少々前の事ですが、ボクも加入しているオンラインサロン、パチンコ未来ラボで、下記のような企画が行われました。

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ガチな市場動向予想というよりも、お遊び要素の強いファミ通的レビューです。

ちなみに、この企画を実施するよりだいぶ前に

「(未来ラボメンバーは)職域がバラエティに富んでいるから、各々の立場から新台レビュ-をして、ラボの外向けなコンテンツとして定期化したらどうです?」

とラボ内でボクの方から提案していたのですが、それには「いいね」が付けられただけで、その後音沙汰がないまま、気づいたらコレが発表されていました。

とりあえず、運営さんには今度、麦とホップと鮭とばを奢ってもらおうと思います。

さてこの企画、ツイッター上では寸評に対して「的外れだ」と揶揄する方もいたりで、評判が良いのか悪いのかサッパリ分かりません。

ただ、そうして議論が活発化すれば、それも目的の一つですし何ら問題はありません。

そして個人的には、これらの寸評を読んで、久々に新台を打ちたいと思えました。

特にエウレカ。原作好きとしては「メーカーが西陣からサミーに変わって、エウレカのパチンコがどう化けるか」と期待する部分があり、ホール実戦をしてきました。

そして、未来ラボ内で「打った感想を書いていいすか?」と尋ねると「ラボとリンクさせて是非!」と仰るので、以下に雑感を書いてみたいと思います。

P交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION ZERO

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■演出面(通常時)

★★☆☆☆

液晶のエフェクト、SEが過剰すぎるのが個人的にダメだった。

特に、原作に使われている良サウンドにSEを被せてくるところ。原曲を殺しにかかるのは如何なものか。

マクロスFの楽曲と演出との絡ませ方とは雲泥の差。原作ファンとしてはこれが最も耐えられない。

液晶そのものが動くという珍機能の仰々しさも意味不明。目線を強制的に動かされるのがすごく気持ち悪い。

その他の部分では、文字も装飾もとにかくキンキラ。青でもギラギラ、赤でもギラギラ。大当たり信頼度に関係ないところまでキンキラキンに派手っハデな装飾に

「こんなとこにデザインの工数かけるくらいならサウンドもっと研究してくれよ……」

と、どんどん冷めていった自分がいた。

バレエ・メカニックが無かったら★1。

■スペック面

★★★☆☆

1/199+突破型+80%の流行りのスペック。

ライトミドルとしては荒いが、ここは特に問題ない。コンテンツの雰囲気的にも1/319よりはマッチすると思う。

でもまぁそれだけ。無難。

■技術介入性

☆☆☆☆☆

星ゼロ。評価に値しないほど酷い。

アタッカーでオーバー入賞が狙えない上、時短中・ST中は玉を減らすしか無い絶望的な仕様

釘調整の問題ではなく、右のポケットもサポも1個返しなのに、釘関係ないこぼしポイントがしっかりある。更に釘でも削れる。

ならば、なるべく減らないように時短・STを高速消化させてくれるのかと言えば全くそんなことも無い。打ちっぱなしで消化したら、初当たりの99%を占める3Rの微々たる出玉は、時短抜けでゴッソリ消える。

このご時世に玉増やしをさせてくれなどとは言わない。

でも、1個返しならせめて止め打ちで減らない程度にバランスが取れる2~3個返しのポケットを作るか、シンフォギアのように少ない時短回数で電チュー埋めたら手を離して演出を見られるようにするか、加速装置のように削れないようにするか、それ以外、ボクは体が受け付けない。

