演者さんのゴシップを始め、我々ユーザー側とも結構距離の近い広告宣伝関連。

X等ではガイドラインがどうこうとか「それアウトやろ」みたいな事例が色々と流れてきますが、実際のところガイドラインの細かいところまでユーザー側が理解するのは難しい。そして、何があっても業界側の方々が処分されるだけでボクらが処分されることはないから基本関係ありません。何なら分かりやすく煽ってくれた方が勝ちたいユーザーからすれば良い場合もあるから。

でも、ダメなものはダメ。それがどういう中身なのか、今回はゼウス高橋さんがポストして下さった資料の中から、実際に警察からの是正勧告を受けた事例を見ていこうと思います。

掘る前に是正勧告とは

是正勧告というのは法的な罰則や、こうしなさい、という強制力はない警告のようなものですが、勧告を受けたホールさんは改善報告書を上げるのが事実上の義務となっていて、報告書を出さなかったり違反を繰り返すと指示処分(勧告より強い強制力のあるもの)、営業停止処分、許可取り消し、と繋がっていきます。実際に営業停止を食らったホールというのは広告宣伝に限らずこうした不適切な運営を繰り返したことにより悪質とみなされて処分に繋がる、というのが実態です。

広告宣伝に話を戻すと、フルスロさんいわく2年後に演者が消滅する?なんて話もありますが、いわゆる晒し屋やガイドラインに負けない人や法律なんて知らない人たちのように、風営法の枠組みの外にいる個人・外部業者がやりたい放題なのは警察も当然把握していて、そうした悪い心象が積み重なるほど、大きな締め付けが待っています(もう手遅れかもしれませんが)。

ボクらユーザー側も、応援している演者さんがいたり、ぱちんこ業界が遊技としての絶妙なバランスの上で今後も生き残って欲しいと思う方は、近しい倫理観を持つ人たちが一瞬足を踏み外しそうになった時にサポートが出来るよう、一緒にお勉強していきましょう。

ボクも業界外の人間ですから正確性を欠く点は多々あると思いますので、諸々詳しい業界人の皆様が「それは違うぞ」という点があれば是非ツッコミをお願いします。そうして理解を深められたら幸いです。

尚、是正勧告事例はとても数が多いので、その全てはご紹介しきれません。そこで、今回はユーザー側と近しい演者の方々によく見られる発信に関連しそうな部分のみピックアップしました。ホール自らやるのは当然ダメという前提の上、ご一読ください。

広告宣伝の是正勧告 具体例

①特定の遊技機や機種に関する設定状況を示唆した。

・レインボー(⑥示唆ですね)キリン柄等(456示唆ですね)は、どんな使い方でもダメ
・三色団子入荷してもいいけど特定機種と関連づけるような発信はダメ(3台並び連想)
・縦読み・ナナメ読みでの示唆ダメ
・「並んで塊」「全台の塊」「すべてのコーナーに探す楽しみ」(設定状況の示唆)ダメ

虹の絵文字とか使ってる演者さんメチャクチャ見かけますよね。古き2chを思い起こさせる縦読み・ナナメ読みなんかはあんまり見ませんが、要するに設定状況を具体的に連想させる&確定させるような表現は基本NGです。

例え実質的に⑥確な虹トロが自分の台で出て、それをポストするまではOKだとしても、メーカーが「濃厚(ハズレもある)」と含みを持たせている中、「確定」と言い切ってしまうのはダメ、というのが警察行政の判断です。

②特定日に、特定機種に関連する表示により設定状況を示唆した。
③同一週内(月曜日から起算)において、特定の機種に関連した賞品入荷を変更・追加して表示した。

ちょっと複雑なんですが「7日以上連続で特定のオススメ機種をホールが告知するのはOK」なんですが、「日替わりはダメ」「7日未満のオススメ機種変更はダメ」という部分で

・5の日にガリぞうさんが来店(ジャグラー推し)
・7の日にジャギのコスプレした人が来店(北斗推し)

みたいな形が非常に危うい。

演者の皆様がご自身の推し機種を作るのは自由だし、そういう方が来店すること自体が即アウトという話ではないのですが、前述のオススメ機種に関するガイドラインと推し機種ブランディングのある方の来店が重なった際は、日付やオススメ機種の有無を含めて表現に相当気を遣わないとアウトになる可能性が高いんですね。

逆に言えば山本コーラさんの1ヶ月連続来店のように、氏に単一の推し機種があることが事実上明確でもこれはセーフの可能性が高いと思われますが、普通の来店演者さんは当該ホールにとっては1日だけ来るのが当たり前ですし、そこがこのガイドラインと来店演者さんとの相性が非常に悪いところです。

また、オススメ機種を連想させる賞品の入荷を7日未満で(機種連想であれメーカー連想であれ)複数やってしまうと、それを演者が告知することも含めて危ないようです。

④出玉ランキングを差枚数ではなく 1 日の最大差枚数で表示した。

出玉ランキングの表示自体は認められていますが、あくまでも差枚数。

-5000枚から+5000枚になった瞬間だけ切り取って万枚overとして、それをもとにランキングにしてはダメ。

ホール内で個別の台に3000枚over!みたいな札差等はどこでもやってることですが、店外への告知じゃないのとランキングでも無いからこれはセーフ?

