今回はちょっとだけ真面目な話。

 

ウクライナ情勢が不安定になっとるなぁというニュース(※2022年2月24日午前執筆段階)をみて「別に俺には関係がない」と思ってる人も多かろうと思われる。が、NATOとロシアの対立というのはフィクションでも次世代の世界戦争の端緒として描かれる事が多いものでして、我々「戦争を知らない世代」においてのリアルであった、中東vsアメリカの、いわゆる「対テロ戦争」の構図とは全く違ったものであるようです。ようです、というのは俺も詳しくないので。なんも偉そうな事はいえないのだけどもね。

 

いまのところどうなるか全く分からん状況ではあるのですが、今回のはどうも過去の「キューバ危機」と重なる状況もあるらしく。そして当時は核兵器発射の一歩手前まで(しかも人為的なミスで)行ったという歴史的背景がありますゆえ、これに関しては市場も大敏感でございます。

んでこういう場合に市場がどういう反応を示すかというと、これはもう「金」が無茶苦茶買われるわけです。

 

今の我々にとって「金」は文字通り「カネ」なんですが、実際の所「カネ」というのは政府が信用を与えた単なる紙切れであります。これを「管理通貨制」とか「信用貨幣制」とかいったりしますが、もとを正せば「政府が同額の金を保有し、それに見合った額の発行する」という「金本位制」から進化して成り立っておるものです。んで信用貨幣においては担保となる金はなく、政府への信用というのが唯一の担保となっておりまして、「戦争」というのはその信用を爆下げする可能性があるファクターとなりえます。頭の良い人はおそらく「信用の失墜」から「信用貨幣の崩壊」を考えるので、何を行うかというと金を買い漁るわけです。実際は違うのかも知れませんが、筆者ごときが辿り着くリスクヘッジなので、お金持ちでもっと賢い人でも、そう考える人がいても全然おかしくないです。

 

で、金地金(きんじがね)というのは総量としては年々増えてるのですが基本的には貴重な金属なので、ホイホイと買えるもんじゃないです。欲しい人がたくさんいたら「価格が上昇します」。

 

実際、米中の緊張が高まり始めた頃から金相場というのはハイスピードで上昇しており、今回のウクライナの件で過去最高額を記録。おそらく緊張が高まるにつれてグラフもさらにビンビンになっていくのが予想されます。さて、何がいいたいか。つまりこれ、特殊景品に金地金を封入してる地域の場合、買取金額が変わる可能性がある、という事です。まずもって金地金を使った特殊景品、というのにピンとこない人もいると思いますが、これには地域差があるのでそこは一旦置いときましょう。例えば東京でTUC(東京商業流通組合)という所に加盟してるホール店舗は間違いなく透明の四角いケース型の特殊景品を払い出しますが、あの中には実は金地金が入ってます。大景品で1グラムですな。

 

当然グラムあたりの金単価が金相場>TUC基準価格になると、特殊景品から金を引っ剥がしてよその金地金の買取店に持ってった方が高く売れる事になります。そんな事あるわけねーだろと思うかも知れませんが、過去そういう事件も起きてますし、また金相場の上昇にまつわる買取価格の上昇というのは過去に何度か行われています。その度にニュースになるのですが、そういう相場ギャップによる「払い出し金額と買取金額の差異」に関してはどっかが確実に損をかぶる事になるわけでして。すでにダメージを受けまくって刀折れ矢尽きかけた状況の業界にとって、またひとつ頭の痛い問題になるかもしれません。

 

なんだかまた小難しい事を書いとりますが、こういうので世界情勢を見るとまた違った世界が見えてきて勉強になるなぁと思いました。平和が一番……!