これは演出以前の問題。打っていてストレスしかない。

当たっても右で減ってたら「ホントならあと〇〇〇発あったのに……」って、当たった嬉しさより、減ったストレスの方が勝るのがなぜ分からないかな。

いや、分かっていてこうしてるんだろうね。ホールさんが利益を取る為に。

この右打ちの仕様はこの世から無くなって欲しいレベルなので☆はゼロ。

全てを台無しにしている。

■結論:もう座らないと思う

大当たりは2回取り、両方とも時短突破できずでSTは未経験。

しかし、右打ちの仕様がどうしても許せない事と通常時のサウンド・演出関連の低評価も相まって、「エウレカをどうしてこんな姿にしてくれた」という残念感しか残らず、空き台待ちまでして座ったのに、後半はさっさと辞めたくなっている自分がいた

勝ち負けの問題じゃない。

ストレスポイントが多すぎて「STを一回経験するまで」とはとても思えなかった。

■今後の稼働予想

もって3週間レベル。凡台。ライトミドルスペックの雄、シンフォギアには到底及ばない。

一部ホールでは100回転しかない遊タイムを復活させるために営業中にラムクリ?リセット?をするホールがあるなんて話があったけど、そんなのごく一部で、天井はほぼ無いも同然。

稼働に影響する要素にはならないので、新台好きが一周したら、あとはいつも通り減台&バラ行きの果てに、ひっそり消えていく台と思われる。

続いて、仕置人。

ぱちんこ 新・必殺仕置人 TURBO

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■演出面

★★★☆☆

通常時は良くも悪くもこれまで通りの京楽。取り立てて目新しいところもないので、よく言えば安心感があり、悪く言えばもう飽きた。

時短中の「〇〇両!〇〇両!!」とやりあうところは、意味があるんだろうと思いつつも原作を知らない人からするとワンパターンだし、ややクドイ。勝っても(ST突入しても)、勝った感じがしなくてあまり気持ち良くない。

ST中は3種の演出から選ぶ形。

完全告知は前兆というかリーチの前振りがあるから、ジャグラーのペカッ!に慣れている身とすると「完全告知はもっと突然に!驚きを!!」というツッコミが心の中に沸いてしまい気持ち良くない。

他の2種は無難な仕上がり。当たればそこそこ楽しい。

■スペック面

★★★☆☆

基本スペックとしては甘デジに似つかわしくない爆発力もあり、等価ボーダーが甘め(玉削り無しなら17回/千円)なので、釘さえまともなら遊べる仕様。

ただ、天井(遊タイム)が280回転とかなり浅いのがどうか。自分は一度天井到達からの連荘で良い目を見たが、それもコミコミのスペックだから、天井で得したとは思わない。

どちらかと言えば、天井の存在を知らないでハイエナの餌食になる人がイヤな思いをしないと良いけど、という心配の方が大きい

本来は★5でも良いくらいの甘いスペックだが、この台も次の技術介入面に難アリで★-2。

■技術介入性

★☆☆☆☆

アタッカーのオーバー入賞は狙うだけ時間の無駄。

電サポは1個返し、賞球口は2個返し。釘無しの強制こぼしポイントアリ、釘で削れるポイントもアリ。

小デジ抽選でハズレ多し。これがストレスになる人は多そう、という印象。

幸い、自分が打った台は2個返しのポケットがしっかり活きていたので、簡易な止め打ちで玉が減るのは最小限で済んだ。ST120回消化して10個減るかどうか、といったレベル。このバランスに調整してくれるならギリギリ打っていられる。

〇簡易止め打ち手順

1.打ちだしたら小デジ(盤面左側のランプ)を凝視

2.小デジが止まるタイミングに合わせてストップボタンを押す

3.小デジがハズレ(ランプ上下点灯)ならストップボタンを離し、次の小デジ抽選のタイミングでまた押すを繰り返す

3.小デジのランプ中央(ショート開放)が止まったらストップボタンは押しっぱなしで打ち出し止める

4.小デジのランプ上(ロング開放)が止まったら、ストップボタンを離し2発追加で打ち出して止める

5.電サポ開放が終わる直前あたりで次の打ち出し、1へ戻る

しかし、釘で削るポイントがしっかりあるのと、止め打ちでどうしても消化スピードが落ちるのが難点。打ちっぱなしにすると上皿崩壊レベルで、ネット上でこの点に酷評が多いのも頷ける。

