40年を数えるパチンコ歴の自分だから、普通のファンの皆さんからすると「えっ、マジ?」と思うような経験もそれなりにしてきた。
一つを深く掘り下げるほどではないので、今回はオムニバス的にそんなエピソードを列記してみたい。

☆板ゲージが落ちていた
これはあるホールの朝一で遭遇した話です。
入店後に例によって店内を一巡して釘を見ていた自分。某アナログ系権利モノのコーナーに立ち寄った途端、キラリと光る金属に違和感が…。
何枚かの金属板が幅違いで重なったそれは、通称「板ゲージ」と呼ばれる釘間の広さを計る釘師ご用達のツールだったのでした。

その日はで釘がアケられやすい月曜日(当時はそういう営業が多かった)。
「これはチャンスだよなあ」そう思ったものの、なんだかズルみたいな気がしてねえ。そのブツを主任さんにソッと渡し、自分は別の機種を打ったのでした。あっ、そのコーナーは当日特に凄い出玉ではなかったです。

☆当たる度に出玉が1.5倍?
これは回顧録で書いたと思うけれど、印象深いのでもう一度。CRモンスターハウスという機種で賞球関係の故障台を打った話です。

この時は打ち始めてすぐ「あれっ、なんか払い出しが多いぞ」と気づいた。ヘソに続けて入った時ほどジャランと玉が出てくる。
自分は小心者ですからね、当然店側に申告しましたよ。返ってきた答えは「今日は直せないからそのまま打ってOK」う~ん、太っ腹。
そして、当たってびっくり。大当り中はアタッカーへ玉がどんどん入るので、払い出し個数が凄いことに! 普通は当り1回2千個ほどの出玉が3千個とか出ていたのでは。
ちなみに、電サポ中も電チューへポンポンと入る関係で、玉は増えてました。通常時もそうだけど、「これなら止め打ちしない方が得だわ」と打ちっ放しにしたっけ。

今なら打ち始めた時点でホールコンピュータに異常が出て、即座に遊技停止でしょうね。

☆営業中に突如ルールが変更に
これは新規オープンした小規模店での出来事。この店はできた時から苦戦していて、「なんとかしないと!」だったんでしょうね。
1回交換でやっていた3回権利モノのギャラクシーをある日「朝の1時間以内に大当りしたら無制限札をつけます」というサービスを始めたんです。

当時は40玉交換も多く、この店もそう。今のファンには伝わりにくいでしょうが、低換金での無制限サービスは効果絶大でしてね。「1回交換で収支チャラの台が、持ち玉になった途端に時給4~5千円になる」と言えばわかるかな。

自分も当然喜び勇んで打ちに行きますわな。ライバルは皆無だし、その頃住んでいたマンションから一番近かったし。
ところがぎっちょん(死語)初日に5万ほど勝ってウキウキして向かうと、打ち始めた瞬間に店長が現れて、貼り紙を始めました。「11時までの大当りは次回の当りまで交換不要」とね。

その時は「ええっ?」だったし、「そんなに俺が怖いのかよ!」と憤ったものだけど、よくよく考えれば、「そりゃあそうだよ」てなもん。安プロにお金を渡す為に営業してるんじゃないしね。

☆その他
他にも甘デジ的に分類して良いだろう雀士ウーロン牌という機種で、ヘソに玉が乗って微動だにしないとか、新規オープンでは営業中に店内の玉が足りなくなって交換の要請が来たとか(今のように頑張るのが一部機種とかじゃなかったんだよな)、今では「夢だったのか?」と、良くも悪しくも変わった経験をいくつもした。

もちろん、今それを望む気はない。それはあくまで、パチンコが成熟して行く過程の過渡期の話だから。
自分が願うのは、パチンコがデジタルが揃うのをただ待つギャンブルでなく、「努力した者が勝利へ近づける」真っ当な遊技であることだけっす。