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ストックは消しちゃいけません

ホールの鍵はナカムラと営業部長2人が持ち、調整はナカムラが引き続きやるという話だったが、まぁこれが不満だったのか勝手に釘も設定も手を出してくる。「こんなに出す必要ない!」とかいう類の、今までの流れを完全無視した内容。そんな営業部長様が、着任後1週間もしないうちにとんでもない暴挙をやらかす。
とある日、ホールで朝から走り回るナカムラがスロットの常連に呼び止められてこう言われる。

「ストック消してるよな?」

4号機時代の後期はストック全盛期であり、かの有名な初代北斗や初代吉宗もストック機。ゲーム性はストックがある事が大前提だし、普通に使っていればストックが自然に切れることなんてありえない仕様なのだが、店側が消そうと思えば消せる。そして、ストックが無いと全く出ないボッタクリ。

( ゚Д゚)「いやいや、絶対にそんなことしないッスよ」

とは答えたが、常連が言う「消してる証拠」も明らかに本当っぽい。例えば夢夢ワールド(SANKYO)で朝一200ゲームほどステージチェンジしないとか、吉宗の1G連でレギュラーボーナスだったとか。吉宗の方はナンバーランプの履歴でも確認できるが、偶然のレギュラー1G放出もあり得るので100%ではない。だが、限りなくこれは怪しい……

( ゚Д゚)なんかイヤな予感。

その場は「絶対に消してない!」で押し通せたが、夕方に営業部長様が来た時に聞いてみた。
「もしかしてスロットでラムクリアしましたか?」と。

開戦

するとあっさり「消しましたよ?」とのお答え。え?何か問題なの?みたいな感じでお答えになられる営業部長様。確かに違法でもないし、手順を踏めば消せてしまう機械でもある。だがそれは、信頼して店に来てくれているお客さんに対する重大な裏切りであり、それに気付いた人は噂を広めるし、目先の小銭を拾いに行くよりダメージの方が遥かに大きい!何やってくれてんだ!夜中にコソコソとそんな事してバカなのか!?と頭の中で思うだけにしておけばいいものを、ついつい口に出してしまうオチャメなナカムラ。はい、対立熾烈化ww

二言目には「ぼくは営業部長ですよ?」が付くようになり、社長に「店長が言うこと聞かない!」とチクるようになるが、社長は1年前の惨状からここまで盛り上げたナカムラに対して、決して強く言えない。たぶん息子が暴走中なのも理解していたと思う。

そりゃあね、代替わりして張り切って「代替わりして良くなったね!」って言われたいんだろうけど、パチンコ屋はバランスなのよ。ストック消したりして一時的に粗利が上がっても、客もバカばっかりじゃないんだから、絶対にしっぺ返し喰らうに決まってるよ。そんなことも分からないのに何を「修行」してきたの?と、オブラートに包んで言うつもりが、オブラートが破れていたらしく…案の定「開戦」となるww

帰れコール

営業部長様はあんまり事務所にも来ないし、当然ホールにも滅多に出ない。たまーにホールに出ると常連から「帰れコール」が起こるという特技を持っているのだが、あんだけ客にも上から目線で接してたらそうなるよね。機械トラブルで客が補償を求めてるのに、ろくな説明もできず補償を拒否して必殺の「ぼくは営業部長ですよ?」をやってのけるんだから、当然そうなる。元は上皿にマジックで名前書くような連中が、ナカムラを信じてくれて楽しくパチンコできる環境になったのに、わけのわからん営業部長がそれをブチ壊しにきてるんだから。

そこから1年半ほどは冷戦状態を保ち、営業部長を持ち上げて(メーカーの新台展示会回りがメイン仕事)極力何もさせない事で収益も順調に推移していたが、ナカムラに他の法人からお呼びがかかったのを期にお別れとなった。

世襲して良くなったホールも多いが、こういう勘違いしたお坊ちゃまが店をぶっ壊すケースは何軒も見てきました。
あんだけ最初から上から目線で来れるのも才能だとは思うが、理解に苦しむ所でもある。

( ゚Д゚)じゃあまた!

 

※このコラムは遊技日本・本誌からの転載です※

遊技日本さまのご厚意により実現したものです。ご協力ありがとうございます。