今回はゴールデンウィーク進行でちょっとバタついており短めです。普段のコラムは長すぎて読めねぇよというまっとうな方は是非この機会にどうぞ。いや俺は普段のでも短いと思ってるぜというド変態の方がおられましたら申し訳ございません……! 次回は平常運転に戻ります。

さて。

生涯出玉ナンバーワンは何枚じゃ。

これは万国共通、全世界・全文明のスロッターがアルコール片手にゴリゴリ語れる鉄板のトークテーマだと思う。ドイツ人はビールを片手に、キューバ人はラム酒を片手に、そしてフランス人はブルゴーニュ産のワインを掲げながらこう言うことだろう。「俺パチスロ打ったことねーや!」と。

みんなも画面の前で叫んで欲しい。あなたの生涯出玉ナンバーワンは何枚? あるいは何発? せーの……!

と、これは実は「世代」によって結構ハンデがある。4号機の爆裂時代、あるいは裏物全盛期の人だとエグイくらいの枚数行くだろうし、最近始めた方は2400枚らへんと答える人も多いはず。

かくいう筆者は4号機の爆裂AT機時代を体験しておきながら、実は出玉最高記録は5号機の「モンスターハンター月下雷鳴」である。

これだ。討伐記録ってカンストすんだ! とびっくりする方も多いと思う。この日はオープンから閉店まで便所もいかずほぼノンストップで打ってずっと出てたので、たぶん都内の通常営業時間で出せる理論上の最高出玉に近いと思う。その枚数「21,775枚」である。冗談抜きで月下雷鳴の一撃出玉・日本記録かもしれない。至るところで言ってるんでそろそろエンターライズからトロフィーが送られてきても良いと思う。

この日の事は未だに覚えていて、当時連載していたメディアの担当編集だった女子と「ちょっと打ってから打ち合わせがてらメシでもいこうぜ」みたいな感じで会うことになり、当時彼女がいなかった筆者は「これはワンチャンなんかあんじゃねぇか?」と淡い期待を抱きつつ一応勝負パンツ履いて出たのだが、気づいたら狩りに夢中で何も喋らんまま閉店時間になっていたし、担当の方はいつのまにか帰っていた。

筆者は基本負けキャラだし「収支より楽しさを優先」する派なので、あんまり人に自慢できるような数字的なものはない。けどこの時の出玉だけはちょっと自慢である。

んで、これもまたいろんなところで言ってるのだけども、実はこの2万枚出してる間、筆者はマジで「台と会話していた」。

こう書くと完全に変な薬でもキメてる感じなのだけども、もちろんシラフである。ただ、台と完全に意思疎通が出来ていたのを覚えてる。月下雷鳴を打ったことがない人に説明すると、これ、ボーナス中はガチ抽選でモンスターを狩って行く感じなのだ。決められたゲーム数以内にモンスターを狩る事ができればストックを1つ獲得(ボーナス継続)。ストックなしの状態でモンスターを倒し切る事が出来なかったらボーナス終了である。

んで、このバトル中、なんかの拍子に完全に台が言ってる言葉が分かるようになったし、台もまた、筆者の心の声を理解するようになった。欲しい時に欲しい小役が引けて、各種抽選を自由に操れる感覚。断じてシラフだけども、当時の筆者は真面目にこう思った。

(あ、俺の右手は今、天然のゴト装置だわ)と。

ちなみに、その感覚になったのはそれが2回目である。初回はこれまた5号機の「BLOOD+」であった。ARTにデアデアとめっちゃ叫ぶ系の効果音が脳に変な作用をもたらしたのか、何か知らんが台との会話が成立した。時間的な限界により万枚にも届かなかったけども、最後の方は台と民主党政権について語り合ったりしていたもんである。

いや流石に民主党政権はウソだけども。

推察するに、スポーツの世界でいうところの「ゾーン」だと思う。集中力が異様に高まって脳の機能が拡張された状態とされてるけど、たぶん月下雷鳴やBLOOD+で爆裂している最中、その状態になったんだろう。脳機能が拡張されて演算能力が高まっているので、レバーを叩いた瞬間にノータイムで視覚情報が処理された結果、自我が「レア小役だ」と認識するより先に意識外で分かってしまっているのである。なので、「フラグを先読みしたような気になった」んだと思う。それと神がかった展開が噛み合った結果、右手がゴト装置化したような錯覚を覚えたわけで。

実際、打ってる時はめちゃくちゃ不思議だったし、ちょっと不気味ですらあった。

こういうのって他に活かせれば凄いことが出来そうな気がするのだけども。残念ながら筆者は体を動かすのが苦手でスポーツその他の素質はゼロである。パチスロにおけるゾーン突入の特典って「演出を先読みした気になれる」だけであんまり意味がないゆえ、これは要するに、割と無駄な才能だと思われる。ちぇ!

……改めて。みなさんの一番の出玉記録は何枚(何発)ですか?