スーパーDステーション大間々店と言えば昨年11月末から自主的に営業を自粛していたのだが、今回正式に行政処分を受けることとなった。しかしながら、釘曲げなんて全国どの店もやっているだろうと思うのだが、こういう見せしめ的な摘発はいつになったら終わるのか。

 群馬県内を中心にパチンコ店「Dステーション」を経営する「NEXUS(ネクサス)」(高崎市島野町)のみどり市の店舗に対し、県公安委員会が5日、風営法に基づき6カ月以内の営業停止の処分を決めた。県公安委の承認なしにパチンコ台の釘を曲げ、性能に影響を与えたことが違法とされた。県警は営業停止期間を明らかにしていない。

 行政処分を受けたのは「スーパーDステーション大間々店」(みどり市大間々町大間々)。昨年11月6日、店長がパチンコ遊技機3台の釘を曲げたとされる。捜査関係者らによると、県警は1月23日、NEXUSを風営法違反(無承認変更)容疑で書類送検したが、前橋地検桐生支部が2月21日に不起訴処分にした。摘発後、大間々店は営業を自粛している。

 今回摘発された「釘曲げ」は、… 以下、会員限定記事 朝日新聞DIGITALより引用

https://www.asahi.com/articles/ASM6563H8M65UHNB013.html?iref=com_rnavi_arank_nr02

 元々、パチンコは釘調整あってのもので、それがなかったら遊技としての体を成さない。釘調整ができるからこそ出玉率を調整できるわけだし、ゲーム性という観点から見れば様々な玉の動きも楽しめるわけである。

 しかしながら、いつの間にか型式試験の時と性能が異なる遊技機は違法という烙印が押されるようになり、釘調整=違法の図式がまかり通るようになった。昔、ある遊技機の現場での釘調整が試験時のものと異なるとして、大きな問題になったことがあったのだが、その頃から警察の取り締まり体制が厳しくなったような気もする。

 古くからのユーザーなら分かる話だと思うが、Vゾーンに連続入賞するように大きく釘を曲げて実際に連続入賞が容易になると連チャンプログラムが発動する、そのような機種があった。昔のメーカーのプログラマーは頭のいい人がいたものと思う。試験時は連続入賞が起きにくいから意図的な連チャンは発生しないのだが、いざホールに大きく釘を曲げた状態で設置されると当然連チャンが発生しやすくなるというわけだ。

 警察当局としては、釘なんてものを調整させるから悪さするホールが出てくる、今後は内部的な問題 (基板の不正改造等) だけでなく、釘を動かしただけでも、検定時と異なる性能を持った遊技機として取り締まれと、まあそのような流れである。それでも、スタート口やアタッカー周辺にまで細かく口を出してくることはほとんどなかったのだが、近年はそれも目の敵にされつつある。

 そこで設定機、設定機能付き封入式 (ECO遊技機) の登場となるのだろうが、ECO遊技機はまだ先の話にしても、設定機はすでに登場している。その評判はあまりよろしくない。現実はしっかりと釘調整されている設定機がほとんどだし、こういうところがどうにも中途半端だと思う。行政も、どうしても釘はいじらせたくないというのなら、釘の代わりに物理的に変形しない材質を使わせるくらいしかやりようはない。

 そんなことは現実的ではないから釘をいじってる店があればしっかりと取り締まる、そうであれば全国のホールが取り締まりの対象になる。群馬は厳しいけど、同じ関東の東京や神奈川は問題ない、こんなことが通用するわけがない。行政も本気だというのなら、都道府県による温度差を改め、全国一律に取り締まるべきだろう。

 それができないのなら、いつまで経っても釘調整を行うホールは無くならないし、特定の地域のことは静観しておけばいいと、そんな流れになる。そんなことでいいわけはない。