これまでに”背筋が凍りついた話”は数回ありました。

・強盗に拳銃を向けられた瞬間

・閉店直後、景品交換所の非常ベルが鳴り、駆け付けるとオバちゃんが頭部から顔面にかけ流血

・事前納品の新台(大花火)8台が、１夜で盗難

・18時開店!!あまり赤字出さないで!!の指示に対し、330万の赤字が出ちゃった

前フリはこの辺で

今回は業界のあるある口約束で“背筋が凍りついた”お話です。

２００９年の春、私は無職でした。プロ生活の傍ら日曜夜は新台、中古の釘調整のバイトで凌いでいました。

当時は遊技機を購入すると一部のホールはメーカー、販社が調整をしました。人気機種のトップ納品日が重なると、人手不足となりメーカーが販社に依頼します。

その流れで私にも仕事が回って来ました。閉店後に伺い、店長さんとこんな打合せをします。

私（猫氏）「スタート、確変時短中の増減、小穴の入賞率、アタッカーへの寄りはどうしますか？」

A店の店長「１分のスタートS%6.2回/確変時短中はBA95/他はノーマルで・・・」

B店の店長「出ると怒られるから、とにかく出ないように・・・」

こんな感じです。まぁゲージ表もあり、釘の配列を見て、ワープステージの甘辛、取り付け傾斜さえ分かれば、その日が初めての新機種でも何ら問題はなく、１台１０分程度の仕事です。

▼目安になるゲージ表

そんなある日、３店舗経営の旗艦店にて、２機種１６台の調整を任され、指示通りの結果を出しました。

このお店の専務さんより販社へ、次回から中古も含め、調整は「この前の”猫氏”を!!」と指名を受けたのです。

そして３回目の来訪時に、専務さんから「中古を猫氏から買う!!販社は猫氏の好きな会社で良いよ!!」と言われました。しかし抜け駆けはせず、このきっかけをくれた販社から調達する事にしたのです。

専務「『CRそば屋の源さん』を各店舗４台ずつ、新台と混ぜて開店する!各店には私が伝達するから。」

私（猫氏)「専務さん、ありがとうございます!(*’▽’)」

早速「CRそば屋の源さん」各店４台、計１２台の発注をと口頭で連絡しました。

それから２週間くらい経った頃、販社社長より着信が・・・

販社「オイ!大変だ!先方が「CRそば屋の源さん」を発注したのに『CR寿司屋の源さん』が届いたと言っている!!猫くんは僕に「CR寿司屋の源さん」って言ったよね?」※小台数は事前に宅配便で納品する事が多々あります。

猫氏「いやいや、私はそば屋と言いました!!蕎麦です!!そば屋」

販社「何れにせよ、社長が先方がキャンセルする!もう開店３日前で折込み、駅貼り、販促にも『そば屋』と記している。賠償責任を取ってもらうからとご立腹だ」

とのこと。取り急ぎ、先方へ謝罪に行くという事でしたので、もちろん同行しました。

販社・猫氏「この度は本当に・・・」謝罪

先方社長派「もう無理、機械は要らない、変更承認申請も取り下げた(入替の申請)折込み、駅貼りなどは間に合わない、3店舗分の損害賠償請求をするから」

販社社長と私は土下座しました。正直、内心は（蕎麦でも寿司でも大差ねぇじゃん!!）でした。

結局、全てキャンセルとなり、全店が本件の分は入替申請を取り下げ、入替の当日に業者の手違いで遊技機が届かずと・・・謝罪ポスター告知。お詫びとして”特設コーナーをご用意”とし、特定機種を甘く調整して提供して対応したとの事でした。

弁護士事務所より販社に損害賠償請求（300万）が届き、150万で和解しました。※私個人の負担は無し

本件をきっかけにして、この販社とは友好な関係となり、現在でもお付き合いをさせていただいております。

後に分かった事ですが、この会社は社長派VS専務派の派閥があったのです。”専務は婿養子”なのにやり手!!だったため、会長に可愛がられているとの事でした。

社長からしたら”専務は目の上のたん瘤「そば」「寿司」などは二の次、どうでもよく専務の立場をなくしてやろう!!と社長派に今回の件が利用されたというのが実情です。

ちなみに現在この会社はもうありません。

▼「CRそば屋の源さん」のイメージ

▼「CR寿司屋の源さん」のイメージ

▼新台入替の申請を取り下げる「取下げ書」の見本。これは所轄が嫌がる為、ご法度です。

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