ここでのコラムを書きに図書館へ行くと、上記のような看板が

除籍本?寄贈本??なんすかそりゃ

「趣味は読書です。文学青年ならぬ、文学おじさんですね」

なんて面白くもない小ネタを異性の前でよく披露していますが、そこは、なんちゃってな僕のこと

除籍本?そんな単語は聞いたこともありません。館内の司書さんに聞いてみるとなんでも、タダでくれるとのこと

無料は素晴らしいと、さっそく専用のスペースへ辿り着くと、壁には『お一人様10冊まで、雑誌、全集はその限りではない』との但し書き

左様でございますか、と礼儀正しそうな老夫婦や子供連れの家族の平和な風景のなかにお邪魔する

文庫を10冊選び終えたところで、読んだことのない作家さんの全集を入門書として一、二冊頂こうかと、いかにも物静かそうな係の方に「全集は別にいただいてもいいんでしょうか?」と尋ねると、そのきれいな銀髪の司書さんは

「ん?ああ、全集は人気ないからね、大して残ってないけど、なんなら全部持ってっちゃいなさいよアンタ!」

と僕の肩を嬉しそうにバンバン叩きだす

物静かそうな見た目とちがい、大変気さくなお人柄のようです

しかし、さすがにこの量はと「いや、お気持はありがたいんですが、僕、そんなに読めないのでほんの一、二冊いただければ…」

と、辞退しようと試みるも、気づいたときには、先ほど選んだ文庫本を僕からむしり取り、全集の入ったダンボールに放り込んで「はい、どうぞ」と満面の笑顔

感謝の気持と言葉を置いて帰ってはきたが、そうでなくても文庫の10冊だって、見栄を張った感がなくもない

司書さんの善意あふれる表情を思い返しても、本当の本好きの方ならサラッと読んでしまうんだろな

司書さんありがとうございました。死ぬまでには読み終わると思います…たぶん