日頃、業界ニュースを担当している担当Aです (更新が停滞気味でお詫び申し上げます)。この度、好きなメーカー、好きな機種等で好きなことを語ってくださいということで、幾らか愚にもつかないことを語らせていただきます。

 僕が初めて打った機種はこのメーカー(京楽)のスーパーワンダーという羽根モノで、結構派手めなセル盤デザインが目を引き、興味本位でちょっと打ってみたらVゾーンに入賞、その後一進一退を繰り返し、小1時間ほどで小箱1箱分出てやめ、そんな感じでした。その後も暇さえあればスーパーワンダーばかり打っていたのですが、ある程度経験を積むと気づいたことがありました。とにかく台によってV入賞率が違う、つまり俗に言う台のクセですね、それが相当大きかった機種でした。当時、東京、神奈川では羽根モノの元祖と呼ばれる平和のゼロタイガーやSANKYO (三共) のギャラクシーダイバー、奥村のスクランブル、三洋グラマンといった機種が覇を競っていたのですが、中でもこのスーパーワンダーの設置は多かった。だから、必然的に触れる機会が多かったというのもありますが、とにかく台のクセといったものには悩まされましたね。

 どうしてそんな実状が生じるのか、同じ工業製品でそれほどの差が生じるのは不自然だと疑問に思い、実機を買って研究したこともありました (笑)。羽根が開ききった時、水平に近い台とそうでない台があり、前者は玉の拾いも良好で、結果的に複数個の玉が役モノ内に入賞し、V入賞率も上がると、そんな傾向が見られました。また、羽根の戻る時の力が強い台と弱い台があり、後者の台は羽根に玉が複数個乗ったりすると、その重みによって羽根の戻りが更に遅くなり、結果的に奥に吸い込まれる玉が減り、下段にあるVゾーンの入賞率が上がると、そんなことも分かりました。ま、そんなこんなでパチンコの奥深さを教えてくれたのが、このメーカーのスーパーワンダーという機種でした。

 他にも旧要件機から新要件機に移り変わる頃、そして新要件機が主流になる頃も分かりやすく良心的なスペックの機種を次々に排出していたメーカーでした。当時のノーマル機の代表とも言われるダービー、ダービー3や居酒屋、初のスーパーリーチ搭載機種でもあるニュートランプカード2、7で当たれば以降5回ワンセットの確率変動 (初回を含めて6回) が約束されるフルーツパラダイス2など、決して複雑ではなく、誰でも安心して打てる機種が大勢を占めていました。

 ここ数年の京楽と言うと、韓流ドラマや有名アイドルとのタイアップ機種が挙げられますが、スペック的にはやはり初心者にもやさしい機種、分かりやすい機種を念頭に開発が進められてきた感があります。昔からの伝統は今でも受け継がれていると思います。ただ、楽しんでもらおうという意識があまりに強すぎるのか、やりすぎの感も最近は目立ちます。仏壇枠と揶揄される台枠は時折玉の飛びがストップすることがあり、これは未だ改善されていない。また、上皿の玉抜きボタンを入にしていると、時短中等に上皿の玉がなくなっていることが多い。つまり、上皿に十分な玉の量が確保されない位置で玉が下に落ちる仕組みになっている。

 操作性に難アリとなると、幾ら楽しい台、スペック的にも甘い台を出してきたところで、よほど回る台でもない限り、打つ気がなくなるのは事実でしょう。また、音量調整できるのはいいが、放置しておくと最大に戻るのが❌。最大でも常識的な音量ならいいが、あれは難聴になるレベル。

 楽しい台を作らせれば天下一品のメーカーです。前述した通り、特に初心者に対し、性能的にもやさしい台を作ることができるメーカーです。だからこそ、最近の京楽は残念なんですね。また、機種そのものの性能云々よりも版権や見た目にお金をかけていたら、必然的に台の値段も上がります。買うのはホールです。そのお金は結果的に我々打ち手が負担することになります。こういうところもきちんと考えるべきだと思います。

 今、パチンコ店がどんどん減っています。営業を続けるには運転資金が足りないのです。理由は幾つかあるでしょうが、新台価格の高騰も挙げられるでしょう。お客さんに来てもらうためには定期的に台を入れ替えなければならない。でも、その値段が1台40万も50万もするとなったら、とても頻繁に台の入れ替えはできません。また、中古になって値段が高騰している機械もある。100万円を超すような人気中古機を導入して営業するとなったら、では元を取るのにいかような営業をするのか、客に勝たせる気はあるのかと勘繰りたくもなります。

 大手メーカーの一角として、こういった現状が改善されるよう、指導力を発揮してほしいとは無理な注文かもしれませんが、他メーカーにはない発想力と行動力で業界のイメージアップに多大な貢献をしてきたメーカーでもあります。今後出る新台も含め、色々な意味で京楽には期待しておきます。