何年か前、とあるパチスロライターさんが「同業者に喧嘩を売られたんだが…」みたいなニュアンスで、ご自身のツイッターで次のような発言を紹介していました。

 

「GW中に仕事がないやつは二流だ!」

こんな言葉を同業者に言われたそうです。当事者に確かめてないので詳細は分かりませんが、おそらくこれは、代理店から来店実戦の依頼が来てるか否か…について語ったものだと思われます。

この言葉を吐いた同業者さんは凄く上から目線の物言いですが、当時は今と違ってライター来店イベントもそれなりに行われていましたし、そもそも酒の席でのやりとりみたいなので、酔いが回った挙句に「売り言葉に買い言葉」的な流れで、ついつい言っちゃったんじゃないですかね。たまにいますよね、こういう人。だけど、この手の酒に自制心を飛ばされる残念な人は、普段はきっと他人を深く思いやる、いわゆる「良い人」なんじゃないかと思います。いや、なんとなく。

ともあれ、こんな言葉を投げつけられたライターさんは当然のことながら怒るわけです。そりゃそうですよね。だって、すげぇ暴言だもの。実際、面と向かってこんなことを言われたら、私だって憤るに違いありません。

 

ただ、振り返って考えてみると、私は四半世紀に及ぶパチスロライター人生で、GWに仕事をしていたことは一度しかなかったりするんですよ。

あれは今から約二十年前。「サラリーマン金太郎・究極攻略」という増刊号を制作していたとき、発売日の関係から原稿の締め切りがGW中になってしまい、担当編集のベンさんから毎日のように原稿催促の電話がかかってきました。今日は何ページ書きましたか? じゃあ、明日の何時までに何ページまで進めてください。残りは何日の何時までに…って、鬱陶しいことこの上ない。もちろん、ベンさんに悪気があるわけじゃなく、彼自身の仕事をこなしていただけですが、この時だけは自分が超売れっ子の作家先生にでもなったかのような錯覚を感じましたよ。くどいようだけど、あくまで錯覚ですから冷めてしまえば勘違いに気づくんですけどね。

 

話を戻しますけど、こうした経験から分かる通り、昔はGW中に仕事をしているライターなんて基本的にいなかったんですよ。だって、連休中は編集部も動いちゃいないし、印刷所ももちろん休み。流通そのものが止まるから、雑誌を作ったところで仕方がないんです。例外があるとすれば、この時のように、発売日の関係で連休明け直後に輪転機を回すことが予定されてる場合のみです。

 

それで結局、何が言いたいのかというと、パチスロライターの仕事もこの二十年で随分と変ったものだなぁ…ってこと。私がパチスロ必勝ガイドに入った当時は、ライターがホールに呼ばれてパチンコやパチスロを打つ…いわゆる「来店実戦」を行う時代が来るなんて夢にも思いませんでした。そうそう、多くの読者さんは私・ドラゴン広石は来店実戦をしないと思っているでしょうが、実を言うと友人に頼まれて過去に三度だけやったことがあります。一度目は鉄拳R、二度目は秘宝伝(いずれも4号機です)。そして三度目はアイムジャグラー(5号機)でした。今の来店実戦は長くても3時間。複数の店舗を掛け持ちで回るケースが大半みたいですけど、この当時は開店から夜8時くらいまで、ほとんどぶっ通しで打ってましたね。来店実戦の形態も随分と変化したものです。

おそらく、パチンコ&パチスロライターの仕事は、今後も変化し続けるでしょう。今や機種物ページはフリー編集がグロス受けする時代になり、自分たちライターの仕事は記名原稿だけになりました。あと何年この仕事をできるかわかりませんが、せめて悔いのないようやり遂げたいと思います。

 

ちなみに、私は今年のGWも仕事をしてません。

ようするに二流ですね、ええ。

これだけは平常運行です(笑)。