オンラインパチンコは合法なのか? 運営元の会社を直撃してみた(日刊SPA)

担当者がPC操作画面上のスタートボタンをクリックすると実機のリールが回り始め、見事な目押しテクで絵柄が揃えられていく。クリックとリールのタイムラグもほぼなく、通信とソフトウェアの高度な技術を感じさせた。

「弊社はパチンコホールに置いてあった台をゲームセンターに転用するノウハウを持っており、保有している遊技機の数は2000台を越えております(’18年1月現在)。ジャグラーや番長シリーズをはじめ、バラエティに富んだ機種を取り揃えています。人気のある4号機はもちろんのこと、さらに古い機種を打つこともできます

~中略~

パチンコ事情に詳しいPOKKA吉田氏は、メーカーの知的財産権についてこう指摘する。

「ネット経由で実機を遠隔操作するにはプログラムの改造が必要となってくるはずです。例えばゲームセンターの隅に置いてあるような改造パチンコ台のほとんどは、メーカーが許諾したものなので問題ありませんが、勝手に改造したとなれば話は別。遊技機の商標権や意匠権(装飾の権利)、プログラムの著作権などに抵触する可能性があります。過去、不正改造をめぐる事件では有罪となった判例がいくつもありますからね」

オンラインパチンコは合法なのか? 運営元の会社を直撃してみた

オンラインでのパチンコ・パチスロ、更に4号機以前の機種まで打てる、それがポイント交換できて換金に繋がるなんて話は、業界の経緯や常識を知る人間からすれば荒唐無稽にしか聞こえない。

POKKA吉田氏も言う通り、商標権や著作権といった目に見える問題は勿論の事、対価がオンライン上のポイントであっても結果的に換金へとつながるようなシステムであれば、法律的にグレーであれホワイトであれ、警察が「力でねじ伏せる」だろう。

実現可能性は極めて薄いと思われる。特に景品交換関連は業界の既得権益そのものであるし、それが無ければサミータウンやスマホアプリと何ら変わりないのだからユーザーに受け入れられるはずもない。

 

ただし、万が一このシステムが通用するのであれば、パチンコ・パチスロの遊び方に一石を投じる可能性はある。

今やアミューズメントとしてもギャンブルとしても、台を設置して「さぁいらっしゃい!!」なんてやり方自体が前時代的なものである事は明らかで、台とユーザーが1対1で遊ぶパチンコ・パチスロは何もホールでやる必要性はどこにもない。オンラインでどこからでも気軽に楽しめるとなれば、既存の概念を覆す新市場になり得る。

隣人のドヤタバコや強打に気分を害される事も無ければ、盗難や置き引きなどの犯罪行為に巻き込まれる事もない。

パチンコ・パチスロは台枠やらギミックやら、全く意味のない物の技術開発に血眼になっているが、出来ないと思われていた「オンラインの活用」に光明が差すならば遊び方も市場も格段に広がる事は間違いない。それはユーザーにとっても喜ばしいことだろう。

少し話は変わるが、20代・30代を中心に注目を集めている仮想通貨をパチンコ業界で活用する方法はあるかもしれないし、ビットコインで遊技できるとなればインバウンドを取り込む事だってハードルは一つ下がる。

今の閉塞感漂う業界をもう一度活気あるものにするには、このぐらい突飛な発想力が必要なのではないか。そんな事を示唆しているように思える。