6月に世間を震撼させた、吉本芸人を中心とする闇営業問題。
最初は反社が事件だったのが、だんだん芸人と興行会社の問題へと発展していったのは、自分なんかは予想もしなかった。
まあ、その辺はどこかパチンコメディアに生きる我々と重なる気がしないでもないので、今回は自分なりの雑感を書いてみたい。

☆報道されている話
1)論点はいくつかあるのだけれど、一番大きいのは反社会的勢力の仕事を請けたことだろう。
これはビートたけしが語っているように、昔は普通のことだったらしいが、さすがに今はアウト。
パワハラ云々でそれが無かったことにするのも、ちょっと変な話かもしれない。
テレビの中の話は自分にはよくわかりませんが。

2)同時にニュースになった会社を通さない営業(直営業と言うのかな)の方は、会社とタレントの問題なので、ある意味で事件というほどの問題ではないと思う。

3)最後は会社と多くのタレントが契約書を交わしていない事実。
これはまあ、会社の収益を上げる上で違う形にはできないと思う。
「卒業したら、吉本所属になれる」そう謳って養成スクールビジネスをやっている関係で、卒業生は毎年どんどん増えていく。
全員と契約書を交わして最低額の保証をしていたのでは、会社は潰れるだろう。
だからかな、会社は直の営業を暗に認めているという報道もあったり(真偽は定かではないけれど)。
そりゃあそうだ。でなければ、飼い殺しになってしまう。

☆パチンコライターとの相似点と相違点
今度はパチンコライターとの比較だ。
1はまあ、現在は無いでしょうね。そこまでの知名度でもないし。
あるとしたら、ガセ攻略法販売会社の広告等になった(された?)有名人の例かな。もう昔の話ですがね。
おっと、自分が一時関わっていたアレ(わからない人、すみません。いずれ真相を書ける範囲で記します)もそうだ。
表に出ない実質的オーナーが指定組織のメンバーではないものの、関係がある人物ということで、完全に不徳の致すところ。
ただ、言い訳させてもらうと、問いただしても本人が「私は〇〇です」なんて絶対に言いませんからね(現実の話)。
自分が抜けた時もまだその事実はわからず、辞めた理由は(本物かガセか不明な時点でも)「そっち方面では、ヒラ打ちの自分は力になれることがないので」だったから。

2はけっこう似ていると思う。TVや来店営業は(多分みんな一言出版社に断っているでしょうが)会社とは無関係。
出版社の方も誌面&映像だけでは名前をクレジットされている全員が生活できるギャラを払えないのは承知だから、「スジを通して報告してもらえばOK」にしているのだと思う。
まあ、イチから育てた(文章や知名度等の諸々)がギャラのいい方へ流れて「さよなら」というのは気持ちも良くないのでしょう。両方を続けているライターさんが多いのは、義理もあってそのためかと(来店をやらぬ自分の推測)。

ちなみに、過去には(大量離脱後など)専属料的に原稿料の上乗せがあった時期があるとは聞きます。
えっ、自分っすか? 「安田さんは田山さんと同じ扱いだから無いですよ」と言われて舞い上がっていたけど、よく考えたらその恩恵は受けてないですね(笑)。
でも、ライバル社の出版物に「名前を出さなければ書いていいよ」と言われたり、話し合いをして、恩ある石橋達也さんが作っていた「パチンコ王」という競合誌では自由に書かせてもらったりもした。
自分はそういうので、全て納得しています。

3はガイドワークスでは無い(契約書は交わしていない)人が大半だと思う。こういう書き方をするのは、タレント事務所に所属している方もいるから。そっち方面は正直わからないです。
当然、始めたばかりの頃は食えないんじゃないかな。自分も月収8千円とかからスタートしたし。
ただ、自分達の頃は時代が違い、プロ枠でなくとも「ホールで日銭を拾えば生きていける」だった。
今のタレント的な枠の人はそれがない分、2の「話を通せば外の仕事もできる」メリットを活かすべく、色々やっているんだと思います。

だから、契約書が無い(ほとんどが契約を交わしていない)吉本のことも、世間の皆さんほど奇異に感じていないのが本音です。
自分の場合は、CDブックや原作をやった漫画の単行本では、さすがに契約書に判を押しましたし。

ちなみに、他の出版社には契約書があるところも存在します。細かい点まで本当に詰めた物らしいです。
どこまでマネージメント業務をしてくれるのか、会社の取り分はどのくらいかまでは知りませんが…。

☆まっ、自分の考えは「嫌なら辞めるか条件闘争をすればいい」です。フリーランスという存在は誰も守ってくれないのが普通なので。世間とズレているかも?
当然、自分もいつかは「お疲れさん」と誌面から消える日が来るんでしょうが、「それもまた仕方ないことかも」と思ってますよ。
「安田さんのような古株が矢面に立って団交を」なんて言われたこともありますが、ライターはそれぞれが違いますからね。自分には無理です。
会社に嫌われるのは承知で、「金額で断ったりしないんだから、仕事を発注する時にギャラも教えてください」と言い続けた程度です。これは着々と実を結んでいるところです。