先週の遊タイムの記事ですが、太平洋の片隅に小石を投げたくらいの反響は頂けて何よりです。

そして、下記のコメントを見て、また一安心しております。

匿名
 

パチンコ・パススロはギャンブルではなく遊戯。
この大前提から間違えています。
結果ギャンブルって言うのも間違っている。
こう言った書き込みとかがパチンコ業界を衰退させていく。
貴方がパチンコ・パチスロが嫌いなのであればそれで良いのかもしれません。
遊タイムについての考えの書き込みが見れると思ってTwitterから飛んできたら、書き出しを見て『はぁ?』って思った。
貴方が何者か知りませんが、ライターであれば読む気を失せる書き出しは辞めた方がいいと思いますよ。
起承転結なのかもしれませんが、大前提を間違えてはいけない。

そもそも、悠遊道はパチンコ・パチスロ系サイトの中でもかなり特殊な方で、基本的には似通った趣味嗜好のマイノリティが集まる場所だと思っています。

ですので、どうしても視点は偏りがちになるもの。賛同して下さる皆様には感謝しかありませんが、それに甘んじて

「ありがとうございます!!ですよね!!」

などと内輪でキャッキャウフフとするのも本懐ではなく、小石で生まれた波紋を見て、それぞれの立場の方が色々と考えるキッカケになれればそれでいい。それ以上でもそれ以下でも無い記事という事は予めお伝えしておきます。

※それ故先週の記事に賛同して頂いた皆様への個別のコメ返は控えさせて頂きます事、何卒ご了承下さい。

その上で、ところどころ日本語が怪しい感じがあるこの方のコメントに興味が沸く点があるとすれば、この方は一体どの立場からの視点なのか、という事。

遊タイムの議論に限らず、パチンコ業界に限らず、何かしらの出来事に対して思いを発露する時に、完全なる客観論もジャーナリズムもあり得ません。全てはポジショントークです。

ボクは決して業界内の人間ではないから、あれほど痛烈に遊タイムを酷評します。ただそれも、ポジショントークです。それを分かった上で書き、同じ嗜好を持つ方々のガス抜きになりたい。そういう思いはあります。

一方、ボクが何を書こうが凱旋や沖ドキが撤去されない問題に直接関与する事はできない。

遊タイムのハイエナが横行する現場を預かっている立場でもないから、どんなにさもしい連中が徘徊していようが、それを排除する事もできない。

精々、問題提起までなんですよ。外の人間は。

ただ、一般の方よりは業界内部の事も少しだけ知る人間として、お伝えできることというのはあるわけですが、結局はパチンコ業界を良くするも悪くするも、それが出来るのはメーカー・ホール・販社・広告代理店等々、密接に利害が繋がっている中の人間だけ。

そんな視点から見ると、先のコメントの方は良く言われる「遊タイム肯定派=ハイエナで稼いでる人」ではなく、業界の中の方に近いように見えます。何やら業界を良くしたいような気配は感じるので。

まぁ、だとしたらそれこそ大問題なわけですが……。

 

コメントの一節にあった

「読む気を失せる書き出しは辞めた方がいいと思いますよ。」

という言葉がボク的にはすごく響くんですが、その理由は「読む気が無くなる人が多いだろうとご本人は感じたのに、わざわざコメントというエンゲージメント行動を起こしている」現実に失望を感じるから。

ことパチンコ業界に限らずですが、人は「痛いところを突かれるから怒る」のであって、喜怒哀楽の中で最も強いエネルギーを生むのは怒りと言われていますが、そういったエモーショナルな部分をボクごときに左右されてしまっている。それが残念でならない。

Youtube動画を作っていると、とかくそういった手法が目につきます。

やれ、

「ネガティブワードを使え」

「共感ポイントを作れ」

「感情を揺さぶれ」

と。

例え否定的な反応であっても、それはコンテンツ製作者のエンゲージメントだから公の評価に繋がってしまう。ヒトラーだって東条英機だってムッソリーニだってそれらを支持する人がいたからああなったわけで、それをこの方は恐らく分かっていない。

人が行動を起こす時の心理をよく研究し、それをビジネスに利用する人がいるという事を恐らく分かっていない。

極論で言えばこれって洗脳に近いと思うんです。かつてヒトラーは何度も何度も演説を練習し、ゲッペルスにプロパガンダをこれでもかとやらせた。それが如何に民衆を熱狂させてしまうか、歴史が示しているわけですが、その結果はアレです。

そのくらい人の心と言うのはもろい。

特に今の業界のように、解決の道筋が見えない苦境に立たされ、満たされていない時だからこそ、分かりやすいナニカに感情を揺さぶられてしまうのが人間です。

だからこそ、絶対に持ちえない客観性を、出来る限り持とうとし続けなければならないのですよ。

そうして見たパチンコの世界がギャンブルじゃないわけがない。

130円の缶ジュースをかけてジャンケンするのだってギャンブルです。射幸性の高さの問題でも、遊技性の有無の問題でもないんです。そこに勝った負けたがある限り、ギャンブルなんです。その本質論から逃げてはいけないんです。少なくとも自身の主義主張を掲げるならば、ね。

コメントを書かれた方がどのポジションからのトークかは分かりませんが、それだけは分かってもらいたいな、と思います。遊戯と遊技はただの変換ミスだと思いますから。どうせこの記事は見てもらえないんだろうな、とも思いますけど。

 

そして、前回一つだけ言い忘れた遊タイムの問題点を追記して本稿を〆たいと思います。それは

「ユーザー同士が直接いがみあう構図」も遊タイム(天井機能)が助長している、と言う事。

それで得をしているのは一体誰なのか。それは、軍団の親でもエナでウハウハなプロでもなく、つい最近まで「減収増益」なんて恐ろしいPLを計上していた、業界内の大企業ですよって事。

7万円の食事なんて、安い安い(ハハハ……)


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロを経験
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの総合プロデューサー兼ライター

万回転記事一覧はこちら