ホール内設置のATMに関しては以前から色々と問題視されていたわけだが、この度ホール企業9社が順次撤去を始めると発表した。のめり込みや依存症問題では特にこのホール内ATMが槍玉に挙げられているのだが、まあ撤去したところで本質的な解決にはならない。ただ、ない方がいいことは言うまでもないが。

マルハンなど、パチンコホールの有志9社が先般、「ぱちんこ営業所のATMの撤去等に関する宣言」を発表した。今後、自店のホール内に設置しているATMについて契約更新を行わず、順次、撤去を開始する方針だ。ATM問題について業界がまとまるきっかけとなるか、注目が集まる。 

ATMの撤去を宣言したホール企業は、喜久家、ジャパンニューアルファ、正栄プロジェクト、トリックスターズ・アレア、日拓グループ、ピーアークホールディングス、ひぐちグループ、マタハリー、マルハンの9社。現在、9社が経営する店舗数は502店舗で、設置するATMは計171台。今後はATMの設置契約が切れた段階で更新をせずに撤去していく。

宣言に至った経緯について実務を担当したマルハンの内藤裕人氏は、「ATMについてはサービスを提供するトラストネットワークスと個々の企業との契約となっているが、業界の取組みが公営競技よりも遅れているということにならないよう、9社で宣言した」などと説明した。

                                                     ~中略~

一方、今回の有志企業の動きに対し、全日遊連の阿部恭久理事長は記者会見で、「依存問題は業界がまとまって進んでいくもので、自分たちだけでやるのはどうかと思っている」との見解を示した。

ATMの撤去に関しては、基本計画案の「ATM等の撤去」から字句の修正が加えられ、「撤去等」となった経緯がある。また、時代に適した風営法を求める議員連盟が国家公安委員長(警察庁)に出した提言書で、「ATMの撤去等が法令に基づいて求められるものではないことを確認した」などと示していた。

阿部理事長は議連のこれまでの動きを踏まえ、「先生方も協力してくれようとしている中で、こういう形で業界の一部の人たちが『言われたから外す』ということになれば、業界がまとまっていないとの認識を持たれるのではないか」と述べ、今後の業界からの議連への要望などに影響が出かねないことを懸念した。

ATMサービスを展開するトラストネットワークスでは、撤去以外の対応策として、2019年春から、取引開始時にのめり込み使い過ぎ注意の文言表示とリカバリーサポート・ネットワークの案内、取引回数を1日2回までに制限、レシート裏面に依存相談機関等の案内に取り組んでいる。さらに来年夏をメドに、本人の自己申告により指定のキャッシュカードに対し、同社の全てのATMで取引を制限する機能を導入する予定という。

店内ATMには遊技客の利用だけでなく、ホール側が入金機能として活用できる側面もある。

撤去か、それ以外の「等」を含めたやり方を推進していくのか。世間が納得できる対策を業界がまとまって取り組む必要がある。~以上、web-greenbeltより抜粋。https://web-greenbelt.jp/post-36195/

 まとまりのない業界とは昔から言われていることで、今回の件にしても組合に任せていたらいつまで経っても話が進まないので、有志ホールだけでまとめたと、そういうことだろう。社会的にはホール内のATMなど、なければ困るという性質のものではないので、撤去云々が疑問視されることなど当然なかろう。組合としてはきちんと全体的に話し合ってから進めたかったのだろうが、まあ利害関係等が絡んでくることもあるので、遅々として進まない傾向にあるわけだ。

 世間が納得できる対策を業界がまとまって取り組む必要があるとまとめているが、それには同感である。つまるところ、業界内の様々な問題点は社会的、世間的にそれなりにではあるが注視されているわけで、そこで下手を打つと当然のように批判にさらされる。こういったことが起きる度、組合の存在理由が問われ、力量が試されるわけで、今後の動向には注目しておきたいところである。