ぱちんこ閑話休題

昔はよくいたオカルト管理者

はい皆様ご機嫌麗しゅうっ!いやー冬は人一倍寒いクセに、普通にクソ暑い東北の夏がやって参りました。もはや関西人としては、試練の地以外の何者でもない感アリアリですが、まぁしばらくこっちに根っこを下ろして、色々頑張る次第で御座候。

最近面白いことに、パチンコ攻略法詐欺を追っ掛けてるうちに「波理論」の実践者と仲良くなって、色々と話を聞かせてもらってるんですが……もちろんこちらは店舗運営歴20年以上で、パチンコの裏も表も知り尽くして現実主義なんですけども、なんか相手を全否定まではできない。
その人は波理論の実践で19年勝ち続けてるらしいのですが、収支表を見たワケでもないし、収支表を見たところでそれが現実なのか判断はつきません。
しかし、あながち全くウソとも思えないんですよね、不思議なことに。

( ゚Д゚)しっかりしろボクっ!

今まで、ボーダー理論以外の全ては片っ端から一蹴してきました。だってそれで20年以上店舗運営してきたワケだし、それ以外のオカルト寄りの考え方なんて鼻で笑って、現実のホールをまわしてきたんですから。
あ…でも昔はいましたね、ちょうどボクらより一世代上で、パチンコならラムクリとか電源切らずに放置、スロットなら設定を「1回3にしてから5にしろ!」とか、酷い場合は「6にして1時間置いてから1に!」みたいな、人の労力を何だと思ってるんだ的なオカルトを炸裂させてくる上司が。
話の流れで、今月はそんなオカルト上司の「おもひで」にいきましょうそうしましょう。

流れ着いた先は…

関西のホールで店長になり、順風満帆トントン拍子で地域一番に昇り詰めたはいいが、そのタイミングで社長の息子(大学出てどっかの店で1年修行したらしい)が颯爽と営業部長として降臨し、今まで築き上げた信用を目先の小銭に変換する最悪のアンポンタン営業になり、意見が衝突しても「僕タンは部長なのら!」で話にならないので、辞めて次に行った中部の店舗では副店長スタート。当然最初から調整業務に携わる立場である。
釘の社内試験みたいなのにも最高得点で一発合格し、初日から店長から数値指示(S5.5、BA80など)を受けて調整に入る。その指示というのが、釘帳と呼ばれるホールコンからデータ抽出された数値が台ごとに羅列されたB4用紙で、1枚に20台分くらいだったかな。主要機種はそこだけ分割されたりもしてるので、400台規模の店なら当時のシマ割でだいたい毎日30枚くらいのB4用紙になる。と言っても毎日全台触るわけでもないから、赤ペンで調整指示のついたページだけ抜き取って事務所から閉店後のホールに出る形だ。

コメゼンラ

赤ペンが入ってるページをサッとまとめて片手にもち、S6.0→S5.6みたいな指示を確認してこなしていく。そしてどの海だったか忘れたけど、主力の海コーナーのページに差し掛かり、事務所では見逃していたが右スミに「※全ラ」と書いてあることに気付く。

( ゚Д゚)こめ・ぜんら?

なに?このボクに全裸になれと言うの?店長ってそういう趣味?いやんバカん!きっと今頃カメラで覗いてムフフ…と激しく動揺するが、そんなワケはないので素直に事務所に戻って、早く帰りたいオーラ全開の店長に「※全ラ」を確認。すると、

(長・∀・)「あーそれな!全台ラムクリ!」

と仰る。はて?RAMクリア?別に確変中閉店した台もないのに?と、キョトンとしていると、続けて店長が口を開く

(長・∀・)「なんや?ラムクリも知らんのか?」

知っとるわ!知っとるけど、それをする意味が理解できんのじゃ!と喉から出かけたが、そこは勤務初日!耐えたナカムラえらい!
とりあえず言われた通りにラムクリ指示もこなして、パチンコ終了!続けてスロット!スロットでやることなんて、パチンコに比べたら簡単簡単♪釘帳に②と書かれてたらその台を設定2に変えるだけ。

