おそらく皆さんの近所にもいるでしょう。町内のことならば何でも知っている、いわゆる「スピーカー」という存在。

うちにもいて、使えない情報をワンサカ教えてくれます。誰それの後妻は元浮気相手だの、あの人は北海道の出身で昨日ホヤを食べただの……てね、

どうでもええわ!

とにかく「よーーー知っとるなあ」と感心します。私の事もアレコレ言ってるでしょう。何しろ、そっち系の話になると「色んな人がいますねえ」としか答えず、切り上げるからです。ギブ&テイクの無視にイラッとする様子もたまに見受けられ、「まっちゃんは(世間を)知らないから」と言われるのですが

んな訳あるかぁ、ワシ52やで!

今日はツッコミ多め。あ、思い出しました。昨年「オバサンが愛だの恋だの、年相応を知らんのか」という声がタイムラインに流れていた事を。私には関係ないつぶやきでしたので、何もアクションは起こしませんでしたが、もしツッコミを入れるとすると「年相応」にでしょう。これって「普通」「優しい」と同じくらい定義が難しい話です。私は調子こいた先週、52才となったわけですが、じゃあ世間一般の50代てどんなかな……て

50人いたら50通りあるやん!

当たり前っちゃ当たり前田日明。自分自身だって先入観にとらわれがちと省みつつ、スピーカーさんと、その夫くーちゃんにバックトゥザフューチャー!

2015年の秋頃でしたか、出がけにお二人と遭遇し「どこ行くの?おつかい?」と聞かれた事がありました。おつかいって表現が好き。「パチンコに行く」と答えました。無駄に元気よく。「こないだ初めて打ってね、ハマッたの!」と。無駄に笑顔で。だって楽しかったから毎日が。

最初は驚いていましたが、そこは何かと決めつけがちな年代(という決めつけ)。てっきり「パチンコなんかやめときなよ!」かと思いきや「オレたちも昔はやったけど…」としみじみしたのです。へ~。

お二人は20年前から、変わらずおじいちゃんとおばあちゃん。くーちゃんは、玄関先でひっくり返っている蝉にビビる私を笑い「蝉は美味いんだから!知らねんだお前」と戦時中の食を教えてくれました。この蝉の話は、

毎夏のお約束で──。

ヒヤヒヤしたんじゃな~い?くーちゃん死んでません。こないだ久々に会いました。マスクのつけ方が間違っていたので「それ逆やで」と教え、つい「生きててよかったわ」と言ってしまいました。くーちゃんは「おまえっ!」とゲンコツを振り上げます。ひとしきりゲラゲラ笑い合うと「(パチンコ)行ってんのか?」と聞いてきました。行きたいけど…とションボリする私に、まぁ(今は)しょうがねえな……とだけ言って、自宅へ歩いていきました。

今年の夏も、蝉は腹を見せるのかな。揚げたらうめぇんだから!て力説してくれるかな。おぼつかない足取りをじっと見つめます。ないと思いますが、もしも「あの女はパチンコ狂いだ」という噂をばらまかれていたとしても、すべてゆるします。だって

本当の事だから!

余談ですが、くーちゃんはマイホまで来た事が何度かあります。「打ってけばいいのに!」と言いましたが、笑いながら首を振り、帰っていきました。こうしたOBたちがまた打ちたいなって思えるような台を作ってほしい。それはきっと、私のような初心者でも楽しめるものだと思うから。


・初パチンコ:2015年(47才春)
・本業:映画ライター

・猫とプロレスを愛する東京の大阪人
・クセ強め/耳遠め
・代表?コラム

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