ことの発端はこちら。

「パチンコ業界人のような人の不幸で飯を食ってもなにも感じない鋼のメンタル」←これにキレた業界人さんが長々リプバトルへ

なんのこっちゃいと言う方はまず↑を見て下さい。その上で話を進めます。

リプバしてた二人をちょっとだけ知ってるワイ

どちらともリアルではお会いしたことはありません。しかし、どちらとは申し上げませんが某インターネッツを通じて片方とはzoomでお話したことはあり、もう一方の方ともX上でのやり取りがあり。

で、業界人とされている方は、相当なレベルで風営法や各種規則、都道府県ごとの組合事情等に精通している方です。

その上で

「Xなんて暇つぶしw」

とカラっと言ってのける方でして、傍から見るとウッザイ絡み方しとるなwって話なんですが、このリプバは決して物知らぬ有象無象同士がワチャワヤしているだけのそれではない、という点は申し上げて本題に進みます。

他人様のやってることにアレコレ言えないと気付くまで

ボクも若かりし頃「風俗産業なんて…」という感覚でぱちんこ業界を見ていた時期がありました。何せボクがぱちんこの世界に足を踏み入れた1990年代というのは、まだまだ分かりやすいおヤクザさんのような輩たちがホールを跋扈していた時代。

歌舞伎町よろしく、一目で危ない場所というのは感じ取れた部分がまだ残っていたし、お客も店員もそんな空気感が残っていた上に、今のようにインターネッツでアレコレすぐに調べられる時代でもありませんでした。

そんな中、雑誌を通じて「パチプロ」に憧れを抱き、自分もその道で頑張ってきた……と思っていたある時ふと気づきます。

 

アレ?ひょっとして一番クズなの俺らじゃね?と。

 

ハタチそこそこの頃、確定申告会場で「パチンコで勝った金って納税どうやればいいんですか?」と聞いて、担当職員に怪訝な顔であしらわれた後、第一段階として自分が如何に社会の道から外れたところにいるかに気づきます。

少なくともぱちんこ業界で働いている人で税金払ってない人いませんからね。今は。

その後、サミーのコピー打法問題で一斉にシマ閉鎖になったのを目の当たりにしたり、GOD・アラジンA・サラ金が検定取り消しになったり、ストック飛ばしやジェットカット、ホッパーカットなどのホールのアコギなやり方を実体験して、やっぱりこの業界クソやと気づいた第二段階で、ボクは一旦社会人デビューを果たします。

しかし、時はバブル崩壊後のダメージが色濃く残る、就職氷河期直後。

正社員として働き始めたものの、社保がなく、国保も国民年金も自分で払う上、会社に布団を持ち込んで3日間寝泊まりしたこともあるようなブラック(自分でやっただけ)な労働環境でした。それでも元パチプロを拾ってくれた会社には今でも感謝しかありません。

しかし、弊社だけでなくその業界自体が今思うと法律スレスレ……と言うか法律を真っ当に適用したら明らかにアウトな事を多くの会社がやっていました。

でも、台湾やら中国で作られる非正規なブツを日本の片隅にある超零細企業が著作権違反して売っていたところで、誰もがその名を知る世界的企業がそんな事にわざわざ首を突っ込んでくるような時代でもなく、会社もそれを見越してやっていました。

そして、お客さんもその商材を喜んで買っていた。そんな時代でした。

ぱちんこ業界も昔はそうでした。ハレーすい星ロボQとか絶対スターウォーズの許可取ってないし、今ならオマージュじゃ許されない。

そして、つい最近……と言うか今でも脱法告知がまかり通っていたりしますが、様々な形で抜け穴を探るのが手っ取り早くお金を稼ぐこと、と言うのはどの業界であっても変わらぬ真理ですし、それは会社とそこに属する従業員の生活に直結する話だから、ある意味では清廉潔白にやって潰れるよりかはやむを得ない側面があるとも思ったりするのです。

どこで線を引くかというだけの話

こういった話は、結局のところ各々の生き方の問題なんですが、世の中が複雑なのは他人は自分と同じようには生きていないからです。

線にも何段階もあります。

■1.法律という概念すら分からず自分さえ良ければいい。暴力をふるう事にためらいがない。

こういう人たちも世の中には一定数います。ここには意識的にそうしている真のサイコパスと、環境的な要因で気づいたらそういう世界に染まってしまった人たちが混在しています。

■2.法律なんて知ったこっちゃない。法律は抜け穴を探すもの。だけど殺す殺さないは面倒。

この辺がいわゆる半グレの人たちのベースです。法律を守る気が無いことは①と同じでも、昔のヤクザみたいな直接的な暴力闘争はご免(損)だ、というインテリタイプが上にいて、それとは分からず使われてしまっているのが闇バイトに乗っかっちゃう方々です。

■3.法律を犯すのはマズイと分かっているけど、抜け穴があればやる。刑罰との損得勘定が大事で得ならやる。

これは経営者に非常に多いビジネスサイコパスです。でもモラル的な引っかかりはどこかで持っていて、それを隠すのも上手だから、社会的には優秀・良い人と見られる事もあり、今で言えばインフルエンサーみたいになる方にも多いタイプです。次の➃と混じっている方も多いです。

■4.法律を犯すのはマズイ。損得より法律が上。でも、時々だらしなくなるよね。

大多数はここだと思います。いわゆる一般層。でも、どう見ても車が来ない横断歩道で急がなきゃいけない時、赤信号や横断歩道のない道路を渡った事がない人いますか?そういうレベルで生きている方々がほとんどです。

