前回の記事に、獣さんからいただいたコメント「プレイヤーが気付かない程度の小さなフリーズというのが気になります。」を広げてみたいと思います。私は、AT・ART機能のメイン基板管理を説明する際にシレっと“小さなフリーズのようなもの”という表現を使っています。

ええ、シレッとなんです。正確にはどのように作られているかは分かりません。フリーズを使ってはいないかもしれません。そんな自信度です。ただ、フリーズのようなものを使うと辻褄が合うので、大体の考え方は合っているのではないかな……と。そこはご了承くださいませ。

○メイン基板とサブ基板の役割

その前に各基板の役割からですね。大前提として、レバーやストップボタンの効果やリールの回転はメイン基板で管理しています。ボーナスや小役を抽選したり、その結果をリール上に表示させる。パチスロの根幹となる基板ですね。一方のサブ基板は、液晶演出やサウンドといった建前上は“出玉に関わらない部分”を司ります。

ATの発動などが出玉に絡み過ぎるようになったので、ちゃんとメイン基板で管理しましょうということに5.5号機以降はなりました。押し順ナビが出る際に、セグでも数字や変な形が表示されるようになりましたよね。そこまでがメイン基板の仕事。その信号をサブ基板が受け取って、演出として分かりやすい押し順ナビの形などにしてくれるのです。

 

そのナビを発動してくれるATへの突入もメイン基板で管理しなくてはなりません。「ここからナビを出して良いですよ」という信号をどうするのか。そこで白羽の矢が立ったのがフリーズ演出(か、その類似機能)でした。

“フリーズ演出”とも言われるので、演出の一環としてサブ基板で管理しているように考えてしまいがちですが、超短時間でもリールの回転やレバーなどに影響を与えるので、メイン基板の管轄となります。

 

○こんなに便利フリーズ機能

メイン基板の仕事というと、融通が効かない堅っ苦しいものを想像するかもしれませんが、フリーズは意外と自由度が高かったりします。『アントニオ猪木が伝説にするパチスロ機』の道フリーズ抽選状態が分かりやすいかしら。

チャンス目が出現すると約10%でフリーズ高確状態に移行します。移行するかしないかを別の抽選で決められるのです。さらに、この高確状態は「3G・5G・7G」のいずれか継続と、ゲーム数を振り分けることもできるのです。フリーズするかどうかは『ぱちスロAKB48』の”会いたかったフリーズ(1/65536の25%)”からも別の抽選を挟める、自由度があると分かりますね。

フリーズは、32G後に発生するような作り方も可能です。フリーズが発生するゲームだから小役などの確率を変えられるということはありませんが(フリーズの一環としての擬似遊技なら可能だけど、払い出し枚数はない)、少なくともゲーム数を数えられるカウンタのようなものを持てることになります。

 

このフリーズ機能を使うと、メイン基板でATを管理するのがラクになります。何かしらの強い小役で、フリーズ高確状態に移行させれば、チャンスゾーンだって簡単に作れます。そこでAT突入の合図となるフリーズを10G後とかにセットすれば、液晶演出で煽った後にAT突入という王道パターンを作れます。また、AT終了や有利区間突入から1000G後にフリーズするようにセットすれば、天井機能だって作れます

 

今まで大きな制約のなかったサブ基板で作ってきた(だから、なんでもアリでした)ゲーム性の大半をメイン基板管理になっても再現することが可能となったのです。違和感が少なくて、ATがメイン基板管理となったことがピンとこなかったりしますけどね。いろいろな抽選を経られるので、ブラックボックス感もそのままです。

正直、このATを発動させるフリーズが短ければ分かることはないでしょう。なので、フリーズ機能を使っていると断定はできません。ただ「抽選で突入の有無を決められる・数ゲーム先に発動するような予約ができる・チャンスゾーンも作りやすい」こんな性格がフリーズ機能と同じなのです。なので“小さなフリーズのようなもの”とシレッと表現しています(笑)。