左上の奥歯に痛みを感じて、私は3ヶ月前から歯医者さんに通っています。原因は、二十歳の頃に治療した奥歯の治療が不完全で、根元まで虫歯が進行していたらしいです。当時の歯科医は治療技術が今とは比較にならないほど拙く、虫歯を削って詰め物をしても何年か経てば元通り…というか、元より酷くなっちゃうそうですね。実際、二十五歳になるまでに治療した虫歯は、あと1本を残して全て新たに治療したことになります。ということは、おそらく残りの1本も遠からず再発するのでしょう。

 

歯痛は人間か感じる痛みの中で最大だとする説があります。私は堪え性がないですから、痛いと感じたら我慢せず歯医者さんに行くよう心がけているので、ここ二十年くらいは激痛に身悶えした…な~んていう経験はないんですが、誰だって歯医者さんで歯をガリガリ削られるのは嫌なもの。実際、麻酔が効いてからは全く痛みなんて感じないんですけど、それでも嫌なのは、子供の頃にかかった歯医者さんがいわゆる雀医者で、麻酔を射っても十分に効果が出る前にガリガリやり始めたから。その時の激痛が脳内にインプットされて、歯医者さん=痛い=怖いところという図式が、完全に頭の中で出来上がっちゃってるんですよね。今でも思い出す度に震えがきます。

その点、私が今お世話になっている歯医者さんは素晴らしい名医です。施術の前に素人の私でもわかるように虫歯の状況と、それをどう処置するのかを詳しく説明してくれて、義歯を入れる際にはどれを選ぶのが良いかのアドバイスまでしてくれます。十年前にも私は詰め物をしていた歯の根元が腐ったため、この歯医者さんで治療をお願いし、インプラントの施術を受けました。貧乏な私は、当初は部分入れ歯にしたんですけどね。いずれ必ず不満を持つでしょうから、そうなったらなるべく早めに来院してくださいねと言われて、大丈夫ですよと答えたものの、ほんの1週間で音をあげて、速攻でインプラント手術を受ける決断をしました。部分入れ歯っていうのは、ブリッジを組めない場合(根元が欠損した歯の両側の歯が弱いまたは傾斜していて支えられない場合)に入れるんですけど、これを装着していると意味もなく唾液が分泌されるわ、食事中に食べ物が歯茎に挟まって痛いわ、煮沸消毒が面倒だわで、使い心地はもう最悪。インプラントは約30万円と非常にお高かったけど、これは本当にお金には変えられませんわ、ええ。

 

話が少し逸れましたが、昨日は仮歯をはずして型を取りました。次回は義歯を入れますので、次々回に検査をして終わりです…と言われ、先生にお礼を述べて会計に行ったんですよ。会計で支払うべき治療費を支払い、次回の予約を入れ、さぁ帰ろうと靴を履こうとした瞬間、会計のお姉さんに呼び止められました。

「えーと、広石さん。次回は8千円くらいかかりますから」

一瞬、お姉さんが何を言っているのかわかりませんでしたが、どうやら普段の治療費よりも多めにかかるので注意してください…という意味のようです。もしかして、自分が金なしジジイにでも見えたのかしらと思ったけど(粗末な身なりですし)、中には歯医者さんに子供だけで来院するケースもあるわけだから、義歯を入れたりして余計にお金がかかる場合には、全員に同じように声をかける決まりになってるんだろうなぁと、自分の都合のいいように解釈してみました。

ただ、「8千円」と聞いたとき、頭の中で即座に「400枚」と、パチスロの貸しメダル料金に変換された瞬間は、我ながら思わず苦笑してしまいました。これも一種の職業病なんですかね(笑)。

…というわけで、無理やりパチスロに結び付けて今回のブログは投了!

 

 

注・雀医者とは藪医者よりも更に下手くそな医者のこと。そのココロは、だんだん薮に近づく。語源は枝雀師匠の落語だったかなぁ…(笑)。