何はともあれ行動を起こすと物事は進む。

 そして、進むといってもそれが正しい事なのか間違っているのか、そんな事はまだ分からないのにアレもコレもと考えて正解が何なのか迷って進めなくなりそうになる時がある。

 某日、新しい動画企画に向けた会議が行われた。また、これに伴い別日にドラゴン広石さんと朝比奈さんともお会いし、更に昨日もとあるYoutuberの方とも夕食を共にした。時期が時期なだけに本格始動は年明けからになるだろうが、とにかくスタートが決定した事、一歩目を踏み出せた事に安堵した。

 ただ、趣味で作っている歴史動画と違って、今回の企画は「週5本アップがマスト」というこれまでのゆるふわ感とは一線を画したスタイルのものになる。そして、絶対コケるわけにはいかないという重圧にまだ慣れていないのが正直なところ。

 きっと失敗も反省もする事になるとは思うけれど、大切なのは一つ一つ全力でやる事。それだけは忘れずに、長いキャリアを持つ方々とのお仕事をいつか心の底から楽しめるようになりたい。

 動画の新企画をやるにあたって、最近は勉強の為にこれまで全くと言っていい程見てこなかった、パチンコ・パチスロ系のYoutubeをよく見ている。なぜ見てこなかったかと言えば、プロ時代に必要な情報は動画よりテキストの方が良いし、Youtubeにまつわる多くの炎上案件に辟易としていて、たまに見たとしても言葉では表現しづらい違和感があったからだった。

 まずはその違和感の正体を探ろうとして見ていった結果、発見があったのがテンプレの存在だ。多くのパチ・スロ系動画は、どんなタイトルがついていようが、何をどこで打っていようが

  1. オープニングトーク
  2. 実戦ホール紹介
  3. 実戦・演者のトーク&解説
  4. 結果発表・エンディングトーク

という、まるでひな型があるのかと思うくらい、この形の実戦動画が溢れかえっている。これ系の動画を見ていると、一部で広告剥がしを食らった一般Youtuberの新台紹介のような動画がウケる理由もよく分かるし、正直ボクもその方が見ていられる。

 そして、著者がテレビディレクターの本を読んで、ボクの違和感の正体が少し分かった気がする。

 簡単に言えば、先ほどのテンプレ動画は「何を見せたいのか」「何がしたいのか」といった、本来作品に最も求められるテーマの部分を「不確定な台の挙動」という運に丸投げしてしまっていて、中身がボヤけまくっているからのように思う。

 「仕事だから」「依頼されたから」というアバウトな感じがそのまま画面に出てしまっているし、そこを補っているのが演者さんたちだと思うのだが、それも本来「〇〇という好きな演者を見たいから」という動機でパチ・スロ動画を見るのも違う気がする。だって、パチンコ・パチスロの本来の主役は台であって演者じゃない。もっと言えば一人一人のユーザーこそが主役であって、ライター・演者はそのサポート役でしかないはずだ。

 なのに件のテンプレ動画は、明らかに演者の力量でもって見るに耐え得る物にしている。多分、ここがオカシイのではないかと感じている。

 勿論、テンプレ動画には、打たない人・打てない人が疑似体験をするといった意味合いがあるのかもしれないが、主役たるべきユーザー(視聴者)たちが「打ちたい」と思うような物になっていないし、ボクが求めている事じゃないと言う事はハッキリした。

 改めて色々な動画を見ていると中にはオモシロイと感じる物もあったのだが、このような機会でもなければそもそもその動画に辿り着けなかった。そのくらい、溢れかえるテンプレ動画が、ボクを動画自体から遠ざけてしまっていた。

 

 Youtubeは、芸能人の参入が本格化しているように、これから益々プロの場になって、クオリティがどんどん上がっていくだろう。コンテンツの“質”が本当に問われていく世界になる。それが良い事なのか悪い事なのかは分からないが、週5更新がマストの中で出来る限りのクオリティを保たないとこの企画はきっと成功しない。

 全ての動画が上質なものになるとは到底思わないが、テンプレを否定しつつどこまで“核”を作り、結果を出していけるか――。

 ボクのやるべき事の一つは、そういった視点で皆さんをサポートしていく事だと思っている。

■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 非業界人
  • 好物はアナログ機とリーチ目メインのスロ
  • パチプロ時代に当時タブーとされていたCR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上。
  • それを機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。現在は別業種のフリーライター・エディター他便利屋業
  • 色々あって×2
  • 現在は稼働よりもパチンコの歴史についてお勉強中

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