■相性(あいしょう)
⇒意味:複数の人の性格やモノの性質の合い方。機械部品等の組み合わせの良し悪しを示す事もある。

・・・と、意味合いとしては非常にシンプルであり、それなりに人生経験があればその【語】が意味するところも何となく理解できており、また、それを実感するような出来事も幾度か経験していると思われる。

だからこそ、敢えて声を大にして言いたい。

『相性とは何ぞや?』と。

・・・ということで、個人的に好きなパターンである『仰々しい雰囲気』による導入からのリード文にて、今月も第一日曜はK.S.Yukiが担当させていただきます。

さて、冒頭に語の説明もしている上に、既に佐々木師匠が書かれたテーマコラムも公開済み故にご存知かと思われますが、今月は・・・

相性について

がテーマとなっております。

ちなみに、テーマはパチドランカーKさん提案です。

で、前述の佐々木師匠のように『自身と特定の機種との相性』という内容は勿論、それに限った話ではなく、その相手は『メーカー』『ホール』『他のプレイヤー』に『店員』等々、何でもアリ。

更に言えば『書き手自身との相性』にも限定していませんし、理論的でもオカルト的でも無問題。

要は、『相性』と言うキーワードが中心に据えられてさえいれば何でもアリ。と言う感じです。

それもあって、先ずは冒頭に挙げたような『相性とは何ぞや?』というところから掘り下げてみようかな・・・と。

一般的感覚論

多くの人が納得するとすれば、やはり確率ベースの話でしょう。

例えば、自身が打つ台の中で・・・

  • 確率分母未満で初当りを取れることが多く、その後の諸々の振り分けや出玉(出メダル)もヒキ勝ち傾向

となれば、『相性が良い』と捉える。と言うパターンが多いのかと思われます。

ただ、それが『体感・肌感覚』によるオカルト的な概念なのか、『採取したデータの分析』に基づく統計的なアプローチによるものなのかで、大きく意味合いは変わります。

先ずは『体感・肌感覚』による相性の場合。

まぁ、一応は勝敗の記憶や収支に紐付くであろうと思われますが、それでも『言った者勝ち』的な要素が強いのかな・・・と。

要は、明確な数値的根拠がないワケですからね。

かと言って、『採取したデータの分析』に関しても、何処まで行けば相性を証明するに足るエビデンスと言えるのかが難しいワケで。

例えば、パチスロ情報誌なんかでは『7,000G×10万日』としてシミュレーション値を出す。と言うのを聞いた事があります。

そのくらいやらないと、公称値の確率に近似しない。と言う事でしょう。

勿論、毎日毎日同じ機種をフル稼働したとしても、上述のシミュレーション値には届きません。

試行回数が多ければ多いほど相性を証明する根拠としての信頼性は高まるものとはいえ、ヘタしたら100万Gくらいの試行回数でも統計学上では『標本抽出』の範囲と言わざるを得ないですし、そうなると『標本誤差・系統誤差・偶然誤差』なんかも生じている事でしょうから、『今のところ、相性が良い傾向にある可能性が高い』とするのが正解なのかな・・・と。

そうなってくると、『相性』ってどう定義するのが正解なんでしょうね?

 

『相性が良い』では無く『悪くない』が正解?

不思議というべきか矛盾というべきかが悩ましいのですが、本来であれば『相性が良い』と思えるような情報はヒトの記憶に残りづらいハズなんですよ。

ヒトと言う生物は『正の情報よりも負の情報の方を記憶として残しやすい』と言われており、これは心理学の分野でも『ネガティビティ・バイアス』と言う用語で定義されています。

そうなると、もしかしたらネガティビティ・バイアスによって深層心理で『相性が悪い』と認識している対象物を除外し、残ったモノを逆説的に『相性が良い』と総称している。と言った解釈も出来るのではないかな・・・と。

うーん、考えれば考えるほどに『相性』って何なのかが判らなくなってきました・・・(汗)。

 

