新卒で入社した販売業。最初の8年間くらいはQCサークル活動なるものを強制させられました。QCとはクオリティコントロールの略で、品質管理のことです。もともと製造業関係から端を発し他業種に波及していきましたが、販売業に向いているかは?でした。

仕事でめちゃくちゃ忙しいのに、それに加えてQC活動って相当に負担に感じていました。QC活動なんてする暇などない、の声に対し会社側は、だからこそQCをするのだ、と言ってました。しかし社員の大半は休眠状態、発表会の前だけ無理やりそれに間に合わせる感じでした。

この会社にはTさんという凄い方がいる、という噂は聞いていました。入社3年目の頃、本部長(社長は同族経営であった為現場面で実質トップ)であったTさんが業績不振店であった私が勤務する店舗に、自ら職位を下げ単身で社員寮に入り店長として赴任されました。そしていつものように5階の玩具売場でもくもくと仕事をしてた時、急に現れこう言ってこられました。

「じゃじゃさんという名前は知っていました。でもこんな素晴らしい方であることは知りませんでした。」いや~褒めるの上手。というか怒られてばかりの日々だったこともあり、褒められたの初めてにて舞い上がりました。T店長が全力で行うべく時間外で講師もされたQC講習会には公休日であっても参加しました。

年2回のQCサークル活動の支部大会には必ず間に合わせ、その発表会に参加しました。発表のためのOHPシートは家に持ち帰り作成したりもしました。

QCサークル活動を分かりやすく説明すると、小グループ内で日頃の仕事上での問題点を出し合い、パレート図などを使って問題の程度を数値化し現状を把握します。

次に目標値を設定します。

次に、なぜなのかを繰り返し特性要因図を作成し、その沢山の要因の中の末端から重要要因を選定します。

そして重要要因に対して対策案を立案し、実施します。

その後、数値で効果の確認を行い、歯止め、反省をします。

つまり、仕事上の問題点を自らが改善していく、こと。やる気がない、とか頑張る、といった抽象的なものは省き、具体的な数字で表します。

はい、この活動を知った時真っ先に思ったことは、パチンコに応用できるやん、です。

問題点:パチンコ勝てない。そしていくら負けてるのかの額を知る。目標は月間プラス。負けてる要因1は、保4でも打ちっぱなし。対策1は保3止めをする。そして効果確認。の流れ。けっこう数値化しやすい、ですがこれだけで簡単に効果は出ないでしょうから、対策は4つくらい。概ねこんな感じ。

QCサークル活動はおおよそ8年間くらい実施しましたが、やがて自然消滅しました。そんな中、我がYOISHOサークルが10サークルちょっと参加したQCサークル発表支部大会を勝ち抜き、〇〇支部代表として臨んだ全社大会(参加10サークル)で金賞(全社約140サークルでの1位)を獲得した時はハイライトではありました。で、その時の発表の様子を書いてみます。

発表ではOHPシート(計8枚くらい)をスクリーンに映し、指し棒を使って一応下書きは用意するも基本はスクリーンを見ながら説明していきます。と、その前に今回特別に、QC七つ道具の一つであり活動のキモとなる「特性要因図」を作成しました

「只今よりYOISHOサークルの発表をさせていただきます。発表者は私じゃじゃ、アシスタントは〇〇が務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

我がYOISHOサークルは〇〇店玩具、サンリオショップで構成されており、リーダーじゃじゃ以下計5人で活動を行ってきました。皆で問題点を出し合った結果、玩具の定番商品の品切れが多い、について取り組みことに決めました。テーマは「玩具の定番商品の品切れを減らそう」です。

その時の品切れ件数について棚毎に表したのがこのパレート図です。品切れ基準を基本在庫数の20%以下として計算をしました。品切れ件数112品目、品切れ比率25.6%でした。これに対して目標は品切れ比率が半減となる12%以下、としました。

次に、なぜ品切れが多いのか、についての原因を、大骨要因「従業員」「定番商品」「発注方法」「陳列棚」に分け、中骨、小骨要因へと掘り下げて特性要因図を作成しました。

そしてこの中から、重要要因として1、発注作業時に慌てる。2、棚に入りきらない分を発注しない。3、土日に売れる数量の把握ができていない。4、陳列の乱れにより埋まっていると錯覚する。

それらに対する対策案1、発注作業時において、棚1から、上段から、左から右と順番を決め、途中中断しても再開の位置を間違えないようにする。2、商品のサイズに合わせて棚段の幅を修正する。3、発注台帳に売れ数欄を設けて記入し、これを元に発注点を決め発注時の目安とする。4、発注作業前に棚の乱れを確認し整理整頓をする。

これら4つの対策を実施し、3か月後効果の確認を行いました。その結果、品切れ件数が対策前112品目に対し26品目、目標12%以下に対し品切れ比率5.9%と目標を達成することができました。

また、品切れが減ったことでチャンスロスが減り、売り上げが昨年対比105%上がる、という波及効果がありました。

歯止めとして、発注台帳に発注順、発注点を記入し、台帳が新しくなる際に転記するとしました。反省会では今回は玩具売り場での取り組みでしたが、サンリオショップにおいてもできることを取り入れるという話が上がりました。

以上でYOISHOサークルの発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

はい、もう30年以上前の話にて10回あまりサークル活動をテーマ完結した中で、全社大会に参加した時のテーマがこれでは無かったかもしれません。が、概ねこんな進め方でした。そして会社の代表としてJR西の第4回大会に来賓として招かれ、模範発表をしたのですが、今でも憶えてることがあります。

そのJRの発表会で「第3セクターの有効活用」というテーマで発表された際、その発表後、足を組みつつ最前列で見てた各主要駅駅長さんの1人が「第3セクターの有効活用って、そもそも会社所有地を社員がどうこうする権限などない」と意見しました。で、会場が凍り付いたのですが、縦割りな社会&これはQC活動のなんたるかを分かってない初期段階の話だな、と思った次第でした。

はい、会社強制で行ったQC活動もやがて、自然消滅していきました。だいぶ古い話なので改めてQC7つ道具など調べ、思い出しながら書きました。この活動で得た経験は、クソ忙しい中、家に持ち帰ってシート作成やグラフ化しなくても、問題意識があり、何が大きな要因なのかが分かり、どうすれば改善できるのかが分かれば、何かにつけて役に立つ。

パチンコ勝ち方論への応用も、ね。