元来、釘があるからパチンコなのだが、それを否定してしまっては、もはやパチンコモドキである。業界がまだ潤っていた頃、3千万ものファンに支えられていた頃、この問題にはきちんと対処しておくべきだった。釘調整ができなければパチンコではないんだと。

━━従来のパチンコは、大当たり確率や確変継続率など数値に関し、同一機種であれば全て一定であった。それが、設定が搭載されることによって、大当たり確率を複数搭載できるようになる。つまり、今後パチンコ店はこの設定を用いて利益を調整していく訳だが……

 こうした背景には、国会でも取り沙汰されていた”あの問題”が大きな影響を与えたようだ。

「パチンコの根幹である『釘』に関して、政治家や警察庁から指摘されたことが大きいようです。2015年、維新の党・初鹿明博衆議院議員がパチンコ釘問題に関する質問主意書を政府に提出。本来違法であるパチンコ台の『くぎ曲げ』を放置することの問題性、ただちに撤去した際のホールの損害を考慮したパチンコ台の撤去方法などが主な質問内容でした。

~中略~

 業界の枠を超えて取り沙汰された『釘問題』により、パチンコ店の利益調整は釘から設定へとなったパチンコ機。今後は、釘に一切触れることができない「管理式遊技機」が用いられるようだが……。

「管理式パチンコにより『一発台』の存続を危惧する声が多く挙がっていますね。

現在注目を集める『CR天龍∞』のような台です。ヘソに玉を入れて抽選を受けるいわゆる『デジパチ』とは違い、特定の穴に入れば大当たりなのですが、第一関門の飛び込み口に玉を入れなければならないんです。そこへの突入率は『釘』で変化を持たせることができるのですが、釘に一切触れられない『管理式遊技機』となれば、もう致命的。大当たり確率に設定を付けられる機種ではないですからね……。現在のトレンドともいえる存在だけに悲観的な声は多いです」(記者)

『CR天龍∞』を代表とするパチンコ本来の「玉の動き」が楽しめるパチンコ機は、今回の規制によって、導入が難しくなることは明らかだ。

 ただ、そもそも業界が長年に渡って放置し続けた『釘問題』である以上、致し方ないのかもしれない━━~ギャンブルジャーナルより抜粋~

http://biz-journal.jp/gj/2018/02/post_5734.html

 問題を先送りし続けるのは業界の悪癖だが、その最たるものが釘問題であろう。元々、パチンコは普通機と呼ばれるものが主流であり、それに電動の役モノが付くようになり、やがてはデジタルによって大当たりか否かが決まるような機械が登場した。そのいずれもが釘調整を前提とした機械である。

 かつての一発台や旧要件と呼ばれるデジパチがなくなったのは釘調整云々の問題ではなく、特定の入賞口が開放することによって、他の入賞口の入賞が容易になってはならないといったような規則ができたからと記憶している。その時点で特に釘調整に関しては行政の方も目くじら立ててはいなかったはずなのだが、いつしか諸悪の根源とばかりに釘に関してはうるさくなった。メーカーは新台の開店釘も叩けなくなり、釘に関しては語られることがほとんどタブーと化した。

 そして今、管理遊技機なるものが現実化している。釘どころか、盤面にも触れるな、触るなというのだから、どうしてそこまで行政は釘に関して神経質になるのか、正直分からない。そして、事ここに至るまで放置してきた業界にも責任の一端はあろう。釘調整が事実上できない、玉の動きを楽しむ台が作れない、パチンコがつまらなくなった一因でもある。射幸性やゲーム性に関してはギリギリのところまで行政と折衝してきたはずだが、釘問題に関しては遅きに失した感が否めない。