新規則機への移行、消費増税、改正健康増進法の施行など、確かにこの先、厳しい現実が業界を待ち受けている。代表理事だけあって、ごく当たり前の危機意識を持ち合わせていることがうかがえるが、何とかなるさの雰囲気でこの業界、今までやってきたことも事実である。さすがにもうそれは通用しないということなのだろう。

パチンコ・チェーンストア協会(PCSA)は8月22日、都内千代田区のPREMIUM神保町で第18期第1回臨時社員総会および第69回PCSA公開経営勉強会を開催した。

臨時社員総会の冒頭にあいさつした加藤英則代表理事は、残り1年半ほどに迫った新規則機への更新や、消費増税、改正健康増進法の施行に触れ、「残念ながら、これらを解決できる特効薬はなく、地道に取り組むしかない。そして苦しいときほど、顧客目線に立ち返る基本が大事になってくる」と述べるとともに、将来に対して不安に思うスタッフに対するケアも重要だと呼びかけた。

                      ~中略~

一方、総会後に行われた公開勉強会では、業界の将来像をテーマにパネルディスカッションを実施した。そのうちPCSAモデレーターで、ダイナムジャパンホールディングス取締役会議長兼代表執行役、ダイナム取締役会長の佐藤公平氏は、業界が社会に受け入れられるには、時代に即した射幸性のあり方を考察する必要性があると指摘。「今は集客を射幸性に頼っているが、一般社会がどう思うのかを考えて、射幸性を自ら制限していくのが、あるべき姿ではないだろうか。業界は社会からの声を聞き、また誤解を招かないように発信もしていかなくてはならない。今後、社会の理解なしに業界が存続していくのは難しく、パチンコそのものの存在を見つめ直し、本当の娯楽を目指す方向に、業界が覚悟を持って変えていく必要がある」と訴えるなどした。~以上、遊技通信webより抜粋。https://www.yugitsushin.jp/news/category/page/2/  

 射幸性云々に関しては散々語り尽くされた感もあるのだが、とにかくオカミとしては射幸心を煽るな、業界側としてはある程度の射幸性は必要と、そんな様相が過去数十年にわたって続いてきた。パチンコ、パチスロはゲームセンターのゲーム機とは本質的に違うわけで、やはりある程度の射幸性は必要だと個人的にも思う。一発逆転的な要素もないのでは面白さも半減する。

 ただ、ある程度のところで止めておけばいいものを、なぜかこの業界はいけるとこまでいってしまおうとする悪癖があり、そこで監督官庁が黙っていないわけである。そして、監督官庁のみならず、それは世間一般まで敵に回してしまうことになる。必要以上の射幸性はパチンコ、パチスロの楽しさということよりもギャンブルとしての悪い面を露呈させ、その結果が依存症やそれに関わる様々な諸問題につながるわけだ。

 大手チェーン店の取締役会長が時代に即した射幸性のあり方を考えるべきと指摘したのは全くもってことの本質を捉えていると言っていいのだが、心ある業界人は昔から同様の発言をしていたように思う。社会の理解なしに業界が存続していくのは確かに難しく、いつまでも一撃何万個だの、万枚だの言っていたら、社会から、時代から本当に取り残される。

 「本当の娯楽を目指す方向に、業界が覚悟を持って変えていく必要がある」との言葉は重い。ホール、メーカーともに真摯に現状に向き合い、今後を真剣に考える必要性があろう。