とどのつまり

むしろ、こうなってくると『定義を明確にしようとする』という考えが野暮な事に思えてきております(汗)。

実際、私自身も相性の良い機種/悪い機種を聞かれたとしたら、『ある程度収支を加味しつつの感覚論』で回答すると思いますしね。

そうなると、打っている回数の多い機種ほどその回答候補に挙がってくる可能性も高くなりますので、エンジョイ勢である私の場合は自ずと【相性の良い機種=好きな機種】のような図式にもなり得るワケで。

なので、私にとって『相性の良い機種』を聞かれた際の最適解は『好きな機種、よく打つ機種』と言う事にしておきます

 

視点を変えて

さて、ちょいと目先を変えまして、今度は自身が絡まない『相性』を考えてみたいと思います。

昨今では、アニメ・ゲーム系のコンテンツが遊技機化される事が多くなっております。

そして、多くの場合はバトル要素が含まれており、主人公側が勝てば当り/負けたらハズレと、非常に判りやすい感じです。

ただ、その判り易さゆえに違和感もあるワケでして。

それが何かというと、『主人公の強さ』

どんなコンテンツでも、『原作での強さ』と『遊技機の演出上の強さ』とが乖離していると思いませんか?

演出だから仕方ないと思う部分はありますが、よくよく考えたらコンテンツと遊技機との『相性』としては、実はそこまで良いものではないのかな・・・と。

逆に、『悲劇的展開×タイムリープもの』・・・例えば遊技機化歴のあるもので言えば『ひぐらしのなく頃に』や『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』であれば、主人公側にマイナス的な展開があっても、ある意味で違和感や拒否感は少ないので、実は『好相性』なコンテンツなのではないかな・・・と、個人的に思っている次第です。

 

視点を変えて~其の2~

これもまたコンテンツというか、遊技機とその題材との相性の話なのですが・・・

アーティストやアイドルをモチーフとした台に関しては、正直『遊技機との相性が悪い』と思っています

といいますのも、昨年頃にホール団体がメーカー団体に対して『音量を抑えるように』と要望し、それに対して『85db未満に抑える』と回答しているくらいですので、遊技機の音量問題については周知の事実

しかしながら、上述したようにアーティストやアイドルをモチーフにしている遊技機ですと、その楽曲を堪能したい打ち手も少なからず居るワケでして。

現に、私の稼動範囲のホールで『P 中森明菜・歌姫伝説~THE BEST LEGEND~(Daiichi)』を打っている方の9割近くが爆音遊技者という傾向に感じています・・・。

勿論、音量問題は歌モノ機種に限った話ではないですが、やはり演出や魅せ方のアクセントとしての音ではなく『主役としての歌』を遊技機で愉しませよう。というのは、ちょっと時代的な部分を勘案しても『相性が悪い』と思っております。

 

今回の記事タイトルの意味とオチ

という事で、色々なパターンで『相性』について語ってみました。

そして、最後にこの〆のセクションにつけた見出しの通り、オチをつけるべく、ちょいと解説しておきますかね。

まず、当記事のタイトルですが

『パチンコ』を並べ替えたらば・・・/K.S.Yuki

と、パッと見では全く意味が判りませんよね(苦笑)。

ところで、今回のテーマである『相性』と言う語、英訳すると何と言うかご存知ですか?

色々な言い回し等はありますが、1単語で言えば『compatibility』となり『コンパチビリティ』と読みます。

で、この語は『互換性』等の意味もあり、『コンパチ』と略してIT用語で『アッパーコンパチ(上位互換)』との使われ方をしたりもしています。

・・・ここまで書いたらお気づきの事かと思いますが、【サイトコンテンツ全ての基本である『パチンコ』と、相性を示す語の略称である『コンパチ』が、アナグラムになっている。】という事で、もうこれ以上の説明は不要ですかね?(汗)

とまぁ、綺麗にまとまったのかスベったのか微妙な感じの当記事のオチとなりましたが、これにて当方の今回のコラムを〆たいと思います。

(K.S.Yuki)