ボクには心の底から尊敬している女性が1人いる。もう知り合ってから10年近い自治会関係の方で、決して社会的に有名なわけでも何でもない、ごくありふれたご家庭の奥様なのだが、

  • とにかく行動力がある
  • 自分で事業をやっちゃったりする
  • そこに友人・知人を巻き込める人望がある
  • 言った事は貫徹する
  • 失敗もするけど反省もする
  • 肩書を問わずダメなものはダメと言える
  • それでいて空気も読む
  • 酒が好き
  • 話にオチがある

 こんな女性を他に知らないというくらい、知れば知るほど「この人はスゴイなぁ」と素直に思える先輩のような存在だ。唯一欠点をあげるとしたら、たまーに調子こいて酔っ払ったボクに「今日はお前が払えw」と、飲み屋の会計を投げつけてくるところくらいだが、それもボクからすれば人生の相談料のようなもの、と抵抗なく受け入れられる。

 そんな方から“お仕事”を頂いた。それが、週2でやる事になった短時間のアルバイトだ。

 時給制のそれは、今のボクの状況から考えるとお金と言う面では全くメリットが無い。確実に時間は削られてしまうし「定時」という概念が大嫌いなボクからすると、単純な時間以上にメンタル・体力面で消耗しそうな気配がある。

 ただ――


画像引用:Amazon

 この本にも書かれていたが、無から有を生み出す仕事をする上で「取材力」は欠かせない。自身の経験でも、他者の経験でも、あらゆる知見やデータをきちんと網羅・精査する深みがあるか、という点は物書きとして何よりも大事で、そこがボクには決定的に足りない。

 何せ、人と関わるのが苦手な人間だ。先日放送された「ザ・ノンフィクション~元ニートの再々再々出発~(フジテレビ)」の出演者にメチャクチャ共感してしまうくらい、自由で自堕落な生活を送りたいと思っている。出来れば毎日責任を負わず、好きな事だけをして夜になったら酒を飲んで暮らしたい。でも、フリーランスとして生きていくなら、そんな事は言っていられない。

 このアルバイトが“面白い何か”に繋がるとは全く考えていないが、少なくともこれまで自分が全く知らない仕事の世界や、そこで生きる人々とその思考を垣間見る事くらいは出来るだろう。その上で「どうしても人が足りなくて困っている」という姐御のオファーを受けない手はない。

 懸念するのは、パチンコ・パチスロを打つ時間が無くなる事くらいだが、それも結局自分次第だ。

 そう考えて辿り着いたのが「勝ちに行くパチンコは難しくなるだろうから、とりあえず歴史動画を作ろう」という事だ。前回のアップからまた随分と時間が経ってしまったが、空き時間に本を読んではセコセコ台本の基礎作りに勤しんでいる。慣れない通勤時間が、本を読む時間を作ってくれるのも有難い。

 そして、改めて痛感するのは資料としている書籍の取材力だ。読むたびに発見があって、その深さに価値があるからこその分厚い仕上がりになっている。特に「天の釘」は本当にスゴイ。

 前回の動画では正村ゲージの事を取り上げた。

 ここから、歴史的な流れで言えば、連発式(機関銃式)の登場に話が移っていくのだが、正村竹一氏のエピソードが重厚すぎて、ここからの数年間だけで、2~3個の動画が出来てしまうんじゃないか、というくらい紹介したい話がてんこ盛りだ。かと言って、動画の構成が1冊からの引用で占められるなど道義的にあり得ない。

 だから困っていると言うのが正直なところ。正村ゲージ誕生からの数年は編集というか構成に一番悩んでいる年代かもしれない。しかも、ここから更に時代が進むと、今度は暴力団とか色々アングラな話も出てくるから、それにもまた困っていて中々筆が進まないのだが……。

 

 ハタチそこそこの小僧時代にしていたアルバイトは、今思うと心の底から責任感やお金に対する思いが皆無だった。でも今、全く異なる心境で新しい世界に飛び込む一方で、そこから刺激を受けてまた自分のやるべき事を整理していける。時に弛み、時に引き締め、そんな波を繰り返しながら、少しずつでも前に進みたい。

 歴史動画#5のアップも含めて前進。来週のブログアップまでには。多分、きっと、メイビー。