本日は相当にデリケートな話題だが、看過できない話でもあるので筆を執る。

 

パチンコ業界と北朝鮮との繋がりは古くから言われている。

送金があったのは事実であるし、今でも在日韓国・在日北朝鮮国籍を持つ人々が関わっている業界だ。

 

一方、北朝鮮への送金は

http://www.cistec.or.jp/export/keizaiseisai/saikin_keizaiseisai/index.html

2016年2月26日より現在に至るまで全面的に禁止されている。

少なくともそれ以来、日本国内から北朝鮮への送金は一切行えない。

 

このサイトは政治を論ずる場ではないのでそこは割愛させて頂くが、何より問題なのは冒頭の画像にあるツイートが多くの「いいね」と「リツイート」により拡散されている現状だ。

 

パチンコと北朝鮮を結びつけてパチンコ業界を叩く人は昔から一定数存在する。

北朝鮮のミサイルが明確な脅威となっている今、それに便乗するような形で冒頭のツイートが注目を集める理由もよく分かる。

一方、父親がパチンコ店の経営で財を成したソフトバンクグループの孫正義氏を引き合いに、ソフトバンクを叩くツイートなど直近では全く注目を浴びていない。

 

ここで少し時代背景を追ってみるが、孫正義氏の父である孫三憲氏は1947年に日本へ入国したとされている。

出生年等が明らかでない三憲氏が青年期を過ごしたと思われる時代の朝鮮半島は、日本の占領下にあり北朝鮮も韓国も国として存在していない。

孫正義氏が在日韓国人(とされている)とは言え、それは後々選択したものであり、現在の北朝鮮との繋がりが否定されているわけではない。

 

それは、パチンコ業界も同じだ。

少なくとも筆者が直接会って話を聞いた業界関係者は、口を揃えてパチンコ業界から北朝鮮への送金など今は出来ないと言う。

19世紀末から朝鮮戦争終結までの激動期の中で、朝鮮半島から日本へ渡った人々の多くがパチンコ業界に流れたのは事実と認めながらも、現役世代の在日国籍を持つ人々は日本で育ち、日本の価値観を持っている。

送金があった時代と今とではパチンコ業界も大きく様変わりしているのだ。

今でも繋がりは否定できない。しかし、今の北朝鮮を応援する事を目的に送金を行っているパチンコ業界人などほぼいないのが実情だ。

パチンコで負けた金がミサイルに変わったなどと言うのは暴論に他ならない。

2017年1月27日に丸山穂高衆議院議員が国会で行った質疑の中にあったような「第三国を迂回しての送金」があるとしても、それはあくまで業界とは切り離した個人の犯罪にすぎないはずだ。

 

しかし、本来大きな意味も持たない無責任なツイートが「同様の考えを持ち共感する人々」によって拡散されていき、不確かなスパイラルを生んでいる怖さをパチンコ業界は自覚すべきだ。

 

それは、これまでの業界のあり方が招いたのは事実だ。

だからこそ、その反省に立った上で未来志向として、そうではないパチンコ業界をもっともっとアピールすべきだとも思う。逆風の中だからこそ。

 

そして、近代の歴史を顧みず、不確かな情報に基づいた差別や偏見をするのであれば、それは北朝鮮のミサイルとなんら変わりの無い悪意の暴力であるし、それに乗せられる事の愚かさには気づかなければならないと思う。