8月25日にMIRAIぱちんこ産業連盟とぱちんこ広告協議会(以下、PAA)が共同で「第3回MIRAI公開経営勉強会」を開催したそうです。ええ、私はこのニュースに書かれたことしか分かりませんが。

その中で、広告宣伝のルールを見直しして、全国統一化を図っていくことが議論されたようです。パチンコホールの広告宣伝については、2012年に強化され、入れ替えた台以外に触れると機種示唆とか捉えられるのが現状となっています。これについては他の業種と比べて厳しすぎると言わざるを得ません。当たり前のことも言えないのですから。

広告規制の緩和を陳情する動きはあって然るべきと思います。ただ、業界サイドの願望が強すぎるのではないかなと。特にこの一節です。一節という割に二箇所抜粋ですが。

「出玉の上限値や高設定の割合、出玉の下限値や他の設定の割合などもバランスを勘案し開示することであおり広告を防ぐ」

「事実を正確に示していない、もしくは客に誤認させるような表記を用いる場合のみ不可とする方向で見直していく」

PAAにお願いしたいのは、2011年以前。特に何でもありだった4号機終盤を経験しているユーザーからの聞き取りですね。どのようなことが起こっていたのか。その総括をして、反省すべきことは反省して。それから前に進みましょうということです。参加企業にはベテランライターもいるはずです。最もユーザーに近い業界団体ですので、それは十分に可能だと思います。

「高設定の“割合”を開示」とかフワッとさせたら何でもアリになるでしょう。全てのホールがPAAの作成するルールや基準を守れるかと考えるならば。いろいろダメな地域でも、一般ユーザーが勝手にまとめているフリをした宣伝とか野放しなのが現状ですよね。新しく作るルールが守られると思う人は皆無でしょう。

そのために「事実を正確に示していない」の一節があると想像しますが、誰が判定するのでしょうか。そうでなくても、2012年以降も広告宣伝違反で警察のお手を煩わせているのが現状。取り締まる警察にとって、これはセーフなのかと頭を悩ます機会が増えるだけで、何らメリットがなさそうです。末端消費者の意見も聞かないのであれば、ユーザーが求めているからという大義名分もありません。それこそ「自分たちがやりたいだけ」となってしまいます。

議論するのも大事なことなのは間違いありません。まだまだ始まったばかりなのも分かります。そんな中で揚げ足を取るような言い方になってしまったのは恐縮です。普通のことも言えない&地域の温度差もある現状は歯痒いです。なんにせよ、いちユーザーとして、ルール作りの議論が、より実のあるものになることを願ってやみません。応援しています。

 

○設定示唆や広告宣伝は、単に煽るためが目的じゃないはず

ちとTwitterでも呟いてしまいましたが。小役の推移から高精度で高設定がわかってしまう“設定判別”が主流だった時代。 設定1でも出玉率100%を超える機種がゴロゴロあり、しかも低換金率がまだまだ主流。勝ちたければ、持ち玉がある限り続行な時代。そんな1990年代後半のこと、ウチの近所のホールで、前日の出玉ベスト5と、その設定を貼り出してくれるところがありました。

もちろん、自分が設定判別した通りの高設定で発表されることもありますが、「こりゃ高設定じゃないな」なんてときは、やはり発表もそれなりの数字で。それどころか、ときには設定1と書かれることもあったわけです。ほんと、正直なところでした。

このホールが閉店してしまうまで3年間くらいですかねえ。通いましたとも。低交換率で遊ばせるところだったので『獣王』以降の爆裂AT機時代にはまったく不向きとなって、その頃に閉じてしまいましたけど。パチスロ歴30年以上の中で、もっとも信頼できたホールがここでしたね。

 

こう書くと、オッサンの昔は良かった的な話になりそうですが。高設定の存在示唆とか、ほんとクソみたいなところもたくさんあったわけで。「クランキーコンテスト全台設定5以上」というところで、何度設定4以下が確定したことか。

*今では再評価されている『クランキーコンテスト』ですが、当時は兄の『クランキーコンドル』が優秀過ぎて不人気だったのです。高設定のみと謳う営業も多数ありました。

等価交換ならまだ分かるとか思ってしまう私も、騙され慣れし過ぎで感覚が麻痺していますけど。7.6枚交換のホールでも平然と嘘を吐いていたっていうね。当然、潰れました。あ、等価のところはピンピンしているところもありますな。20年以上経った今でも近寄らないようにしております。

 

メールでの設定示唆の時代は、並びの人数とか抽選の倍率を考えるとそこまで強いホールにも行きたくなく。1/2で設定6と告知をして、実際は1/4とかの微妙な嘘を吐くホールに行くことが多かったですね。ちょい分かっている人は「発表されているのと違う」と不安になってヤメがち。立ち回り易くはあったので。

って、こんなことを考えさせるのは、健全じゃないですな。そんなホールも大半は、もういまありません。割合開示とか認められたら、間違いなく起きますよ。こういうこと。

 

広告は「より良く見せる」側面があるのは当然ですが。実態を伴っていなければ、失うものも大きいということです。ユーザーから確認できないので、誤解されることもあるでしょうが。ユーザーから確認できないからといって、好き放題やられてもたまらないわけで。

どんな広告内容を認めるかという細々したルールよりも、目の前の台で設定キーを回す”ガチの設定確認”を認めてもらうほうが一目瞭然ですし、はるかに有益です。普通のユーザーにとっては。

 

どのようなルールになるのかは、これからだと思いますが。”ガチの設定確認”が無理だとしても、広告を扱うところは、どう実態を伝えて信用へ繋げるかに主眼を置いて欲しいものです。それこそパチンコ・パチスロを長く見続けているからこそできる専門家ならではの仕事でしょう。

設定割合の開示など素人目にもできることが増えた場合、(効果の最大化はさておき)騙してでも煽って一時の集客をすることは、それこそホール単体でも、いろいろな人がトライできるでしょうし。広告屋さんだからこそできる仕事や、存在意義がなくなると思うんですよね。