悠遊道主催でゲームセンタータンポポでやってもらった自分の還暦記念イベントも、もう2年近く前のことになる。
あの時は嬉しかったなぁ。今でも訪れてくれた方達と応援してくれた方々、運営スタッフには感謝の気持ちを忘れてませんよ!

そして、この夏には自分も62歳になる。年金は払い終えて、貰うまでにあと3年。減額が噂される中で、「さすがに既に受給済みの人間の金額までは下げぬだろうから、繰り上げ受給した方が得なんだろうか」「いや、まだ元気だし、国民年金の俺は貰えても6万程度。繰り下げを狙って、少しでも多くした方が…」なんて具合に悩んでいるところなり。

パチプロでこんな人ってどのくらいいるんだろう? 地域を限定して稼働している自分の場合、現場で普通に食えていると思える現役さんって、ほとんど見ないんだよな。
そりゃあそうか。仕事を辞めて24歳の誕生日前からやってる自分ですら、もう39年だもんな。こんなに長く、単調なパチンコ稼業を続ける前に多くの人は真っ当な道へ戻っていく。自分の知人の何人かと同じように途中で病に倒れる場合もあるだろうし、気持ちが萎えたりいろんな理由でパンクする人もいる。

ふふふ、「パチプロが登録制だったら、今の自分がキャリア的にどの辺の位置なのかわかるのになあ」なんて思っちゃう。案外同世代が多いのか、はたまた天然記念物ランクなのか? 考えてもわかるわけないのにね(笑)。

そして、自分のゴールみたいな物も考えてしまうんだな。パチンコ打ちの人生を走りきった人って、身近にあまりいないから特に。
誌上プロとして憧れて目標になった必勝ガイドの田山さんは54歳で亡くなった。病に倒れた田山さんには60歳を過ぎてからのあるべき道を教われてない。
現場の人だと以前ブログで書いたチャンさんは今の自分くらいの歳で亡くなった。どんな心境だったんだろう。当時40代だった自分には聞いてみる気にすらならなかったのを、今更悔いていたりする。

自分よりも下の世代を軽んじるわけじゃないけれど、やっぱり既にできている道を歩くのは楽だ。自分もそうだったから、これは断定できる。
逆に、手探りで道のないところを歩いていくのは難しいよ。
「パチンコ専門誌がなくなったらどうする?」
「体が動かなくなってパチンコを打てない日が来たら身の破滅だし、その前に自分の技量では勝てなくなる可能性も大きい」
考えれば考えるほど、不安は増すばっかりだ。

でもね、楽観主義者の自分はどっかで「なるようにしかならんだろ」との境地にも近づいているんだよ。先々に備えるのは大切でも、来るかどうかわからない事態に怯えるのはムダでしかない。ほら、パチンコだっていつハマるかはわからないんだし、そのリスクばっかり考えても仕方ないっしょ。って、ちょっと違うか。

今の自分がするべきことは、逃げて逃げてこういう生き方を選んだ人間が、どんなゴールに辿り着くかを見せることだと思ってる。
理想は常々言ってる、ヨボヨボのおじいちゃんになってもホールへ行き、プロの若い衆に「あのジイさん、案外できるんだよな」と歳の割に一目置かれる状況であり続けることだ。
もしそれが叶わずに悲惨なゴールが待っていたとしても、それはそれでかまわない。ていうか、仕方なかろう。
ずっと体現してきた「リアル」のままに、それを見せていく。万が一、専門誌が全部無くなって、必勝ガイドで公開する機会が消えたとしても、まだ悠遊道がある。
読んでくれる人の数の多寡じゃないからさ。誌上プロというニッチな道を選んだ以上、大勢の人に伝えなきゃいけないわけじゃない。たった数人でも、何か心に軽く染みる程度の何かを残せたら、自分はそれで十分だ。

日々を必死で、でも気持ちよく生きて、何かが残る。同じ道を歩いてほしいとも思わない。むしろバカな選択をした者のゴールを見て、「俺はどうする?」と考える機会にしてくれたらいい。様々な幸運に恵まれてここまで来た自分だけに、今はそう思っているよ。