早いもので2018年最後の更新となりました。5.9号機や6号機という括りは抜きにして、お気に入りの機種はありましたでしょうか? 年末のコラムでは割とよくある無難な書き出しですが、自分で書いていて“お気に入りの機種”って難しいなあと思うわけです。

ふと気付けば、プライベートでは今年も『クランキーセレブレーション』と『リノ(2015年)』ばかりを打っていました。何年かに1回、3年以上に渡って楽しめる機種と出会いたい。そんな感覚でございます。そう思える機種は、2018年にはなかった……のかな。

のめりこむほど溺愛した機種はありませんでした。だからといって、全体的に不作だったと片付けたくもありません。各メーカーさんの頑張りが嬉しく感じる1年でもありましたから。ということで、2018年に開発力が光ったメーカーについて書いてみたいと思います。

 

○5.9号機で輝いた“オリンピア・平和”

正直なところ、5号機中盤から打つ機会の少ないメーカー筆頭がオリンピア・平和でした。5号機版AT機が全盛となってから新機種を安定供給していたものの、チャンスゾーンや特化ゾーンの見せ方を変えているくらい。システムは焼き直しでした。版権によって激しいか穏やかなのか方向性は変わって然りのはずなのに、全部同じだな……と。

強JACインとそのストックのヒキでBIGの枚数を変動させた『不二子TYPE-A』(のちに『戦国乙女TYPE-A』も)。通常ゲームに見える部分が実はボーナス中の『ルパン三世−世界解剖−』。5号機の最後で新たなゲーム性を提示した開発力に感服いたしました。ルパンはいまだに下皿にコインが落ちてくるビジョンすら見えないままですが(笑)。

惜しむらくは、5.9号機でないと『不二子』タイプは威力を発揮しないこと。6号機でも作れたはずの『ルパン』タイプは内規の変更に伴って作れなくなったことでしょうか。これらの機種の開発チームには6号機初期“正解システムの模索”の間は特に期待したいです。正解が見つかっちゃうと、そればかり作ってきそうで怖いんですけどね。

 

○6号機で輝いた“大都技研”

2018年1月に新内規が発表された際「こういう機種が増えるんだろうな」と妄想した通りというか、その最上級の答えで6号機の幕を開けてくれました。その後に登場している6号機が芳しくないですよね。心底“一発目が鏡で良かった”と思いましたとも。

ポイントとなったのは疑似ボーナスだと思います。あれを初当たりと思ってもらえれば遊べる機種という印象になりますが、ATに行かないとダメじゃんと思われていたら実質初当たり確率の重さが目立ってしまいます。このバランスは実に難しいものなんです。

まだちゃんとしたボーナスのない機種はヒットしないと思われていた2011年。『押忍!番長2』を狙ってヒットさせたチームが絡んでいるのでしょう。その前に完全ART機として出てきた山佐の『モンキーターン』もありましたけどね。おっと昔話が過ぎました。現状での正解システムを既に持っている大都技研が、6号機序盤をリードすることになるかと思っています。

 

○5.9号機も6号機も意欲を買いたいのが“サミー”

5.9号機は『ディスクアップ』が新パネルで増産されるなど大ヒット。お好きな方は好きでしょう。目押しがシンドイと思う方はシンドイでしょう。ヒットの理由などを分析して書いたところで、このスペックはもう作れないので割愛します(笑)。

と、5.9号機のヒットの陰で着々と6号機も開発して投入しております。『チェインクロニクル』と年明けには『蒼天の拳』を予定。チェンクロはご存知の方も多いことでしょう。どちらも「ボーナスをハズしながら打たなくてはならない」制約のあるゲーム性となっています。そうしている理由は“ベースを下げたいから”。前回も書きましたが、パチスロの出玉設計は「ベース+実質初当たり確率+一撃性能」という三すくみの図式です。6号機はどうしてもベースが高くなってしまい、ほかの要素を強くしにくいのです。これを打破したいのです。

打ち方の制約はねえ。OKなタイミング以外でボーナスを揃えるとペナルティというかAT関連が無抽選になります。ボーナスの消化なので、規定枚数到達までは終了しないため時間もかかります。嫌がらせで揃えてヤメるユーザー、ハズしたかったのにうっかり揃えてしまうユーザー。これらがいない前提では素晴らしい発想です。ボーナス揃えヤメからでも打ちたいと思えるほどの魅力があるかどうかですね。私は普通の状況でなければ打ちたくないと思いました(笑)。

ということで、予想では『蒼天』はヒットしませんが(笑)、「ベースをどうにか下げないと」という問題意識はありますし、新たなものを作ろうという開発マインドはあるので、どこかでヒット機種に巡り会うことを期待したいです。

あと5.9号機で、これまた来年登場予定の『ダーツライブ』も今までの常識をぶっ壊してくれそう。面白いかといったら面白くなさそう。そして、システムマニアだけ唸るような“わかる人だけわかる常識”ですが。って、サミーのところ長く書いちゃった。それだけ期待しております。

 

○そろそろ3年打てる機種を見つけたい……

もちろん、ここに挙げた以外のメーカーへの期待もありますよ。シェアの高いユニバーサル。ジャグ系は6号機になったらどうなる? な北電子は。期待というより現行ユーザーの最大公約数を引き止める責務があります。

結果的に6号機は内規でAT機が救われただけで、ノーマルオジサンが満足するようなノーマルは作りにくいのが現状。それを心の中に刻み付けると、引退か違う楽しさに出会うしかないわけでして。せめて妥協機種5.9号機の『アレックス』がなくなるまでに次のメイン機種を見つけたいというのが本音です。うん、気長に待ちます(笑)。それくらい純粋に心底好きになれる機種と出会える確率は低いものなんです。

私も皆さんも、そういった機種に出会えることを願って。良いお年を!