発端は何気なく開いていたツイッターで見かけたこちらのツイート。

最初、何に怒ってるのかさっぱり分からなかったのは、カバネリを打ったことがないからコレがハイエナの画像だという事すら分からなかったからであり、演者さんなるその方の事も全く知らなかったから。

アンテナ鈍ってんねぇ、自分。今日はそんなお話。

さて、冒頭の件。

結論から言えば「アカン」の一言。お金を貰って呼ばれてようが、ノーギャラだろうが、撮影者・演者は一般のお客さんからしたら迷惑なだけの存在です。

一部の人には追っかけもいて、客寄せパンダ的な特別な存在かもしれませんが、そんなのお店に来る人の極一部だし、演者目的にその時しか来ないお客がワンサカ押し寄せるのも、その演者に興味がない大多数からしたら迷惑でしかない話です。

だから、演者は本来、ホールやお客様には平身低頭であるべきだし、まして指定台と疑われるような行為、ハイエナのような期待値を刈り取る迷惑行為は厳に慎むべし。

当たり前。

あたり前田のクラッカー並みに昭和から続く当然の価値観。

……

だと信じてはいるものの、最近ちょっとこういった行為に「怒り」の感情がサラサラ無くなってきたのは、やはりホールから離れているせいなのか、それとも歳のせいなのか。

まぁ、パチンコ界の文春砲、フルスロさんにもしっかりまとめられているようですし、この件そのものを掘り下げるのは止めましょう。

Pay乞食系演者さん、カバネリのいいとこをハイエナしてしまい批判殺到www

そもそも論で言うと、立て付けはどうであれ、現実として賭博場であるパチ屋において、胴元と繋がりのある人間が営業中に打つこと自体、本来NGだと思っています。

これは演者に限らず、メーカー関係者や他ホール関係者なんかもダメじゃない?というのが持論。ホール関係者の場合、自店で打つ事を禁じているのは常識ですが、そのルールが適用されるのがパチンコ業界はとかく狭い。

競馬関係者はどのレースであろうと馬券を買えませんよね。なぜならそこには八百長の可能性だったり、内部の人間でしか知り得ない優位性があるからで、パチンコ業界にも当然それが様々な形であるわけで、そこに一般客からの不公平感が生まれるわけです。

だから、関係者が営業中に打つという行為については、本来もっと強烈な規制があって然るべき根幹にあたる部分だとボクは思います。

でも、ここでもう少しパチンコ業界を深掘りしてみると、どうやらそんな演者とホールのずぶずぶ関係は、ゼロにするのではなく一定程度残っていた方が業界にとっても都合が良い事が分かります。

そして、いくら許可産業とは言え、私企業の集合体であるパチンコ・パチスロ業界が、わざわざ自分の会社が損するかもしれない身を切る改革なんてするわけもなく、大志を持って旗を振る業界人も見当たらず、なんなら旗振り役になるべきPAAの中に脱法告知バンザーイ企業が堂々と混ざっていて何のお咎めもない。

それがこの業界です。

って言うか、古くから打ち子・サクラを使って、スタッフが横領したり、オーナーが脱税の手段に使ったりするような不正すら未だに無くならない、無くせない業界なわけですから、演者のハイエナなんてむしろ可愛いレベルで、非常に些細な事案とすら思ってしまいます。

そして、そもそも演者なる存在は、業界外の寄生虫。本当の意味で業界内ではありません。“業界人”というのは、メーカーとホール関係者、そしてお上だけなんですよね。

だから、演者界隈の人々が、業界をいくら良くしようって言ったって、法律を変えられるわけでも内規に影響を及ぼせるわけでも無く、現実として何も出来ない存在だから、せめてアホなことやってお客を喜ばそう、演出に詳しくなって興味を持ってもらおう、と頑張るくらいしかやれる事はなかったりします。

ホールに呼ばれた演者が営業中に打つ事は、ボク個人はNGだと思っていても、そんな風に真面目にやればやるほど損をするのがこの業界。それよりも、演者が勝った負けたを文字通り演じて、それを映像にする方がエンタメとして成り立つし、業界内からもお客さんからも求められている役割なわけです。

