短い梅雨はもう明けたのか、今年もクソ暑い日本の夏がやって参りました。

ボクの仕事部屋は、場所的に室外機が置けず、エアコンが設置できません。かと言って、電気代がバカ高い室外機一体型のエアコンを導入するほどのリッチメンではないので、扇風機だけでどこまで乗り切れるかを検証中です。

まぁ、オヤジはええんよ、それで。一家の中で一番損な役回りを買って出るのが父の務め。

でも、これだけは許さんぞ絶対。

つい最近も、パチンコ店の駐車場で車内放置をしたとして捕まった母親(21)と交際相手(21)の記事がありましたが、同じ1歳児を持つ親として心の底から「信じられない!」という憤りとともに

「21歳かぁ……法律上は成人でもこの年代はまだまだ子どもな人も多いし、片親って時点で色々あったんだろうなぁ…」

とも感じてしまいました。

 過去に子どもだけを残して車を離れたと回答したのは全体の約3割にあたる768人。そのうち18人は、子どもが乗っていることを忘れて車を離れていた。

 同社の太田直樹さんは「習慣と異なる行動を取ったり、精神的に大きなストレスがかかっていたりする状態だと、通常では考えられないような『物忘れ』をするという専門家の指摘もある。自分は放置しないと考える人は多いが、誰に起きても不思議ではない」と話す。

 子どもの車内での熱中症事故に詳しい小児科医の坂本昌彦さんも、「子どもを忘れるなんてあり得ない、と思いがちだが、大切な子どもだからこそ『忘れることもあるかもしれない』という気持ちで、対策を考えていくことが大切」と指摘する。

https://www.asahi.com/articles/ASQ7M3VW5Q7HULEI001.html

上記記事のように「精神的なストレス」で追い込まれてしまう親の環境というのも、今痛いほど身に染みています。そもそも子育てに向いていない人は一定数必ずいますし、母親が全て等しく子どもを愛せると思ったら大間違いなので、当人を責めるだけでは何も解決しないのです。

 

最近、育児をしていて常々感じますが、世の中の大多数の人は子育て中の親に非常に寛容ですし、皆とても優しい。様々な場面で気遣いの所作や言葉に触れるたび、心が救われる事が多々あります。

一方で今週、ベビーカーともども電車を降りようとしたところ、こちらが降りるのを待たずに扉の中央から電車に乗ってこようとした中年男性にベビーカーを叩かれる、なんて経験をしました。

それ以外にも「おいおい……」と思うイヤな経験もチョコチョコありますが、その相手は99%男性。

子育てにきちんと関わった事がない男性の場合、子どもの有無に関わらず「この場面で子どもを抱えている親がどういう苦労をしてるか」がやっぱり想像できないし、「育休中にリスキリングを」なんて言って大バッシングを食らった岸田首相とその取り巻きのような男性もまだまだ多いのが今の日本です。

これまでの世の中の成り立ちを考えたら仕方ない事でもあるし、同じ男性として男にしか分からないストレスや苦労があるのも理解していますが、育児のリアルに対する想像力に欠けた言葉や振る舞いによって、世の母親たちがストレスを積み重ねている事実を忘れてはいけません。

また、車内放置が起こるたびに「そんなにパチンコに行きたきゃせめて託児所を探せ!」というごもっともな意見の他、「知能がチンパンジー以下」だの「ガキがガキを作るな」だの、放置した親に対する心ない書き込みが散見されます。勿論、ある程度は叩かれて当然の、絶対にやってはいけない事をしてしまったのは確かです。

しかし、少し調べてみたところ、上記事件の母親が住む茨城県阿見町では、一時預かりを利用できる施設は71k㎡の広さに対してたったの9か所。阿見町の1/3の面積しかないボクの住む区内の方が施設の数は上回っています。首都圏住まいの人とは、そもそも託児所の数や行政サポートの環境、預けたり相談をするのにかかる手間や、それらの情報に触れられる機会自体が全く違う、という背景があります。

そして、茨城に住む母親が、なぜ遠く離れた神戸で車内放置をしたのか、記事からは分かりません。旅行なのか、男性が神戸の人で同棲なのか、いずれにせよ茨城に住民票がある母親が神戸にいたら、子どもを預けられる施設が無いのは当然です。

しかし21歳という年齢は、そういった社会的な知識も経験もまだまだ未熟な年代です。そんな母親が、本当に大変な1歳児の育児の最中「ほんのちょっと余暇が欲しくて、逃げ場としてのパチンコ店」というルートを辿ってしまった背景を、少しだけ理解してあげようとする寛容さも必要な気がしてなりません。

幸いなことに今回は子どもは無事でしたから、二人には大いに大いに反省をしてもらい、最愛の我が子をきちんと守れる大人になってくれるよう願っています。

 

事故防止のためには、当事者以外の意識もとても大切です。

車内放置のニュースがある度に、その親やパチンコ業界が叩かれるわけですが、ホールの駐車場を通る全ての人の眼も防犯の役割を担っています。

特にこれからの季節はそういう意識を高めて、車内放置が起きていないかチェックする習慣を持ちましょう。不幸な事故がゼロになるよう、ホールは勿論、私達ユーザーを含む全ての人が目を光らせなければなりません。

ホールのこれまでの地道な取り組みの成果で、パチンコ店の駐車場における車内放置の件数は本当に減りました。このように事件化されない、ニュースにならない形で未然に防がれたケースも多数あるでしょう。

でも、まだゼロではありません。

放置されてしまった子どもをすぐに発見できる体制・意識を作るのは勿論のこと、なぜ子育て中の親がそんな事をしてしまうのか。そもそも車内放置が起きないよう、子育て中の親に対して出来る事は何か。当事者を叩いて終わりにすることなく、そんな部分にまで多面的に想像を膨らませると、見える景色が少しだけ変わります。

そうして、未来を担う子ども達を皆で守っていく。そんなパチンコ業界であり、社会であってほしいものです。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロしちゃってごめんなさい
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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