悠遊道でも“応援してくれたら嬉しい”というテイストで書いたので、触れないわけにはいかないでしょう。参議院選挙で、おだち氏は落選。パチンコ業界初となる族議員が誕生するか一部では注目されましたが、残念な結果となってしまいました。危機に際して、カードはいくつ持っていても損はありません。有効的にどのカードを切るか。国会議員を通しての陳情という選択肢を増やすことを自ら拒否したに等しい結果です。

10万票に届かなかった得票数はショックですね。パチンコ・パチスロ業界の従事者は26万人。時間が足りなかった(自民党の二階幹事長から推薦されたのは今年に入ってから)のもありますが、まったく一枚岩でないことが露呈されただけ。ユーザー票の上積みがなかったではなく、そもそも業界票すらまとめきれませんでした。

厳しいことを書きますと。規制もなんとかなるだろう。救世主のようなヒット機種が出てくれるだろう。全国的に稼働の良い機種だから、それに乗っかれば大丈夫だろう。楽観的すぎるんですわな。この業界は。何事にしても、自分に関わることという意識はかなり低いです。

 

敗因や業界全体が一丸となるための議論は偉い方に任せるとしまして。さまざまなライターが選挙のことを書いたり呟いたりしました。来店取材や提灯記事のようにギャラもらっているんだろうって、あれば公職選挙法違反です(笑)。ファンと同じような目線で、パチンコ・パチスロが好きだから活動しているライターが、パチンコ・パチスロ業界に危機を感じて行動したのです。勝ち馬に乗るだけのほうが、触れないほうがどれだけリスクがなかったことか。この重みを各業界団体は理解すべきです。

そして、ライターというかメディアのチカラのなさも自戒しなくてはなりません。もちろん、私も他人事ではございませんことよ。地味過ぎw

パチンコ・パチスロを一生の趣味として楽しんでもらえるユーザーを増やせていれば、投票行動に繋がったかもしれません。“明日、勝つための情報”や、“遊技そのものよりもタレント性”に傾斜し過ぎた感があります。多くのユーザーが望むものでなければ、メディア商売としてやっていけないのは確かです。時代の変化に敏感だったといえば聞こえは良いですが、あまりにも長期的視点を無視したその場凌ぎではなかったでしょうか。

 

これはホールも同じこと。粗利の高い機種を並べて稼働も高ければ利益は最大化されますが、それ一辺倒で良かったのでしょうか? 4号機時代に人気だったストック機に頼りすぎて、それが封じられた5号機初期にパチスロは冬の時代を迎えました。今、4号機末期と同じことを押し順AT機でやってしまっています。規制など、いつ変わるかわかりません。AT機は多くの内規(自主規制)によってなんとか作れています。遊技機規則改正と違って、簡単に変更されかねないのです。薄氷の上なんですよ。

このガバガバの内規が許されたのだって、二階幹事長の口添えと噂されています。今回の結果は、恩を仇で返したと思われかねません。正確なことは知らないですよ。噂ね、噂。

それでも残るのは、一生の趣味として楽しんでくれる客層です。そんな長く楽しみたいユーザーが好む機種は、粗利が低いので軽視されがちです。需要がないではなく、味方となってくれそうな層(短期的利益に貢献しない層)を切り捨ててきたと私は感じています。

 

選挙戦が始まる前、6月20日に開かれた全日遊連(ホールの統括団体)の総会で、阿部理事長がこんなことを仰ってました。「以前は、ちょっとした待ち時間などで気軽に楽しめていたパチンコが、今では長時間の遊技が前提となり、資金もある程度用意した上で足を運ばなくては遊べない」「もう一度、遊技人口の拡大を目指すには、まずは私たちホール営業者が率先して、お客様あっての大衆娯楽であるという認識のもと、原点に立ち返ることが必要」と。

国会議員を通しての陳情というカードを放棄したのですから、自力で再生するよりほかないでしょう。これから大量の入れ替え問題に直面しますが、ピンチでもありチャンスでもあるかもしれません。原点に立ち返るには、いささか遅すぎた気もしますけどね。

……と、選挙結果に便乗して、普段から思っていることを書いたらこんな文字量に。よしぞーさん、質問ありがとうございます。来週書きますね!