去る3/19、突然Twitterにてノスタルジア様の閉店が告知されました。

桜木町という神奈川県で最も華やかなエリアにあるぴおシティ内で、以前はパチンコ屋だった場所に、居抜きでパチスロ専門ゲームセンターとしてオープンして以来13年。残念ながらお店を続ける事が出来なかったようです。

閉店の理由はTwitterやYouTubeでも述べましたが、経営状況の悪化ではなく、賃貸物件の契約更新が叶わなかったから、です。

そして、現時点では再オープンの予定は未定。再開させたいと動いて下さっているスタッフの方はおられるものの、5/31を持って、ノスタルジアは13年の歴史に幕を下ろします。

昨今、パチンコホールの閉店は相次いでいますが、翻ってレトロ台界隈に目を移すと、2020年夏オープンのタンポポを皮切りに、2021年は広島ホール、レトロ柏崎、スパイダー寒川、そして2022年4月、東京都足立区にビッグスマイルと、次々に新規のレトロゲーセンがオープンしました。西武園遊園地のリニューアルのように、パチ・スロ界隈だけではない昭和レトロのブームも相まって、レトロゲーセンの静かな興隆があるように感じていました。

ちなみに、2000年代後半にも同じようにパチ・スロゲーセンがブームになった時期があったようです。

ただ、当時生まれた仙台や名古屋、大阪、千葉、神奈川、東京のパチ・スロゲーセンの多くが数年しかもたずに潰れていく中、巣鴨のライズ、そして桜木町のノスタルジアはそんな荒波を乗り越えてきた老舗です。

だからこそ、今このタイミングで閉店するなんて夢にも思わなかった。それが正直な気持ちです。

 

ボクが初めてノスタルジアの存在を知ったのはいつだったか……正直定かではありません。

記憶の片隅にあるのは、神奈川屈指のデートスポット桜木町に「パチスロのゲームセンターなんてあるんだ、へぇ……」と看板を見かけた程度。その頃は店内に入った事すらありませんでした。

何せ、当時はパチプー。今もホールに足を運ぶ人の多くがそうかと思いますが「お金を賭けないパチンコ・パチスロの何が面白いんだ」ってボクも思った事があります。

ボクが第二次パチプロ期を迎えた2010年頃というのは、5号機がメインになり、パチンコも等価化が進んで甘い状況がどんどん少なくなっていました(勿論今とは比べ物にならないくらいレベルですが……)。そんな中、日々の糧を得る為にパチンコホールに行く人間としては、遊び打ちなんてもっての外。ゲーセンで遊ぶ時間があるなら、一軒でも多くホールを回れ、という感覚に追い立てられていた毎日でした。

ですから、当時のボクとノスタルジアに接点はありませんでした。

ただ、パチプロを真剣にやればやるほど「好きな台を打つ自由が無い」事を実感していきました。日々の稼働の中で、“刺さった機種”と出会う事があっても、状況的に勝てる見込みが無いなら打つことが出来ない。座れない。そんな場面に何度出くわしたことか。そんな日々を苦痛に感じていたのも事実です。

当時、知り合いのパチプロとよく冗談交じりに話したものですが

「もしもパチプロを辞めたらパチンコ(パチスロ)打つ?」

という問いに、知り合いのパチプロの多くは「NO」でした。

ボクは「YES」でした。パチプロを辞めたからこそ打てる台があるって思ったら、そっちの方がパチプロやってるよりよっぽど幸せだと当時から思っていました。

ただ、別の仕事でお金をもらえるようになり、いざ「負けると分かっているパチンコ」をやってみると、実際のところはお金を突っ込む事に激しい抵抗感を覚えたのも事実です。そして、今でもそれはかなり強いアレルギーがあります。ただ、ずっとアレ打ってみたい、コレ打ってみたいという欲求は消えませんでした。それはYouTubeをやっている今でも。

そうして2年前、動画をやるという目的で、収録させてもらえる場所を探していた中、まず初めにお願いしに行ったのがノスタルジアでした。

その時、社長さんが快く「全然やってやって!(笑)宣伝してね(笑)」と気さくに許可を下さった事を今でも鮮明に覚えています。まだ何の実績も無く、宣伝効果も見込めないチャンネルに対して、笑顔で対応して下さった社長さんのその一言があったからここまでやってこれたと言っても過言ではありません。

そして、何度も通う内に、スタッフの皆さんともお話が出来るようになり、好きなパチスロの設定⑥を、お金を気にせず打ち倒せる環境に身を置いた事で、気づけばスロゲーセンの魅力にどっぷりハマってしまいました。

それを皮切りに、タンポポ、ライズ、岐阜レトロミュージアム、丸松パチンコ、広島ホール、レトロ柏崎、スパイダー寒川等々、各地のパチ・スロゲーセンを訪れる機会に恵まれ、そこで様々な体験をすればするほど、オーナー様の熱意に感動し、そこに集うお客さんたちの笑顔に感化され、ホールでは決して味わえなかった喜びを感じてきました。

好きな時に好きなように、設定6のパチスロ、甘釘のパチンコを打つ事が出来る。それは、例え低貸しであってもホールでは絶対にできない体験です。

長いパチプロ経験を通じて、設定①と⑥のパチスロ、クソ釘と甘釘のパチンコは全く別の生き物だというのを知っているからこそ、ホールでは絶対に味わえないその感覚にハマってしまったんだと思います。

だから、ボクは心の底から言えます。この灯を絶やしてはいけない、と。

パチンコ・パチスロがギャンブルを離れても、遊びとして本当に受け入れられる物なのか。それを体現するパチ・スロゲーセンの否定はパチンコ・パチスロの根幹の否定でもあるから、大多数が賛同する世界ではないのを分かっていながら、この特異な世界が続いて欲しいと願うのです。

 

ノスタルジアは、2022年5月31日に閉店します。そして、再オープンできるのかどうか、現時点では未定です。

今はまだ、ボクも詳細が完璧に分かっているわけではありませんし、自分がどう動くべきかも確信を持っているわけではありません。ですが、一つ確かなのは、ボクは6月以降のノスタルジアの未来がどちらになるか、その結論が出るまで必ず見続け、発信していきます。

だから、もしこのブログを読んで下さった方で、少しでもノスタルジアのような場所が続いて欲しい、残って欲しいと思う方は、今後の悠遊道のYouTube、そしてボクの発信を注視して下さい。

そして、時に皆様のお知恵を頂けますよう、心からお願い致します。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロを経験
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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