『HEY!鏡』導入から20日余り。稼働状況は変わらず良好で、業界の片隅からホッと胸をなでおろしております。

6号機なので出玉率の上限は115%未満に。5.9号機もそうですが、有利区間の上限は1500G。そこに純増2400枚のリミットも加わりました。また、1Gあたりの純増は約5枚ですが、AT自体はナビ回数管理で、その速さを体感できるのは擬似ボーナスだけなんですよね。実際、繋ぎのCZを含めると純増は3枚弱かと思います。5号機のATとさして変わらないんですね。

この部分だけを切り取るとディスっているように思われそう。そんなことはないですよ。そうでなければ、新連載の最初から紹介しませんから。個人的には、これでダメなら6号機の未来は相当暗いと思っていたので、コケなくて嬉しいです、はい。

パチスロの機種なんて、叩こうと思えば何でも叩けるものです。「50枚あたりの回転数(ベース)・初当たりまでの距離・初当たりからの平均出玉」これらは“三すくみ”の関係。強くできるのは1つのみ。中途半端なら2つ辛うじて。ウィークポイントは必ず出てしまうものですから。

それをどう心の中で処理できるか。いわゆる5号機の旧基準機は、一撃出玉に振ることによって、批判の声を封じようとしていました。ええ「出ると凄いけど、通常時はクソ」というユーザーの寸評は見飽きました(笑)。

そのウィークポイントを理解して打てるか。立ち回りなどに活かせるか。それが出来るようになれば、機種の見方も大きく変わることでしょう。

○6号機ATの天井はこう作られている!

『HEY!鏡』が教えてくれたのは、6号機のATは天井救済も搭載できるということです。もちろん、搭載しないことも可能。有無だけでなく内容も機種ごとに異なります。

6号機では、ナビを出しても良い“有利区間”とナビを出してはいけない“通常区間”という概念があります。有利区間は、AT発動中もそうでない時も含めて最長1500G滞在できます。1500Gで終了しなければならないという言い方もできます(笑)。

天井を作る場合、まずAT終了直後に“有利区間”へと突入させます。カウントダウンの開始です。規定ゲーム数を消化したところで天井救済が発動。『HEY!鏡』の場合は950G+αですね。

この場合、初当たりの時点で1500Gのうち1000G近くを消化していることになります。残りは500G。フルにATとなってくれれば、1Gあたり5枚純増なので、2400枚のリミットに到達しますが、現実はCZを挟むので最大1500枚ほどになるでしょうか。普通の初当たりよりは期待枚数が少ないのです。

この覚悟を持って打てるかで、随分と変わるでしょ?

「天井で当たって1300枚で強制終了させられた」不満なのはわかります。ただ「だからクソ」と言われましても……そう思ってしまいます。だって、ルールなんですもの。麻雀で役満をテンパイしていたのに、4枚切れていて5枚目の当たり牌がなくてキレられるような気分になってしまいます(笑)。

○まだ見ぬ機種の予習

と、『HEY!鏡』の話だけで終わらせては勿体ないですね。天井救済までのゲーム数や、期待枚数は機種によって、システムは同じでも違う見せ方となることが多いかと思います。

『HEY!鏡』と同様に天井までの距離が遠い機種は、残りの有利区間が短いので天井から2400枚を見込むのは難しいです。

逆に、天井救済までのゲーム数が短ければ、2400枚まで取りきれる可能性も出てきます。

ただし、何をせずとも初当たり確率が上がることになるので、普段のレア小役などからの初当たり確率が下がるか、当たり1回につきの平均出玉が削られることになるでしょう。結果的に2400枚は難しいのかな。それで2400枚がポンポン出るのであれば、天井からしか当たらなくなるかと(笑)。

最初に書いた“三すくみ”とはこういうこと。AT機である以上、残念ながらベースを低くすることは難しいんです。5.5号機から始まったペナルティ規制は6号機でも残っています。前回解説した2枚掛けと3枚掛けうんたら……も、ベースを下げるための努力なんですね。

天井性能だけで機種の評価を変える人はまずいないと思いますが。こういうことを知っていれば、初打ちをする前に「どの程度、好みの機種になりそうか」という指針にはできるかと思います。自分に合わないことを確認するためだけに打つのは、お金も時間も勿体ない。どうせなら好きな機種に捧げましょう。

ま、基本的に6号機の天井は、5号機よりかは狙いにくい場合が多い。そう考えていただいて問題ないです。全国的に非等価になってきていますし。

『HEY!鏡』を打つ方も、そうでない方も。『HEY!鏡』だけの特徴とだけ片付けていては記憶チップがどれだけあっても足りません。こうした知識は他の機種にも応用できないか考えてみる。これが、まだ見ぬ機種の予習に繋がります。