6月となりました。先月も書きましたが、保通協が月初に発表してくれる型式資料の資料が大の好物なのです。パチスロは結果書交付79件に対し、適合は19件。適合率24%は今年最高ですが、妥当なラインとされる40%には遠く及ばない状況です。って、こんな話は業界サイトでも書かれるのでどーでも良いです(笑)。

楽しみにしているのは、不適合となった理由を(一部でしょうが)公開してくれるところ。それを見て、いろいろと妄想したいのです。ということで、令和初となる不適合の理由を早速チェック。

1)副基板の両面に電子部品が装着されていた。

2)周辺基板のロムが、こん跡を残さずに取り外せる構造となっていた。

3)主基板ケースが、こん跡を残さずに開封することが可能な構造であった。

4)主基板のロム領域に「0」以外の未使用のデータが存在していた。

ちなみに、主基板はメイン基板。副基板はサブ基板。周辺基板は……たくさんあるな。音声やらホッパーやらセレクタやら。書いておいて申し訳ないですが、4件はまったく面白くない理由でした。そりゃ、落ちるでしょ。定められたことをやっていないんだから。このように、基板関連は不正改造防止の観点から厳しくチェックされています。以上、はい次。

5)再遊技に係る図柄の組合せの数がすべての図柄の組合せの数の145分の1を超えなかった。

きたきた。久しぶりに面白い系。リプレイ絵柄の配置にも規定はありますが、こんなミスは滅多に見ません。というのも、普通に作っていればクリアできてしまう規定だからです。

AT機で一般的な20コマリールの機種だったとしましょう。そして、わかりやすいようにリプレイ絵柄は1種類のみとさせてください。

すべての図柄の組合せ=出目の総数は、20の3乗で8000通り。リプレイは取りこぼし厳禁なので、普通の有効ラインであれば、各リールとも4コマおきに4つは配置されます。組合せの総数は、4の3乗で64通りとなります。「8000÷64=125」。1/145を上回ることになるので、規定はクリアできるのです。ボーナスと同時当選しようが真っ先に優先して揃うのがリプレイです。これよりもリプレイの配置を減らしたとすると取りこぼしてしまうんですね。というか、今時の開発者がリプレイを取りこぼす配列を組むとは思えません。

ということで、この機種は何かが違うのです。おそらくサミーの『ダーツライブ』のような変則ラインの機種を作ろうとして失敗したような気がします。有効ラインが枠2つ上と枠下のみを使う形ならば、リプレイは最大2つずつでまかなうことができます。「やった作れた!」と喜び勇んで、配置数の規定をうっかりしたと妄想してみます。

 

いずれにせよ、何か新しい趣向の機種を作ろうとしているのは確か。出てきたら打ってみたいじゃないの。面白いかは別として。この機種の最初のファンに立候補しておきます(笑)。しかし、残念ながら。機種名はおろか、どのメーカーが開発して持ち込んだのかも分からないんですけどね。ま、有効ラインが単純なものではないでしょう。1ラインのAT機だらけの世の中。出てきたらバレバレになるから大丈夫、見つけられると思います。

これもケアレスミスなんですけどね。新しいゲーム性を生み出そうとした前のめりなものなので許せます。その前の基板関係の4件は猛省していただきたいですけど。無駄な試験費用がかかって筐体価格を下げられない。これは誰も得をしませんから。

AT機以外も楽しませてくれると嬉しいな〜。よし、今回は前向きに書けた(笑)。