こないだからすげー注目してるのだけど、AI女子(?)による仮想来店イベント(?)みたいなことをやってる企業アカウント(?)みたいなのがあって、果たしてどこが運営してるのかなどはさっぱり分からんながら、そのアイデアの神算鬼謀っぷりに驚いた。

 

今のところ、いわゆる「AI女子」はリアルなようでいてその実「どうみても作りモン」であり、そこまでクオリティは高くない。が、AI絵が騒がれて2年かそこらでこうなっておるのは勘案せねばなるまい。数年後には多分俺も見分けがつかなくなると思うんで、なかなかどうしてバカにはできん。んでそれを使って「この子が来店します」という事をやってるアカウントがあるのね。アホな人はマジでその子が来ると思って「◯◯ちゃん可愛い」とか言ってるんだけど、良くみるとその「◯◯ちゃん可愛い」って言ってる人がそもそもbotだったりして、虚構が世界がどこまでも広がっている。予想以上の伽藍堂に薄ら寒さを覚えると同時に、そこまで作り上げた運営の執念みたいなのを感じた次第。とにかく今はそういうのがあるのだ。

 

これ事の良し悪しであるとか事業としての展開例については別稿に譲るとして、単純にコレを考えた人は天才だと思うし上手いこと回り始めたらパチ屋の広告やら来店周りでメシ食ってる人に回ってるお金を全部巻き取っちゃうと思うし、そういうディストピアな未来を考えると俺は興奮するタチなので「いいぞもっとやれ」と思っている。立ち位置的に利害関係でいうと思いっきり「害」なんだけどもね。ついつい応援。

 

んでこれって、思考実験のテーマとして超絶面白いんでヒマなひとは真面目に考察してみるとよい。

 

テーマは「絵も文面も全てAIが生成して自動ポストするbotアカウント」が存在する場合、パチ業界特有の「広告規制」のなかでのそのbotをどう活かすか、あるいはそのbotを利用したお金の稼ぎ方について、だ。これPVが増えると有名になって云々とかそういう低レベルな話ではなくて「晒屋」や「来店マン」が人力でやってることを完全自動化しましょうみたいな話になる。これは上手いことやると広告規制もステマ規制もマジでパーフェクトな迂回が可能なんだけど、これが成立するのは「パチンコユーザーのx利用率が高い事」と「AI技術がスゲー進化してること」の二つが絶対条件だし、その二つが揃っちまった結果そうなって当たり前だよねと思う。

 

AIが自己を再帰的に改造するようになった瞬間に爆発的に能力が向上する理論上の現象を「シンギュラリティ」という。

 

まだこれは起きてないんだけども、昨今のディープフェイク関連のニュースを見たり、あるいは徐々に人間の仕事を食っていくAIの進歩を見るに、まあ間もなくだよねという感じはする。つい5年ほど前までは「あと20年くらい先だろうな」と思ってたけど、予想よりだいぶ手前で起きるはず。「シンギュラリティ」という言葉を有名にしたレイ・カーツワイルという学者は「2045年ごろに起きるんじゃない?」としておったがそれは2005年に刊行された著書内での発言であって、今聞いたらきっと「もっと早いかもしれん」と答えるだろう。

 

パチ業界はSNS対応もクソ遅かったしオンライン化も(法的な問題で)全く進んでおらず。そういう意味ではだいぶレガシーな業界であるが、意外や意外、「バーチャル来店」なる単語にはスチームパンクな香りがバリバリに感じられ、結構リアルな手触りのディストピア感がある。繰り返すけどこれは拡大解釈すると俺を含むライターの仕事やらを全部持っていっちゃう話であって立場の高低に関わらず全員廃業確定なんだけど、そうなったらそうなったで仕方ねぇよなぁと、俺はすんなり飲み込む。今の時代に「文字だけで食ってます」というのもそれこそロートルめいてるし、お払い箱だよといわれたらそれまでだと納得してハローワークにいく。

 

今はまだ「そのうちそうなるかもね」くらいだけど、その足音はホントに近づいてきてんだよなぁ……。わりとマジで。嫌いじゃないけどさそういうの。