皆様、はじめまして。
北海道在住でフリーのパチスロライターもやらせてもらっているガリぞうと申します。
1996年の24歳で自営業に失敗し、パチスロ生活を始めて今に至ります。
1999年からは各所で記名記事も書かせて頂くようになるも、相変わらず一年の大半は稼働に費やす毎日です。

私も古きパチンコ必勝ガイド世代ですから、ポロリさんからのご紹介で安田さんと逢わせて頂いた時は終始緊張で手が震えていたのを今でも覚えています。
そんな安田さんが営まれているサイトにゲスト枠で参加させて頂き、誠に光栄に思います。

今回は「背筋が凍りついた話」というお題を頂きました。
せっかくの自由度が高い場所「悠遊道」で書かせて頂けるのですから、普段の私が書いているような記事とは全く別物のお話にお付き合い頂けたら幸いです。

まず最初に。
一つの例外を除き、私は霊の類を全く信じていないとお伝えしておきます。
その昔、「かまいたちの夜」という、私もハマりまくった大好きなサウンドノベルのゲームがありました。
このゲーム、分岐の進め方により霊の話になる事があります。
基本ベースの殺人事件の話に恐怖しながら読み進めていた私は、霊の話になった途端、とてもガッカリしてしまった記憶があります。
私を知っている方ならば、例えば自作のブドウシミュだったりRTリプ判だったりと、パチスロ生活の中でも理論で攻めるタイプですから、オカルトや超常現象など信じられるハズもありません。
そんな信条を踏まえた上で、私の実体験を聞いてください。

私が中学生だった頃。
当時はバスケ部に所属し、練習も真面目にやっていたので、家に帰る頃には毎日汗だくのヘトヘトになっていました。
夜は疲弊しきった状態で布団に入るので、身体が先に寝てしまって脳だけは起きている、いわゆる「金縛り」というヤツに毎日あっていました。
部活のあった夜はほぼ毎日金縛りになっていたので、特に怖さもなく、ただただ身体の自由を待つだけでした。
身体は動かずとも眼だけは動くので、時計の針を見ると金縛りが解けるまでに大体90秒くらいかかるようです。

そんな、とある部活後の夜。
深夜1時前に布団へ入ると、いつものように金縛りが発生。
「またかよー。早く解けてよ、もう寝たいんだよ。」
そんな事を考えていたら、今日の金縛りはやけに長く感じます。
そろそろ90秒だろうからと時計の針を確認すべく眼を動かすと、私の足元で何かが動いている気配を感じます。
足元に目線を移すと、そこには見知らぬ赤ちゃんが私の膝上に乗っています。
慌てて起き上がろうとしましたが、身体は金縛りのまま指一本たりとも動きません。
そんな中、足元に乗っている赤ちゃんはハイハイしながら私の身体を昇ってきます。
なんなんだコレは。
どうすりゃ良いんだ。
そんな私の焦りなどお構いなしに、赤ちゃんは私の腹部辺りにまで昇ってきてきます。
これが霊なのか。
今まで全く信じていなかった霊なのか。
ついに赤ちゃんは私の首にまで到達。
もうダメだ、殺される。
何故に私は見ず知らずの赤ちゃんに呪い殺されなけりゃならんのだ。
……見ず知らず?
この赤ちゃん、誰?

そう思った瞬間、ふと赤ちゃんは消え、身体も動くようになりました。
バスケの練習以上に汗だくの私。
辺りは耳に痛いほどの静寂。
時計を見ると、約5分程度の出来事だったようです。

一体、あの赤ちゃんは何だったのか。
理由もわからないまま翌朝を向かえ、ありのままを母に伝えてみました。

母「あぁ、それは兄弟かもしれないね。」

私は三つ下と九つ下の妹がいますが、私と三つ下の妹の間に本来は流産してしまった弟(or妹)がいた事を、この日に初めて知らされました。
そして、昨日はまだ見ぬ弟(妹)の出産予定日だったそうです。
本当は自分という存在があったんだと、兄に伝えたかったんでしょうか。
昨夜の挨拶があった事で、願いは叶ったんでしょうか。
そう考えている内に、私の中から昨夜の恐怖が少しずつ消えていきました。

まだ見ぬ弟(妹)へ。
貴方の分まで生きていきますなんて簡単な台詞じゃ言えない事かもしれませんが、それでも二人分と呼べる位の色濃い人生を送っているつもりです。
こんなアウトローな生き方に怒っているかもしれませんが、せめて人としては恥ずかしくない兄でありたいと思います。

今でも思い出すと少しだけ寒気がしますが、これは全て実話です。
背筋は凍って頂けたでしょうか。
以上、この件に関して以外は霊を全く信じていない私でした。


【SPコラム~2019夏~】特設ページはこちら