7月19日に「スマート遊技機フォーラム」が開催されました。スマートパチスロなんじゃらほい? という方は、パチスロサミットON LINEというサイトで解説されているのでご覧になっていただければ分かるかと思います。

管理遊技機などと呼ばれた時期もありましたが、一言にするならばメダルレスパチスロですね。11月には導入開始予定となっております。

遊技機規則が改正されるわけではないので、メダルの増加速度やノーマルタイプのリアルボーナスの枚数は変わりませんが、AT性能についてはかなり変わる気がしております。6.5号機もかなり攻めた内規となっていますしね。その6.5号機では有利区間の上限が4000Gとなっていましたが、さらにスマスロはその上限がなくなります。これ、実は大きいことなんです。

 

有利区間の上限ゲーム数は、6.0号機当初は1500G。6.2号機では3000Gとなりました。この6.2号機となる際にメーカーの方は「随分とできることが広がる」と仰っていましたが、ユーザーの立場では理解するのが難しかったように思えます。「凄い、凄い!」と言われても、どう凄いか細かく説明してくれた人は少なかったかと。

6.0号機は、基本的に純増枚数が高い機種が主流となっていました。救済機能の初当たりからでも2400枚を目指せる。そんな仕様としたかったからです。例えば1000Gで救済機能が発動しますよね。残る有利区間は500Gです。そこで2400枚に到達するには減少区間なしで1Gあたり5枚程度が必要となります。

対して、有利区間の上限が3000Gに伸びた6.2号機は、1000Gで初当たりとなっても、その時点で消化できる有利区間の残りゲーム数は2000G。そこからもゆっくりジワジワと出ても2400枚を目指せることになります。なので、1Gあたりの純増がそこまで速くない機種が増えたと認識しています。

 

純増枚数が低くなる=初当たり確率も上げられる=ゲーム性の幅が広がる」という図式になりますので、確かに表現できる出玉の波は圧倒的に広がりますね。端折った説明部分を丁寧に考えてみると「やれることが増える。凄い」というメーカーの方の説明はごもっともとなります。

ユーザーからしてみますと。別に遊技機規則で定められた出玉率の幅も変わりませんし、何より2400枚の上限はそのままなので、大きく変わっていないように見えてしまいますけどね。実際、ゴールの場所は同じですが、その過程は随分と違うこともできる。そんなイメージです。

 

そこで6.5号機の有利区間の上限4000Gとスマスロの無制限。ここの違いです。遊技機規則で規定されている出玉率の幅は、1600Gで40%~150%となっています。リプレイを無視すると1600Gで投入されるメダルは4800枚。その150%は7200枚となるので、純増は2400枚ということになります。

6.5号機からATの出玉が“差枚数+2400枚”となりましたが、4000Gという上限があると物理的に出せるメダルは限られるのが実情なんです。スマスロは有利区間のゲーム数上限がなくなるので、時間をかけてでもコンプリート機能の19000枚まで目指せることになります。ね、夢があるでしょ? 私はその方向の夢をあまり持っていませんが。なんなら6.0号機内規からノーマルは同じままですし。『ニューゲッターマウス』も作れます(笑)。

 

まあ、なので。跳ねる系の機種は「スマスロ>6.5号機>6.2号機」という図式になりますが、ノーマルに関しては従来のタイプがそっくり残るかな……と。というか、ノーマルまでスマスロになったら、30Φの意味がなくなります(笑)。そんな感じで棲み分けがなされていくのではないかと。スマスロで必須のユニットも数が足りないみたいですし。来年の春までに15万台くらいを予定しているようですが、多いとは言えない感じですね。争奪戦になるかと。

それにしても、ユニットが台の左右のどちらに置かれるか恐怖だわ。あまりにも台の右のサンドに慣れすぎていて、たまにパチンコを打つと“いつものクセ”で右にお金を入れちゃうこともあるんですよね。照れ隠しから右の台に台移動するハメとなっております(笑)。あとは、用語とかですかねえ。スマスロが当たり前になる未来、“コイン持ち”“コイン単価”“貸しメダル料金“が伝わらなくなるかもしれませんね。もちろん、木の葉積みと俵積みも絶滅します。

こんな感じでメーカーの方と話すこともありますし、ホールの方とお話しする機会もありますが。メーカーの方は「かなりいろいろできるようになる。パチスロの逆襲が始まる」と鼻息が荒いですね。逆にホールは「新たにユニットを買わなきゃいけないのはねえ」と、とりあえずは様子見といった方が多いかしら。今のところ温度差はある感じですかね。現場からは以上です。