水原通訳のニュースで日本が揺れた日は大きな地震も朝から起きて、まさに大激震の日でした。

大多数の「一平、マジかよ!」の中に「ギャンブル中毒のトンデモないクズ」みたいな声がありましたが、依存症に関しては明確に病気であるということ、誰でも小さな躓きから坂道を転がり落ちる可能性はゼロではないということを私は考えていました。

紙の月

若い男に入れあげて銀行の金を横領してしまう中年女性を宮沢りえさんが演じた映画がありました。出会った頃は素朴だった男が横柄になり、きちんとシワを伸ばしたお札を封筒に入れて返してきた昔を思い出し、ふっ……と笑う場面があったような記憶があります。

浅田美代子さんが怪演した『エリカ38』もそうですが、コレ誤解されるのを承知で言いますが、女であることを諦められない、リアルを受け入れられないという人はある一定数いると思います。ただ、本当は何もかもがわかっている。騙されていて、自分も騙し、時に罪を犯していることも、ある意味とても冷静に受けとめていたりする。

そして、嘘はいつの間にか自分を追い越していくことも──。

程度の違いはあれ、誰も依存心はあるのではないでしょうか。若い頃に暮らした元カレは酒乱で、それでも離れられなかった当時の私は恋愛依存症だったと思います。つまり共依存の関係だったのだなと今では思えるわけです。

光に憧れる闇。水原氏の胸の内は誰にも、それこそ妻にもわからないでしょう。ただこうして全てが露呈して、どこかホッとしているんじゃないかとも思います。

イッペイショック以前に彼の功績について書きました。嘘の上に建つ砂の城に、ハリボテの月が出ている。一瞬で失われた信頼。あまりにも大きな傷跡。それでも、これまでに彼の意訳のおかげで大谷選手は救われた場面も多い。もしかしたら憤りや失望と共に、今もなお「立ち直ってほしい」と思っているかも知れません。

身近なギャンブルであるパチンコはこういう話題になると一番に取り上げられます。過去に何度か書きましたが、私はアラフィフで出会ったので依存症にはならなかったのだろうと思います。理性(のようなもの)でセーブ出来ているからです。上述した、女である事は実は諦めなくてもいいわけです、自分の価値をどこに見出せばいいのかさえわかっていれば。

断ち切るには相当な覚悟や気付きが必要です。多面体だと書いた事がありますが、ヒトというのものは本当にわからないもの。自分ですら自分がよくわからない時もありますし、魔が差すと言うように悪魔の囁きに抗えないタイミングもあるのでしょう。「なぜ」を完璧に説明できる人は少ないものですが、せめて沼に足を絡め取られないように、絶えず考えていたいです。何をするにせよ、自分の中での線引きを大事にしよう、と。

安田プロはいつも「よく考えること」と言いますが、それはプレイのみならず、大きく引っくるめての事なんだなと思います。修羅場もご経験でしょうし。

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