、話が前に進むわけはない。ただ、先述のように、いつまでも特殊景品を外に持ち出して交換所で現金に交換というプロセスでいいわけはないのだ。何とかならないものかと思うが、この問題だけはなかなか一筋縄ではいかないようだ。