先ほど、演者に興味の無い大多数のお客からしたら迷惑なだけ、と申し上げましたが、不思議なもので、現場では迷惑なだけの存在が、ネットを通し、メディアを通すと必要な存在にすり替わります。

一つの現場という小さな単位で括る話より、メディアを通じた不特定多数の反応で作り上げられる数字の方がもてはやされ、その方が都合が良い大人たちが実際にいるので、いつまで経っても悪名は無名に勝るような演者が後を絶たない。そんな実情があります。

いわゆる識者枠なんてのは、POKKA吉田氏やヒロシ・ヤング氏、大崎一万発氏がガス抜き程度にいれば十分といったところでしょうか。

そんなこの業界の現実を知ってしまうと、どうせ腰かけ程度に若いうちにやりたい放題して、さっさと稼いでトンズラする事が確定的に明らかな若い女性演者が何をやらかそうが、「怒り」ではなく「どっちらけ」。

今回の一件では、そんな自分がいることを再確認する事案でした。そして、これはいけない負のループだなぁ、とも。

 

好きの反対は嫌いではなく無関心。

 

確実にそうなりつつある自分がいて、決して演者界隈のやらかしが主要因ではないけれど「それを理由の一つとして」業界から遠ざかっていく、そんな人もいるんだろうなぁ、とふと思った次第です。

だから今回、自戒も込めてこの話を取り上げました。

ボクは心底ハイエナが嫌いだし、自分はもう絶対やらないけど、全くやってこなかった人間でもないから、目の前の期待値を拾いたいその気持ちは分かります。今も専業をしている人にも、兼業で稼いでいる人にも、演者界隈の人にも、ハイエナをやるなとは言わないし言えません。

演者が営業中に打つなとか、毎回最後尾入場当たり前だろ、とか、そんなクライアント(ホール)が望んでない事を清廉潔白にやれとも言えない。それはやっぱり非現実的な理想論でしかないし、そんな汚れた世界もパチンコ・パチスロの一つの景色ですからね。

でも、一つ確かなのは、このツイート本当に必要?と考えるくらいの頭は持とうって事。

SNSで何万人のフォロワーがいようが、現状のパチンコ業界に携わって仕事をしている演者界隈は、パチプロ同様、本来日陰者なわけですよ。ホールからもらうギャラはともかく、ホールで打って勝った負けたをしているそのお金は、様々な過去のいきさつがあってグレーなまま「社会的に存在しない所得」なことはもう世間様には知れ渡っているわけだから、その現実に目を逸らしてはいけないし、知っておかなければいけない話だし、それを知った上で開き直るのか、自分を律するのか、その選択には大きな差があると思うのです。

そういう線を自分で引けなくなったらそれはもう動物と一緒だし、演者である前に人間なんだから、pay乞食系演者とか呼ばれる自分が恥ずかしくないのかな、と。そういう倫理観は忘れちゃいかんと思うわけですが、かつての田山さんや安田さんのように、この業界の持つグレーな部分を踏まえて、日陰者意識を伝えてくれる大物はもうおらんのかな、だからこんな人らが大手を振ってホールに呼ばれるんかな、とか考えると色々と救いがねぇなぁ……と思ってしまいます。

それが時代というならば、老兵は死なずただ消え去るのみ、という話なわけですが、だとすれば公平性の無いこのギャンブルが衰退するのも当然だよね、としか思えません。

こうして、何のアンテナも貼っていない自分にも伝わってしまうほど、情報伝達が早い社会において、いつまでこんな自分たちにだけ都合の良い事ばっかやってんのって話です。こんな業界にノブレスオブリージュを求める方がどうかしている、と言われたらそれまでですけどね。

ぱちんこ業界の衰退は、演者界隈の些細な話が主要因では決してありません。でも、1要因なのは間違いないと思うのです。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロしちゃってごめんなさい
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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