先日Yahooニュースを見ていたら気になる記事があった。

結局のところ、「好き」はホントに仕事にできるのか?」(BUSINESS INSIDER japan)

 パチンコ・パチスロの世界にはいわゆるパチプロという生き方をする人々が存在し、ボクもその一人だった。ボクはその前にもライターを目指して一度夢敗れた過去があり、ずっと「好きな事を仕事にしたい」と思ってきたから、色々と腑に落ちる記事だった。

 そこでふと思ったのは、パチプロにも色々なタイプがいたなぁ、と言う事。今日は、ここを少し掘り下げてみたい。

 まず身も蓋も無い結論から言ってしまえば、パチプロは好きじゃなくても出来るし、好きでも出来る。パチプロを仕事に置き換えても同じで、「出来る」か「出来ないか」で考えたらそんなもん人による、としか言えなくて、大切なのは好きかどうかではなく、適性があるかどうかだ。

 ボクが今まで出会ったパチプロはとても大雑把に分けると以下のように分類される。

〇パチンコ・パチスロが好きなパチプロ

  1. 好きな台(非攻略系)をメインに追いかける・・・ぶっちゃけ稼ぎは少ない
  2. 好きな台も打つしそうでない稼働もする・・・稼ぎはそこそこ
  3. 打つ事に好き嫌いを交えないが実はメチャクチャ好き・・・よう稼ぐ

〇パチンコ・パチスロが嫌いなパチプロ

  1. 嫌いだから突き詰めないし惰性でやっている・・・稼ぎは少ない
  2. 好きじゃないけど突き詰めれば稼げるから打つ。趣味では打たない・・・稼ぎはそこそこ
  3. パチンコ・パチスロは勝つからオモシロイ・・・よう稼ぐ

 どちらもザックリ3段階に分類されて、稼ぎの量は好き嫌いではなく稼働量・技術力・情報力に比例する。勿論好き・嫌いが行ったり来たりする時期もある。

 ボリューム層で言えば圧倒的に2番が多いのだが、面白いのは3番で、同じように稼ぐ事に長けていても、このタイプは好き嫌いがハッキリしているケースが多い。

 3番に共通するのはバイタリティがある事なのだが、実はこのタイプが長くパチプロをやるケースは少なく、「好きの3番」のごく一部が長年トッププロとして名を馳せている人たちだ。「嫌いの3番」は決して長続きしない。「好きの3番」より稼げる時期はあっても環境の変化に脆く、稼げなくなったらスパっと他に行き、引退後に打たなくなる。「好きの3番」は、別の道に進んでもたまに打つ。

 そして、1~3のどれにも共通するパチプロの適性は以下の通りだ。

  • パチ・スロを長時間打つのが苦じゃない
  • とりあえず健康
  • 算数が苦じゃない
  • 世間の目が苦じゃない
  • 自発性がある
  • 怠け者
  • ナルシスト

 世間からの「こうじゃなければいけない」とか「常識」なんてものに囚われる人は確実にパチプロにはなれない。そして、怠け者なのに我は強いから、他人に管理される自分を良しとできず、効率的にやる為の手法を模索した結果、パチプロという生き方に辿り着く。

 これは好き嫌いとは全く関係が無くて、結局のところプロになれるかどうか、続けられるかどうかは適性で決まる。その中で、各々が持つ能力や個性の違いで1~3番が分かれていく。

 昔、まだ自分のブログをやっていた時、何度か「サラリーマンを辞めてパチプロになりたいと思っている」という相談を受けた事があるが、その時はここまでの事は伝えられなかった。もっと近視眼的な、「自分で考えられない時点で無理」だとか「社会からこう見られるデメリットが多数あるからオススメしない」とか、そんな言葉で伝えていたけれど、結局やる人はやるし、やったとて適性が無い人は続かず社会へ戻っていった。

 勿論、これまで知らなかった自分の適性が、やってから見えてくる事も多々あって、そういう意味では行動する事は大切だ。その結果、パチプロをそれなりに続けられた人と言うのは、自分に合った生き方を選べたのだと思うし、世間一般の良し悪しではなく、本人にとっては良しなのだと思う。

 ただ、一つだけ注意しなければいけない適性もある。それは

  • 一人の時間が好き

 という性質だ。

 これは、多くのパチプロが持っているのだが、一人が好き過ぎるとどんなにバイタリティがあっても3番のように稼ぐことは出来ない。そこに近い2番だったとしても、一人ではパチ・スロ業界の変化に対応できなくなる時が来る。所詮、人一人の力には限界があるからだ。そして、自分が得意とする物が通用しなくなった時、1番に落ちていき、好きが嫌いに変わっていき、パチプロを辞める日が来た時に何も残らなくなってしまう。

 パチプロなんてもんは社会的には間違いなく弱者で、だからこそマイノリティな性質を共有できるコミュニティは大切にした方がいい。なぜなら、いつまで続けられるか全く分からない生き方が危機に晒された時、セーフティネットになるのは結局のところ人間関係だからだ。

 幸いな事に、ボクは一人でいるのが好きで社交性も無いのだけれど、孤独も嫌い、というワガママな性質を持っていた。それは偶然その時・そのタイミングで持ち合わせていた性質で、そうして知り合った様々な人のおかげで、社会人を経験させてもらう事も出来たし、パチプロ後に生計を立てる事も出来ている。そこに自分の力が占めるウェイトなんてとても少ない。

 最近、知り合いのパチプロの一人が音信不通になりかけている。

 長年の付き合いの中で、ボクが関係するところ、無関係なところ、色々ある中で今のコミュニティを拒絶するに至った彼の心の内は分からない。ただ、少なくとも彼が本当に困った時には、微力ながら力になりたいと思っているし、今はつらくない事だけをして、気分が回復したらまた戻ってきて欲しいと願っている。

 さて、ここからはどうでもいい私事。

 最近、ツイッターを始めてみた。キッカケは読書量が増えた事。その背景には色々あるんだけど、とりあえずそこは関係なく、読んだ本の中で心に留まった文章・考え方の覚書用に使ってます。

 このブログも最近は私的なアウトプットが多い気がしているけど、パチンコ縛りかつ最低限のクオリティを意識して書いているから、それだとどうしても重すぎる。だもんで、ツイッターは軽めに。

 これまで食わず嫌いをしてきたSNSの世界に飛び込むのは正直怖さの方が強くて、フォロワーを増やしたいとか全く考えていないんだけど、このブログにアップしたら少し増えるのかなとか、増えたらどうなるんだろうとか、これまで知らない世界に改めて興味が出てきたので「ならまぁ深く考えずにやってみるべ」という理由でここにアップしてみる。

 ボクにツイッターの適性があるとは微塵も思っていないんだけど、こっちの方は最近のお気に入り本の著者phaさんの精神で、50%くらいの力でゆる~くやっていこうと思います。