射幸性の高い機械をまだ置いているなんてけしからんということで、日遊協の会長がご立腹というわけだが、そもそもエラく射幸性が上がってしまった4号機を反省し、誰でも安心して遊べるようにというのが5号機の出発点だったはずである。それでも5年10年と経てば喉元過ぎれば何とやらで、まあ不評の6号機もいずれは規制緩和を繰り返し、同じ轍を踏むのだろう。

日遊協は9月11日、都内新宿区のハイアットリージェンシー東京で臨時総会を開催。定款の一部変更に関する件を承認したほか、報告事項として「パチンコ・パチスロ産業21世紀会決議の順守徹底のお願い」について、西村拓郎会長が話した。

定款の一部変更の件では、定款第14条に、(会員の資格停止)を新たに追加。また、運用に当たっての関係規定として「会員の資格審査に関する規定」が同日の理事会で承認を受けた。

「パチンコ・パチスロ21世紀会決議 遵守徹底のお願い」については、西村会長が以下の内容を述べ、未だ設置期限の切れた高射幸性パチスロ機の設置を続ける事例に苦言を呈すとともに、21世紀会決議の趣旨や背景を改めて説明し、業界の未来を守るためにも、関係者に対して、21世紀会決議の遵守徹底など、正しい判断を求めた。

パチンコ・パチスロ21世紀会決議 遵守徹底のお願い

ここで少しお時間をいただき、「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」の決議につきまして遵守徹底のお願いをさせていただきたいと思います。

先日、会員の皆様に、高射幸性遊技機の撤去状況についてのアンケート調査を行わせていただきましたところ、ほぼ全ての店舗から撤去済みである、というご回答をいただきました。会員の皆様が、今回の21世紀会決議の趣旨をご理解されていることに対して、とても心強く感じております。

業界の一部では、業界挙げて取り決めた高射幸性遊技機撤去の決議にもかかわらず、法的に罰せられないのを良いことに、未だにそうした遊技機を設置し続けているホールが存在しています。これは、非常に残念で仕方ありません。今後、遊技産業健全化推進機構が、ホール店舗の立入検査の際に、確認作業を行っていくということを聞いております。「ミリオンゴッド~神々の凱旋」などの高射幸性遊技機を含む機種の撤去期限も次々と迫っておりますが、これについても、撤去しないホールがないよう、声を掛け合う事が大切だと思っております。~以下略。web-greenbelt より抜粋

 この業界の社会的地位がなかなか向上しないのは、自分たちで決めたことを簡単に反故にする、ないし守れないという点にもある。前述したが、4号機は射幸性が高くなりすぎたきらいがあったため、5号機ではその方向性を是正し、適度な射幸性と遊技性を兼ね備えた機械にしようと、業界全体として納得したはずである。

 しかしながら5号機の歴史を顧みると、結局は一部の機械を除き (ジャグラーシリーズなど)、いかに射幸性を上げて客着きを良くするか、ホールの売上を伸ばすかに重点を置いて開発を進めてきたとしか言いようがなく、これでは依存症問題も解決の兆しが見えず、社会全般から叩かれて当然でもある。だからこそ、高射幸性遊技機の撤去という問題が生じたのだ。

 ホール側からすれば、元々公認された機械を購入しただけで、所有権は自分たちにある、外すも外さないも自由と言いたいところなのだろう。特に罰則なしとなると、正直に外したホールが馬鹿をみることになる。

 業界の未来を閉ざしかねない迷惑行為とまで言うならば、どうしてそのような機械が市場に氾濫したのか、認可した側に責任はないのか、こういったところもきちんと総括すべきである。納得いく説明がなされれば個々のホールも前向きに応じるだろうが、上から目線でとにかく外せというのでは、後々遺恨が残りかねない。