10万円給付の遅延がパチンコ店の営業に影響を及ぼしているというのだが、仮にスピーディーに給付され、ある程度は店の売上に貢献したとしても、あくまでも一時しのぎに過ぎないだろう。客離れはコロナ騒動以前から深刻なものになっていたし、コロナでより一層パチンコ業界の問題点があぶり出され、行く気がしなくなったというファンも少なくないと思う。

新型コロナウイルスの感染拡大で長期に渡り営業休止を余儀なくされたパチンコ店がピンチに陥っている。6月から全国のパチンコ店で営業は再開されたが、倒産、閉店に追い込まれる店が急増しているのだ。

 民間信用調査会社の調べでは、今年1月から5月まで倒産したパチンコ業者は12件、前年比の2倍という。また、パチンコ業界団体によれば全国で100近いパチンコ業者が閉店、倒産に追い込まれているという。大阪のあるパチンコ業者が渋い顔でこう証言する。

「緊急事態宣言、外出自粛時、短期間はこっそり営業していた。だが、店名公表など行政からのペナルティのような発表で、店を閉めた。休業中、三蜜対策を講じて、満を持して6月の営業再開となったが、自粛ムードは依然として続いている」

                  ~中略~

この2つの業者とも口をそろえるのが国民一人につき10万円支給される「特別定額給付金」の遅延だ。全国の自治体で支給が開始されているが、総務省の調べでは、6月19日現在全国平均で57・9%の給付率という。だが、東京23区では平均23%、大阪市では3・1%と大都市で遅れが目立つ。

「10万円が早く入る、それがパチンコに一定程度、流れてくると大半のパチンコ業者は信じていた。忙しくなると、できる限り従業員やアルバイトもやめさせず、耐えてきた。営業自粛中も『10万円もらったら、打ちにいくから』と言っていたお客さんもけっこういました。いかんせん、10万円給付が進まないとどうにもなりません」(前出・大阪のパチンコ業者)~以上 AERA dot より抜粋~

 自粛期間中に打てない状況に慣れてしまい、今まで良く打っていたお客の足も遠のいたと見るのが正しいと思うが、そのようなファンをいかに呼び戻すかが重要になってくる。ただ、筆者も自粛明けに何店舗も様子を見に行ったり、実際に打ってみたりしたのだが、マトモに営業していると言える店は皆無だった。こんなに回らなくして平気なのか、自粛明け初日に来てくれるお客さんにこんな仕打ちができる店はどうかしていると、そんな思いを抱かざるを得なくなることもあった。

 無論、きちんと常識的な営業を開始した店もあるだろうし、あくまでも自分の地域の数店舗がそうであったに過ぎないとしておきたいが、現実的にホール営業が厳しくなっているのは否定できない。業界のイメージ云々は今更の話になってしまうのでやめておくが、今後はこの業界が世の中的に必要なのかどうなのかが問われてくる。パチンコ、パチスロは楽しい、必要な娯楽だと、世間一般が認知してくれればそれでいい。が、不要不急の最たるもの、要らないとなれば、いつまでも特定の政治家や警察行政がこの業界を擁護してくれるとは限らない。

 当面は厳しい状況が続くと思うが、回らない、遊べないで客が連日来てくれると思う方がおかしいのだ。現状、過度な利益至上主義は改め、安心して遊べるパチンコ、パチスロという姿勢を貫かない限り、客は戻ってこない。給付金を手にしても、戻ってきてくれることはないのだ。