先日スマパチの「新・必殺仕置人S」をチョロ打ちした。後の予定もあったんで一万円ポッキリの勝負だ。確率分母が349の機械なので当たるとも思ってなかったんだけども、8Kほど使ったところで先読み発生(先読みチャンスモードにしてた)。お、と思って見てるうちにめちゃくちゃカッコいい演出からサクッと当たった次第。しかもこれが確変(ST)で、初打ちにしていきなりラッシュを体験する事ができた。

やったぜ! 爆裂だ! とか思ったんだけどまあ当たり前にSTをスルー。結果、1/349の57%を引いたにもかかわらず出玉400個くらいで終わりという一番痛い結果をブチ食らった感じ。ユーザーを仕置してどうすんだよコイツまじで。

てかこれ出玉の上背を高くすりゃその分こういうことも起きるのは分かるんだけども、いまの感じだとTS349の意味があんまりねぇなと思った次第。スカッと連チャンすれば楽しいんだろうけどもね。なにげに1/319と1/349ではスペックに実はそこまで大幅に変わるわけじゃないんだけども、「1/319より重い」という心理的な壁は実際よりかなり高く。そのぶんブチ当てた時のリターンにはめちゃめちゃ期待しちゃうわけで。ST駆け抜け(当然Cタイムも発動せず)への怒りというのは個人的体感として従来のマシンの5倍くらいあった。パチンコ打って怒ったのは久々だけども、まあこれに関しては色んな人が異口同義に語っており、スマパチの今後のかたち、というのも恐らくはもうちょい変わってくるんだろうなと思った。

じゃあどう変わるのか。少なくとも「出玉力」とか「爆発力」あるいは「増加速度」で推すというのは市場のニーズとの乖離が出てきてる気がする。多くの人が現状のTS319ですら「気軽に遊べない」と感じておるはずで、二年前くらいまでならいざしらず、もはや「いっぱい出るよ」というのは魅力のあるバリューに結びついてないんじゃないだろうか。おりしもSANKYOさんが超ひさびさにブチかましたオリジナルIPである『Pフィーバースプラッシュ×スプラッシュ』なんかはライトミドルかつラッシュ=3000発からスタートというド安定型であり、「遊べるパチンコ」を標榜しまくっておるのが見て取れるわけで、まあ現状ではこれがゲームチェンジャーになるかどうかは分からんものの、リーディングカンパニーであるSANKYOさんがオリジナルIPでこういう機種を出したというのは結構デカい意味を持つと思うし、「スマパチ」の現状との対比としても結構シンボリックな出来事なんじゃねーかなァと思った次第(繰り返すけどこのスペックが広く受け入れられるかは知らん)。

なんにせよ、人間の本能と結びついてる業界である以上は射幸性はほっといても高くなってく方向にバイアスが掛かって当然。んで高くなった出玉性能がどっかでキュッとシメられてズドンと落ち、そこからまたグイグイと高まって行ってまたキュッとシメられる、みたいなのを繰り返しておるなか、そのグラフのなかで今は相当高いところにあるわけで、キュッとされ待ちみたいな部分がちょっとあると思ってる。でもその状況でスマパチの内規を見直します、となった時、果たして何をどう変えてくるのか、そしてそれがホールにもお客にも受け入れられる変化なのかというのはかなり気になる。「国民の娯楽」を再度標榜するのであれば仕事帰りの父ちゃんがフラッと立ち寄って数千円勝ったり負けたりするくらいの遊びあるべきだし、それ程度のインカムじゃなにも回んなくなっちゃってるのであれば、それはもう娯楽に関わる産業としてのとしての構造的欠陥だと思う。1万円あったらゼルダもディアブロ4も買えるしそれで一ヶ月以上遊べるからね。余暇に使う一回あたりのお金って本来その程度なんよ。いま1万持ってミドル機回すっつったら、ねぇ?

一朝一夕じゃこの辺はどうしようもないんだけども、「出玉性能のアップ(客単価アップ)」と「遊技人口の増加」というミッションは、多分だけど背反の関係にある。きっとどっちかに絞らんとだめですよ。甘デジとか1パチがあるやんけ、という言葉もあるけども4円のミドル機が存在する時点でメインはそっちに決まってんだから。

以上、まとめると「TS349の57%を射抜いて400発しか出なかったのが腹に据えかねた」という話でした。ちゃんちゃん。