うーん、ややこしい。

⑤複数の遊技機の遊技結果を合算して表示した。

機種単位・店舗単位でその日の全体差枚を「お店側のマイナス○○○枚!」みたいな表現はアウト。

シバターさんみたいに店全体の分岐超えを公約としているのはもっての外ですね。

勝手にスクレイピングして、自分のサイトでデータ提供しているだけの媒体がコレに引っかかるかと言えば(風営法外の法律はさておいて)難しいところですが、広告宣伝の話なのでサイトが勝手にやっているだけなら、スクレイピングの違法性とは別の線引きとしてギリギリセーフ。ただ、それをX等で広告宣伝に利用したらお上が出てくるという形と思われます。

晒し屋系がのさばった結果、こういう形になったんでしょうね。

⑥同一週内(月曜日から起算)において、特定の機種を推していることを明示しているインフルエンサーの来店取材の表示を変更・追加して表示(3 日間表示)した。

表題の文言だけ読むと意味不明ですが、これも日替わりオススメを作っちゃダメという話で考えると分かりやすい。

オススメ機種を7日未満で変えちゃダメと言っているのに、推し機種が明らかな人たちを連続来店させ、それを表現するのがダメ……という解釈でいいのかな。「北斗推し」「ジャグ推し」とか書いてるのがダメなのは分かるし、「AIによるイラストに差し替えた」という注釈も一時期流行ったAI来店(来店するわけない)を指してるものと思われますが、演者さん側が気をつけなきゃいけないのは、こうした連続来店は「日替わりのオススメに該当するから(来店するなではなく)宣伝しちゃダメ」という認識になるかと思います。

とりあえず一旦ギブアップ

今回ご紹介した6例は、あくまでも今年の1月から6月の半年間の中の一部の事例であって、ゼウスさんのページではもっと前のものも含めた多数の事例が紹介されています。

中には懐かしのエビアン入荷!みたいなコテコテの事例もあったりして、ユーザー側としては「アホやなw」とほっこりする面もあったりするわけですが、コレを書くにあたって大元となっている広告宣伝ガイドライン(第三版)の正式な文章は、AI様に色々と聞いたのですが全くアクセスできず、一般向けに公表されていないようです。

お手上げ。

ゼウスさんが提供してくれた事例集にはアクセス出来ても、大元のガイドライン読めないんだもん。ここまでがユーザー側の一旦の限界。

そして思うのが、経験の浅い演者さんがお仕事を受けられる状況で、そら分からんて、と。

代理店が元資料にアクセスできるのかは分かりませんが、アクセス出来るとしたら演者さん本人ではなく代理店の問題。とは言え今は、代理店を挟まず個人でホールに売り込んでいる演者さんもいたりするわけですから、何と言うかもうカオスですね。

ガイドラインはあくまでも業界の自主規制的な側面が強く、それを一般公開することは逆手に取って悪用する人たちがいるからアクセスを制限している側面があるのも理解はしています。

ただ、こうした情報理解の乖離が別の問題を生むと思うと色々と頭が痛いところですね。人間社会ムズカシイ。

それでも、ホール・演者・ユーザーの三者がルールを理解し、お互いに守り合わねばボクらが好きな世界を守ることが出来ない。そうした臨界点に大分前から近づいているわけで、どんな立場であれルールを守ることで健全さを保てるよう、日々勉強ですね。

 

最後に個人的な年末の〆

今年も仕事にプライベートにと波乱万丈な1年でした。

一昨年、癌を患った妻の容体は、多少の影響はあれども順調と言えるレベルで、チビ回転もすくすくと育ってくれています。そして、今年の下半期から半分パチプロみたいな生活を始めたボクも、目標とする数値はクリアすることが出来ました。

一方、家庭を最優先にした結果おざなりになったのが動画関係です。そこはもうボク自身の未熟さとしか言えません。申し訳ございません。

神田センターさんの閉店や幸チャレさんのゲームセンター転換など、直近に色々なトピックはありますが、2026年はここに至るまでの自分を支えてくれた家庭外の皆様へ恩返しが出来るよう、言葉ではなく行動で示していきたいと思います。

本年もボクと関わって下さった皆様、お世話になりました。本当に、本当にありがとうございます。

皆様の2026年が幸せに包まれることを願って……良いお年を!!


■万回転 プロフィール

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