平和の数珠つなぎ連チャン機、ブラボーキングダム攻略の喧騒も終焉を迎えていた1993年、西陣からユニークな性能を持った和風デジパチが登場しました。

漢字の3つ揃いで大当たり、お祭り的なBGMが特徴の「春夏秋冬」です。以下のような性能を持つことが紹介されました。

3つのモード(天国1/10、通常1/210、地獄1/420)からなり、朝一通常モードから始まり、最初のリーチ後にモードが振り分けられる。

振り分け率は、天国20%、通常40%、地獄40%。外面上からどのモードに入ったのかは分からない。また、大当たりする毎にモード移行が発生。その移行率は・・

天国から 天国40%、通常40%、地獄20%

通常から 天国ほぼ0%、通常40%、地獄60%

地獄から 天国40%、通常40%、地獄20%

さらに、地獄モード時、ハズれリーチ40回で天国モードに入る、という天井機能がありました。

このユニークな性能から、まず朝一リーチ2回目まで回すことを心がけました。運良く大当たりすれば、さらにそれから30回転くらい回す感じです。これを個人的に「朝一リーチ2回鳴かせ打法」と命名し休日にどこかへ出かける際にとりあえず春夏秋冬を触ってから、という感じにしていました。

さて、日中の立ち回りも工夫しました。当時はまだ台上にデータカウンタは付いていません。稼働率が高ければ、日中は半分以上の台が地獄モード中となります。メモを用意し縦に台番、横に時間軸を取り、稼働中の台は横棒を伸ばしていき、大当たりすれば黒丸を入れました。よく行くお店は設置20台だったため、打ちながらも20台分のデータを付けた訳です。

地獄モード中の台はハズれリーチ40回で天国モードに入る、リーチ発生率が約1/15、つまりおおよそ600回転、時間にして2時間半くらいを要すれば、大当たりする可能性が高い、ということです。

つまり、データを付けることでそろそろ大当りしそうな台が推測でき、さらに連チャンも期待ができるので、もしそんな台が空けば狙い目ということに。まあ、人気機種であったため、なかなか空きにならず、また自分の台もハズれリーチ回数をカウントしているため、もし30回を超えていればヤメるわけにはいかないし、簡単ではありませんでした。

そんなある日、必勝ガイド誌にこんなスクープ記事が掲載されました。

「春夏秋冬で135連チャン!」都内某店のことであり、噂を聞きつけたスタッフが駆けつけて、階段など所狭しと積み上げられたドル箱の写真と共に紹介されていました。記事には、神輿役物に玉が挟まって固定されてしまったため、天国モードが固定された可能性が示唆されていました。まあ、この記事は強烈なインパクトがありましたね。

この「天井機能」があるパチンコ機は、その後2006年に豊丸から出された「CRやすしきよし333&555」、そして2010年に同じく豊丸から出された、その名も「CR天上のランプマスター」で、ハマリ救済の位置づけで採用されていました。

話は春夏秋冬に戻ります。リーチ演出について、激アツとなる全回転アクションは1990年、西陣から登場した「アラシキング」が初めてでしたが、この春夏秋冬にも採用されました。

とにかく大当たりを見たければ、頑張ってハズれリーチ40回を目指すことです。そして40回目に到達!深呼吸して次のリーチが全回転リーチに発展すれば・・・

いや~、今の時代にこんな機能の台があれば・・・