■5.法律を犯すのはマズイ。俺は守ってる。だらしない自分を言わない(隠している)だけ。

こういう人もそこそこ多いと思います。清廉潔白でいたい自分と、そうではない人間的な部分との折り合いが取れないまま、弱い自分を見せない方々です。

■6.本当に清廉潔白な人

超希少な存在です。学生まではそうした理想に燃える人も結構な数いると思いますが、大概は世の中のメンドクサさを知り、自分の欲望との折り合いが取れなくて↑にいきます。この信念を最後まで貫いて死んでいった人なんてガンジーくらいかと思いますが、ボクはガンジーに会った事は無いのでホントのとこは分かりません。

 

こういった基本的なモラルの線引きも、あくまでもボクが生まれてこの方一度も戦禍に巻き込まれたことがない日本人だから言える事。

法律とは別軸で宗教という絶対的な尺度を持って暮らす人々、島国と大陸との地政学的な違いで国の成り立ちから文化交流まで、全く違う流れの中で生きている人々とは、全然違うモラルの線引きがあるわけで、それは善悪の二元論で語れるほど単純ではありません。

そして、それら全てを理解した上で超越した存在になれるのが、国のトップになるような、はたまた世界を動かせるレベルの経営者の方々なんでしょう。

その世界観は到底ボクには分かりません。

だらしない人の居場所だから風俗産業は必要

前述の➃⑤にボクもいます。そして、世の中の7-8割はそういう人だと思っています。

そこにも幾重にも線引きがあるわけですが、そういう人間に共通するのは、どこかで弱い自分と向き合わなければいけない時、向き合えない時、風俗産業や生産性の無い趣味が救いになる時がある、という事です。

ぱちんこを含む賭け事に興じて、いっとき夢中に、もしくは無心になれる場が必要な人がいます。

本能的にどうしても持て余してしまう性欲の捌け口を求め、性風俗に通う人がいます。

そうして発散しないと自分を律する事が出来ないから、そして社会的な秩序も保てないから、風俗産業は法律的にグレーな線引きが多く、ある程度のラインで許されていると思っています。

そこに従事する人々の何が悪いのか。他業界は言うほど立派なのか。

表面上いくら立派に見えたところで、中身をきちんと掘り下げたらどの業界でもアンモラルな生き方をしている人々がいて、特に経営者層や法律を作る側にはそういう人が多い中、自分もどこかでその恩恵を受けている自覚があるなら、ぱちんこを含む風俗産業を下に見てはいけないと思います。

それはただの八つ当たりだし、仮に業の上下をつけて良い存在がいるとするならば、ガンジーだけでしょう。ガンジーの本質は知らんけど。

白黒つけたがる世界で、マイナス面だけを捉えてすべてを法律に落とし込んだら弱い人達がどんどん生き辛い世界になるだけです。そして、そんな弱い人達の扱いに長けているのが①②③の人々で、だからこそ➃⑤が無自覚に、あるいは半ば意識的に正しさを叫ぶから、貧富の格差は広がり、世代間格差の分断社会へと進んでいるように思います。

 

「職に貴賤無し」とは申しますが、実際のところ差別的な意識は無くすことが出来ません。それも人間の本能的な営みの一つです。

そして、「ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) | 宮口 幸治」で記されているように、厳然たる事実として境界知能に近いような、ボーダー理論よりもオカルトに傾倒してしまうような、そんな人たちがいます。

そうした人々から搾取することが「人の不幸でメシを食ってる」と断じるのは簡単です。

でも、そうした方々を救う活動をしておらず、清廉潔白にやっている事業者でも無い人々が、そうして特定の業界を貶めたところで、そんなもの大上段に構えただけの言葉遊びでしかありません。

弱い者たちを救いたいなら、救われる側から叫ぶのではなく、救う側としてのアクションを起こさなきゃいけない。それが出来ない人が何を言おうと、①②③の人らに響くことはありません。

勿論ここ30年、オカルトに傾倒して負け倒す人々からむしり取ってきた結果、そろそろそんな人々がいなくなる・鬼籍に入る末期状態であり、それでぱちんこ業が成り立たなくなるなら自業自得でしかありませんが。

 

仕事というのは結局のところ、20世紀半ばまでの分かりやすい暴力闘争が形を変えた経済戦争の一部です。

だからと言って、何でもアリはいかんでしょ、という➃⑤の大多数の意思がある程度は社会に反映されているから、様々な問題をはらみつつも人々は平和と繁栄を模索してきたし、ボクらは今こうして生きていられるんだと思います。

その中で日本では、ぱちんこという娯楽のような賭博が生まれました。

それを否定したいなら変えるだけの行動をしよう。出来ないならそれを業としている人々を下に見る言葉を吐く資格はないし、失礼な話だと思うのです。

勿論、台の良し悪し等は好き悪しきに叫んで良いと思います。それは単に消費者としての商品・サービスに対する評価だから。

でも、その先にいる「人」とそれを混同してはいけない。

まずは業界の否定ではなく、自らがまだ歓心を寄せるぱちんこへのポジティブな事、オモシロイ事、そして何より賭博である以上身を持ち崩さない程度の、負けすぎない為の発信をする以外、➃⑤に属するボクらに出来ることなんて無いと思うんですが、それは冒頭のリプバしてた方が数年前に教えてくれた(と勝手に思っている)話なんだけどなぁ……。

どうしてこうなったw

最後にクソどうでもいい話

先週、北斗で10万負けた愚痴ブログを書きましたが、今週は勝ちました。

ダンベルで上位ぶち込んで5000枚。チビ回転のうんこ処理をする夢を見て、安田さんのトーク動画を撮った帰りに犬夜叉2で4000枚。

欠損2000枚くらいまで戻ってきました。

荒ぇなしかし。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロしちゃってごめんなさい
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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