元々のスペックの甘さから右を削る店は多いだろうし、打つ前の要チェックポイントになってしまっている。

■結論:積極的に打ちたいとは思わない

この台は「ぼったくりホール判別機」になる。

仕置人ターボを回収仕様にするホールは、ディスクアップを入れない・外すホールと同じ。どんな台でも回収しなきゃいけないほど余裕が無いか、何も考えていないという証左になる。

スペックの甘さから回転率を削りすぎるとデモ画面連発でパチンコとして成り立たないので、右で削ろうとするホールが多数出る予感がする。右打ちの釘は、打つ前に是非チェックして欲しい。

■今後の稼働予想

まともな釘で運用すれば遊べる台だけに、最低限の稼働は継続すると思う。

ただ、ハイエナがヨダレを垂らしてデータチェックする類の台なので、そうしてアップした稼働や最終的な差玉だけ見て、粗利が取れないと削る事ばかり考えると、本当に大事にすべき一般客が割りを食う最悪の展開になる。

甘デジのカテゴリーでは間違いなく主役級の台なので、稼働が続くかどうかは全てホールの調整と、遊タイムを理解していない層へのフォローアップ次第

ホールの扱い方によって、稼働格差が大きくなる台と予想する。

そんな感じで、2機種とも個人的にはあまり良い印象はなかったのが正直なところです。

最近ツイブレを打ち込んでいるおかげで、メーカーの方の苦労に対する畏敬の念もあったりして、未来ラボの方では寸評を書く事を躊躇っていたのですが、とあるホール職域の方より

「遠慮なく書いてくれ。参考になる事もあるので」

とお墨付きを頂いたので、遠慮なく(エウレカは)酷評させて頂きました。エウレカの開発陣には「SANKYOのサウンドの使い方を勉強して欲しい」と心から言いたいです。

まぁ、ボクは基本マイノリティ属性持ちだし、演出面については受け止め方にかなり個人差がある部分だと思うので、まだ打っていない方はあまり参考にせんでOKだと思いますがw

尚、先ほどのホールの方曰く、先週末時点のデータで言えばエウレカの稼働は良いそうで、仕置人は期待していたよりは……というレベルのようです。

 

ちなみに「ライターなら打ちに行きたくなるようなレビューを書けよ!」って思いが無いわけではありません。デジパチは所詮、当たりかハズレか決まってるんだから……なんて斜に構えたわけでもなく、真剣に良いところも探しました。

しかし、

・POPや液晶に大当たり出玉を表示しといて、確変終わったら削りでメッチャ減ってる

という点は、もしパチンコ初心者に突っ込まれたら

「その通りだね。ヒドイよね。」

としか言いようがない部分なんですよね。そんな、ただただホールに有利なだけの仕様なんて、説明しようがないし、そこを隠して台の良いところだけ誉めるなんて欺瞞でしかない。

「打ち手が下手だから玉が減る」

じゃなくて

「何をどうしても誰が打っても減る」

というのは、打ち手にとって演出がどうとかスペックがどうとか以前の問題だと思っています。

それならもうアミューズメント・カジノでいいんすよ。

1万円預けてニルバーシュに乗って、玉弾いたり目押ししたりなんてしないで、気持ちよーく1時間のアトラクションを遊ばせてもらったら

「はい、今日の遊技代金はマイナス〇千円です」(時々プラス〇千円)

で良くなっちゃう。

パチンコ・パチスロがなぜ遊戯ではなく遊「技」なのか。今更な話ですけど、改めて考えさせられた新台レビューでございました。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 非業界人
  • 好物はアナログ機とリーチ目メインのスロ
  • パチプロ時代に当時タブーとされていたCR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上。
  • それを機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。現在は別業種のフリーライター・エディター他便利屋業
  • 色々あって×2

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