平成30年は「北斗の拳」の生誕35周年にあたるそうです。つまり、北斗神拳を伝承した頃のケンシロウが二十歳だったと仮定すると、邪魔するやつは指先ひとつでダウンさせていた彼も今じゃ良い年をした齢55のおっさん。オイオイ、それって私や安田さんとタメ年じゃないの…というわけで、今回は何となく北斗の拳について語ってみたくなりました。

もちろん、パチンコやパチスロではなく、週刊少年ジャンプで連載されていた、原作:武論尊/作画:原哲夫の漫画「北斗の拳」の話です。

当時の私は、あだち充の「タッチ」や高橋留美子の「うる星やつら」が連載されている週刊少年サンデーを愛読していたんですが、ある時、友人から「北斗の拳という漫画が凄く面白い」という話を聞き、彼にジャンプを借りて読んでみました。

正直言って、頭の中がぶっとびましたね。

その正体は、ハードボイルド、バイオレンス、アクションを融合させた格闘漫画。核戦争を生き延びた人類がわずかな水や食料を奪い合う世紀末に、一子相伝の暗殺拳・北斗神拳の伝承者となったケンシロウが、南斗聖拳の伝承者・シンに奪われた恋人のユリアを取り戻すために戦い続ける…そんなストーリーに、当時は大学生だった広石少年は頭を鈍器で殴られるほどの衝撃を受けたんです。

 

それまでの私は、原作:高森朝雄/作画:ちばてつやの「あしたのジョー」や、原作:梶原一騎/作画:つのだじろうの「空手バカ一代」、原作:雁屋哲/作画:池上遼一の「男組」と「男大空」くらいしか格闘漫画を読んだことがなく、北斗の拳の虜になるのにさほど時間は要しませんでした。

だって、本当に面白いと感じたんだモン!

しかし、漫画界に一大ブームを巻き起こしたこの作品も、ラオウとケンシロウの死闘に決着がつき、天帝編&修羅の国編に突入すると、徐々に面白さが失われていきました。

ジャンプの合い言葉は「友情・努力・勝利」なのですが、最後はケンシロウが強くなりすぎて「努力」の要素が欠落するに至り、遂に連載終了となったのです。

その後、北斗の拳は静かに歴史に埋もれます。

 

おそらく、サミーさんがこの漫画とタイアップした機種をリリースしなければ…いや、サミーさんがタイアップを見送ったとしても、いずれどこかのメーカーさんがタイアップしたでしょうが、もしもその機種が4号機史上に残る62万台もの特大ヒットに繋がらなかったとしたら、北斗の拳は現在のような立ち位置には居ないだろうと思います。

パチスロ初代「北斗の拳」の大ヒットは、いろんな副産物をもたらしました。液晶演出を見て若い世代が原作に興味を持ち、連載当時のカラー原画を使用した復刻本の発売や、TVアニメ版のCSチャンネルによる再放送が行われ(内容がバイオレンス過ぎて地上波での再放送は難しい)、新作映画もつくられました。更には、原作をベースに「もしもの世界」を描いた二次作品の誕生などを含めると、経済効果は計り知れません。

 

ちなみに、二次作品の中で私が最も好きな漫画がこれ。

 

 

「DD北斗の拳」 カジオ/原案:武論尊・原哲夫

 

 

約1年半前まで「月刊コミックゼノン」で連載されていたギャグ漫画なのですが、その煽り文句がまた凄い。

時は21世紀。暴力が支配することもないし、

水や食料に困ることもない平和な日本。

当たり前だが最強の暗殺拳である

北斗神拳を活かす道なんて見つからない。

ましてや秘孔を突くほど悪い人もいない。

完全に力を持て余した伝承者ケンシロウは

無口で愛想のないコンビニ店員として働いていた。

空気の読めない拳士達が織りなす

北斗神拳コメディ・スタート

(第一巻の背表紙より)

 

 

時は21世紀の平和な日本。

暗殺拳である北斗神拳を使う場面なんてない

ケンシロウ達は、バイトして生活をしていた。

修行に明け暮れた拳士達は現代の空気なんて

当然読めない。北斗三兄弟だけでも面倒なのに、

続々登場する南斗の強敵(とも)達。

北斗と南斗の空気の読めない

闘いの火ぶたが切って落とされた!!

(第二巻の背表紙より)

 

 

私はこの漫画を知らなかったのですが、書店でこの煽り文句を読んだ瞬間に2冊とも購入しました。面白いので北斗ファンは一読することをオススメします。

うーん…ちょっと長文になっちゃいました。本当はパチスロ「北斗の拳」の話まで到達する予定だったんですけど、あまり長くなりすぎてもアレなので、今回はここまで。続きは一週間後の当ブログでお届けします。

 

 

(C)カジオ2010,(C)武論尊・原哲夫/NSP1983,版権許諾証 ZCS-13