出世したパチンコライター?思い浮かばん。な方が多いのではないでしょうか。

私は直ぐ、1人の方が思い浮かびます。

水野敬也氏、です。もちろん、有名なベストセラー作家ですね。

私も読みました代表作「夢をかなえるゾウ」はあまりにも有名で、シリーズ化もされ、またTVドラマ化もされました。平凡なサラリーマンが自らを神と名乗るガネーシャの指南を受けて人生を変えていく物語。イチロー氏など多くの著名人の言動を引き合いに出し「靴をみがく」など自己啓発な内容の書籍です。

最新作「夢をかなえるゾウ0」も読みました。

この水野敬也氏が学生時、パチンコ攻略マガジン誌のパチンコライターをされてたことをご存じない方が多いのではないでしょうか。

当時、「学生プロ」として登場し、立ち回り実践の内容を書かれていました。で、パチプロライターとしての先輩に池上蓮氏がおり、パチンコ征服論、というページで同じく実践記を書かれていました。もともと作家になりたい希望を持たれていた池上氏は、漢字を多用し難しい言葉を選んだ文面に特徴がありました。

で、当時学生パチプロだった水野氏が池上氏のコラムの内容に意見したことがあり、この事が池上氏の逆鱗に触れました。先輩ライターに対し「もう少し読者のためになるように勝つ為の技術の話も書かれたら」というような事を言ったのです。

この事は私も思うところがありました。当時、池上氏は海物語シリーズをメインに打って、大ハマリした日をピックアップするスタイルながら毎回かなりの高回転率の台を打った事が分かる日記となっていました。

同じく海物語シリーズをよく打っていた私は、通常時は過半で右打ちで回していました。池上氏はストロークについて書かれたことがありませんでしたが、私は右打ちをしていたケースがあったのでは、と感じていました。

また、攻略マガジンの有料サイト内の「徒然草」という日替わりコラムのページに池上氏も執筆されていたことがあるのですが、今日で担当が終わるという最後に1度だけ、こんな表現を書かれたことがありました。

「ここは有料サイトだし、たまには読者のためになる技術的なことも書いてみます」として、振り分け釘の釘見のポイントを書かれました。恐らくですが、征服論も含め技術的な記載はこの時のもの1回だけだった、と思っています。なので基本、技術の紹介は自分にとって不利益になるので書かない方針であった、と思います。

ということで、この「学生プロ」からの意見について、征服論のページでかなりの強い口調で「この若造が知った風な口をきくな」的な批判文を書いていました。

それから間もなく、「学生プロ水野敬也」氏は攻略マガジン誌を去りました。

ここからは私の想像です。先輩ライター池上氏が作家希望であったことは知っていたハズ。なので、己がその作家になって見返してやろう、と考えたのでは?

つまり、この時に受けた叱咤が原動力となり、パチプロから方向転換し反骨精神でもって作家活動へまい進するに至ったのでは、と思っています。

学生時代にすでに持っていた「読者のためになるような内容を」という気持ちが「夢をかなえるゾウ」からも強烈に伝わってきます。その書籍の中でこう書いています。

「人が欲しがっているものを先取りする」

「決めたことを続けるための環境を作る」

「サービスとして夢を語る」

特に、「人が欲しがっているものを先取りする」を読んでドキっとしました。これ、まさに池上氏が欲していた作家、のことを言ってるのでは?と。

そして読者へ対し、サービス精神旺盛に夢を実現させることを応援し、そのスタイルを貫く姿勢が自分の夢をもかなえることに繋がった、と考えるのです。