オカルター確信

パラパラある変更指示台を機嫌よく消化していくと…また変な記入があった。ハナハナに「6→2」と書いてあるが、今日の設定は1だし意味が分からないのでまた事務所へ。

(長・∀・)「1回6にして10秒ほど置いてから、2にして!」

ここで、この人はヤバイという疑念が確信に変わった。オカルター店長なのだ!マジか!絶対に意見合わないじゃん!彼が言うには、1回6にしてから2にする事によって「朝の立ち上がりだけ良くて、後は吸い込む」らしい、ハナハナが…だ。
「そうなんスかー」と言いながら、この先を思いやられる若き日のナカムラ。まぁね、言われた通りにしますがな、嫌な顔一つせず、まだ初日なんだしね。その日は滞りなく終了し、翌日は開店作業?閉店作業の仕事を覚えるため、志願の通し勤務のナカムラ。夕方やってきた店長と調整の話になり、前の店では調整でラムクリとか、設定を二重で打ち替えたりした事ない(サラ金とかGODは別)と話すと、満面の得意顔で

(長・∀・)「よーし!じゃあ俺が教えたる!」

ラムクリの極意

正直、ほんと正直言うと「めんどくせぇぇぇぇ!」としか思わなかったが、まだ勤務2日目!愛想は大事である。店長曰く、パチンコにおけるラムクリはメーカー毎に効果が違うらしく、三洋とSANKYOは特に出にくくなり、逆に京楽は甘くなる、サミーは両極端にブレる……他にも色々言ってたが、笑顔で右耳から左耳へスルーパスしてたので覚えてない。スロットの二重打ち替えは昨日軽く聞いたが、1でもどうしても出ちゃう台は電源ボックスを隣りと交換すると収まるらしい。無承認変更バンザイ!おまわりさんこっちです!ちなみに少し話が逸れるが、台を分解修理したら必ずネジが数本余るのは気にしないのが一番です。一回だけハンドルが360度回る台を生んでしまったが、規定以上回すと打ち出しが止まるだけだったのでドンマイ!
で、そんなオカルト調整の数々も、店長が今までしてきた経験則なのだろうが、この人は機械の中身をどう理解してるのだろう?他にも何日か確率より辛く動いて出てない機種では「このシマだけ電源落とさずそのまま!」という指示が出たのだが、狙いは「良い波が来てるから明日もコレで出ない」らしい…らしい。
今ではどうか知らないが、当時の中部ではジャグラーよりもハナハナが強くて、スロットのメイン機種はハナなのである。そんなハナハナもシリーズが色々あるのはご存知の通り。その1機種1機種にも扱い方の違いがあるそうで、当時主役のスペハナは「2→1→1」の三段打ちが一番効果的との事。そのうち四段打ちが生まれるのも時間の問題だろう。あの人がまだ店長やってたら、今頃20段打ちが編み出されているはず。

当たり前のように無視

そんな店長は元々、調整を早く終わらせて一刻も早く帰りたい人なので、ナカムラ着弾から1ヶ月もしないうちに閉店1時間前くらいに釘帳を出すようになり、パパっと指示だけ書き込んで「ほな!あとヨロシク!」と帰るのが当たり前となる。釘の数値はバチバチ正確なので信用を得るのも早かったんだろうが、実は…ラムクリとか設定二段打ちとか、

( ゚Д゚)オーーール無視っ!!

だって意味ない事してもしょうがない。よく「おーやっぱりラムクリが効いたな!」とか言ってたが、笑顔で「そっスねー♪」と同意するのが優しさである。
その後、グループ内別店舗に店長として異動したナカムラだったが、その店長とは会社を去るタイミングがほぼ同じになり、最後にだいぶ話し込んだが全くバレていなかったww
店長は自分で打つ時も「波理論」を振りかざしていたが、いつも金がなくて、店の景品のカップラーメンをツケで食ってた記憶が愛おしい。

( ゚Д゚)今でもオカルト管理者って残存してるのかな?

※このコラムは遊技日本・本誌からの転載です※

遊技日本さまのご厚意により実現したものです。ご協力ありがとうございます。